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毎日寝ているのに日中眠いのはなぜ?『効率的な疲労回復のコツ』

☑︎コンディショニングに関して

休み明け、「きちんと休んだはずなのに身体が重い」「日曜日の夜はいつも憂鬱...」などと感じた経験ある方は読者の中でも多いのではないでしょうか。

特に私たち日本人は欧米人と比べ一般的に、"休み方が下手"と言われています。
それは、生真面目な国民性がゆえの長時間労働、残業、接待、さらには休日もゴルフなどの付き合いなど私たち日本人にはリフレッシュすることは、つまるところ日本人特有の苦手分野なのかもしれません。

私も20代前半の頃、平日は1日13時間程働き、そのあと飲み会に参加し、倒れるように寝ていました。さらに休みの日も上司と"交流"を深める為に、朝から夜まで麻雀やゴルフに明け暮れていました。

元々内向的な性格をしていた為、毎日アグレッシブに活動し続ける事は、正直苦痛でした。

しかしある時、スポーツ雑誌の『Number』を見ている時に、アスリートが日々の厳しいトレーニングをする中で、最高のパフォーマンスを発揮する為にコンディショニングを大事にしているという記事を見かけました。

その記事の中に、「アスリートだけではなく、毎日を戦っているサラリーマンこそ身につけて欲しい技術です」という内容が書かれていて、まさにその通りだなとひどく共感したのを覚えています。

当時、ビジネス界の常識としては、「一流は、どんな体調でも高いパフォーマンスを出すもの」という考え方が主流であった時代、今のコンディショニングブームを言い当てていたなんて、さすが『Number』と言わざるをえません。

長くなりましたが、今回は日々心身共に鍛えているプロのアスリートはどのように疲労回復に取り組んでいるのか、そして彼ら(彼女ら)が活用するスポーツ医学の面から効率的な疲労回復の仕方を今回はお話ししていきたいと思います。

☑︎休息の役割

社会人にとって毎日をハイパフォーマンスで取り組む為に、コンディショニング(休養)がとても大切な事であるということは今さらいうまでもありません。

厚生労働省の調査では、日本で疲労感を自覚している人の割合は、労働人口の内約60%のぼると報告されています。

いま現在就労人口は約6868万人いるとされていますので、約4120万人の人たちは疲労感を覚えていることになります。

それもそのはず。私たち日本人は1週間のうち、週5〜6日勤務し、さらに日々の残業や周囲からの依頼、さらには社内政治など神経を日々すり減らしながら毎日を戦っています。

特に休日ともなれば「休日のお父さん」のように昼まで寝て、日中もゴロゴロしたくなる気持ちも十分理解できます。

しかしその休日の過ごし方は疲労回復の点からいうと、あまりお勧めできません。
まずは、そもそも疲労とは何なのかをご説明していきます。

☑︎疲労の正体

そもそも疲労とは、私たちに休息の必要性と身体の異常を教えてくれる大事な信号です。

日本疲労学会によれば、
「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態であると定義されています。

しかし、寝ても休んでも疲労感がまったく解消しないという人は、知らず知らずのうちに疲労が蓄積し慢性化している可能性があります。

一般的に、そのような慢性的な疲労の原因は、ストレスによる自律神経の乱れであると言われています。
(もちろん、病気の場合もある為、不安な方はすぐ病院へ相談してください)

自律神経とは、身体を活発に動かすときに働く交感神経と、身体を休めるときに働く副交感神経の2つに分かれます。

心身を健康に保つには、ストレスを上手くコントロールし、これら自律神経のバランスを保つことがきわめて大切です。

しかし、休日に長時間眠ってしまったり、ゴロゴロしたりしても、どこか疲れが取れないと感じるのは、この自律神経のバランスが乱れてしまうことによって、休養したはずなのに、脳が「疲れてる」と感じてまうのです。

その為、まずは自律神経を乱さないように休日を過ごすことがポイントとなっていきます。

☑︎やってはいけない休日の過ごし方

では、自律神経を整え、疲労をリセットする為には、私たちは何に気をつけなければならないのでしょうか。

疲れが残りやすい休日の過ごし方

・過度な夜更かし
・食べ過ぎ&飲み過ぎ
・寝溜めをする
・ベッドの上でダラダラ過ごす
・インターネットやテレビをずっと見ている


上記、どれも普段の生活リズムを崩しかねない危険な行動です。

脳が疲れている

暴飲暴食&終日ダラダラする

生活リズムが乱れる

疲労感が残る

といった具合です。
それではこの悪循環を断ち切る為に、私たちはどのようなことに注意して行動を取ればいいのでしょうか。

☑︎疲れを残さない休養の勧め

スポーツ医学の業界では、身体から疲労をリセットさせる方法として、積極的休養、消極的休養2つのアプローチに注目しています。

積極的休養とは、疲労時にあえて軽く身体を動かすことで血流を改善させ、疲労物質を効率的に排出させる休養方法のことです。

例えば、積極的休養には以下のような行動が挙げられます。

積極的休養の例

・ウォーキング&ランニング
・ストレッチ&ヨガ
・プール
・ハイキング
・筋トレ


一方で、消極的休養とは身体を動かさずに休養する方法のことです。

例えば、積極的休養には以下のような行動が挙げられます

消極的休養の例

・お風呂
・マッサージ
・サウナ
・瞑想
・日記を書く

これら二つの休養をプロのトッププレイヤーたちは上手く使い分け(あるいは取り入れながら)ながら、日々の疲れを癒しています。

☑︎積極的休養と消極的休養どちらがおすすめ?

個人的には、まずは積極的休養を取り入れることをオススメしています。

なぜなら、効果が目に見えて現れやすいからです。

研究の中には、積極的休養と積極的休養を比べた時に、積極的休養の方が疲労回復が2倍のスピードで回復し、精神面でもストレスが緩和され不安感が取り除かれたという結果があります。

特に社会人はどうしても運動の習慣に対して奥手になりがちです。
そういった意味で、疲労時にあえて運動の習慣を取り入れるのは理に適っています。

さらに、疲労とは自律神経の乱れに起因することが大きい為、交感神経と副交感神経のバランスを整えることができる積極的休養は継続的に取り組むことで効果をすぐに実感できることだと思います。

■さいごに

ストレス社会を戦う中で、休養の取り方を知ることはとても大切です。

古代ローマの言葉で『健全なる精神は健全なる体に宿る』という言葉がありますが、まさにそれです。

少なくとも私が20代の頃は周りでも誰も教えてくれる人はおらず、コンディショニングに関する書籍もまだ少なかったように思います。

毎日仕事の中で(あるいはプライベートで)あなたらしく生き生きと過ごす為にもぜひ健全なる身体を手に入れる為の一助になれば幸いです。

さいごにこれを読んでくださった読者様がこれからも健康で幸せな人生が送れますように。

それではまた!

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