オリジナル声劇台本「ラブナロク」

〇登場人物(作中表記は、全員下の名前となる)

相良 徹(さがら とおる)…高校二年の男子高生、素行は良くないが、真っすぐな性格
              目つきが悪く、誰に対しても粗暴な態度をとることが多い
              五十鈴、幸喜とは昔からの数少ない友人

川村 五十鈴(かわむら いすず)…高校二年の女子高生、容姿端麗な美人
                 人に対して高圧的な態度をとることが多いが、実は人付き合いが苦手
                 徹とは昔馴染み

戦場 乙女(いくさば おとめ)…高校三年の女子高生、学園では生徒会長を務める
                誰に対しても明るく笑顔で接し、その清楚さも相まって、学園では「女神」とまで言われている
                男女問わず人気がある

六道 幸喜(ろくどう こうき)…高校二年の男子高生、さわやかな好青年
                五十鈴に好意を抱いている
                真面目で人当たりが良い性格のため、交友関係は広い
                生徒会に所属しており、副会長として乙女をサポートしている、右腕的存在
                徹とは友人関係

※台本中の△は、場面を表している
 また、登場人物のあとに二文字分空けてあるのは、実際には読まない情景描写である
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〇シーン1
登場人物:徹、五十鈴、幸喜

  夕暮れの教室
  五十鈴と幸喜が立った状態で向かいあっている
  徹は二人から少し離れた座席に後ろ向きに座り、二人の様子を眺めている

徹「…で、お前に言われた通り、五十鈴の奴を呼んできたけどよ。
  お前ら、いつまでそうして向かい合ってんだよ…長ぇよ…(めんどくさそうにあくびをしながら)」

五十鈴「そうだぞ。私に用があるという奴がいるからわざわざ来てやったんだ。
    (やや苛立ちながら)用があるなら、さっさと言ったらどうだ?」

幸喜「(意を決して)…では、言わせてもらうよ。
   ――五十鈴さん、君のことが好きだ。僕と付き合ってほしい。」

五十鈴「(即答で)断る。」

徹「一考の余地なしかよ!おい五十鈴、さすがにもうちっと言い方ってもんがあるだろ。」

五十鈴「うるさいぞ、徹。これは私と六道の話だ。部外者は口をはさむな。」

徹「へいへい、仰せの通りに。」

幸喜「そうか、初めから僕の負けに決まっていたってことか…」

五十鈴「ん?何のことだ?」

幸喜「いいんだ、五十鈴さん…さっきの告白は忘れてほしい。
   僕は君が幸せなら、それだけで十分だ。末永くお幸せに。」

徹「…おい、幸喜。お前、何か勘違いしてねぇか?」

幸喜「え?」

五十鈴「あぁ、そういうことか…いいか、私は別に、こいつと付き合っているわけではないぞ。」

幸喜「…え?そうなのかい?てっきりそういう関係とばかり…」

徹「あぁ、こいつとはただの腐れ縁だ。第一、俺には心に決めた人がもういんだよ。」

五十鈴「ほう、奇遇だな。実は私もそうなんだ。
    …というわけで、悪いな、六道。」

幸喜「うん、わかったよ。そういうことなら仕方ないね。
   でも僕は、これからも五十鈴さんの幸せを願っているよ。」

五十鈴「そうか。」

幸喜「うん、だから、五十鈴さんの恋を応援したい。
   もちろん、親友の徹の恋も、ね。」

徹「おう、さんきゅ。(ちょっと照れくさそうに)」

幸喜「良ければ、二人の想い人を教えてもらえないかな。
   僕は顔が広い方だから、きっと二人の力になれると思うんだ。」

徹「おう。俺が好きなのは…、い、戦場…乙女さんだ。」

幸喜「へぇ、徹は戦場先輩がタイプなのか!
   生徒会長、徹のような不良生徒にも優しく接してくれるから、コロッといっちゃたわけか。」

徹「そ、そんなんじゃねぇよ!
  何か…うまく言えねぇけど、好きなんだよ!
  あの笑顔が、いつも俺の横で見れたらなって思ったら、すげぇドキドキして夜も寝れねぇ…」

幸喜「ははっ、これは相当お熱だね。
   五十鈴さんの方は…五十鈴さん?」

五十鈴「(わなわなと震えながら)徹…まさか…お前が…」

徹「なんだよ、別に俺が誰好きになってもいいだろうが。」

五十鈴「…私も、だ。」

徹「は?」

五十鈴「(もじもじして顔を赤らめながら)私も…乙女先輩が…その…好きだ…」

徹「…お前のそんな顔、初めて見たぜ。
  まぁ、確かに、人付き合い苦手なお前とでも友達になってくれそうだよな。」

五十鈴「いや、違うんだ。」

徹「違うって…何がだ?」

五十鈴「その…私は…乙女先輩の伴侶になりたいんだ…」

幸喜「えっと…要するに、五十鈴さんは戦場先輩を、恋愛対象として見てるってこと?」

五十鈴「あぁ…」

徹「マジかよ…俺の恋のライバルがこんな身近にいたとはな…」

五十鈴「女が女を好きになるのは、おかしいか…?」

徹「いや、んなことないと思うぜ。
  お前、昔から俺と好きなもの大体かぶってたし、それが今回は惚れた女ってだけだしな。
  やっぱ見る目あるな、五十鈴は!」

五十鈴「そ、そうか…ありがとう。」

幸喜「なるほどね…僕は親友として徹を応援したいし、五十鈴さんには幸せになってもらいたいから、五十鈴さんの恋も応援したい。
   恋の成就のためなら、僕にできることは何でもするつもりだけど…それが結果として、二人を悲しませちゃうかもしれないね…」

徹「難しく考えすぎだぜ、幸喜。
  要は、どっちが乙女さんのハートをゲットするかってことだろ?
  もし五十鈴が乙女さんをものに出来たら、俺はすっぱり諦めて祝福するつもりだ。」

五十鈴「お前のそういうよく分からない真っすぐさ、嫌いじゃないぞ。
    当然私は乙女先輩と添い遂げたいが、その相手が徹だったら、腐れ縁として、素直に祝うつもりだ。」

幸喜「うん、二人がそれでいいなら、僕は全力で二人の恋を応援するよ!
   (くすりと笑う)失礼かもしれないけど、二人とも恋愛どころか、人付き合いそのものがあんまり得意そうにないしね。」

五十鈴「お前…ホントに私のことが好きなんだよな…?」

徹「よぉし!そんじゃ、どっちが乙女さんのハートをつかめるか、競争といこうぜ!」

〇シーン2
登場人物:全員

△学園正門・朝    

  次々と登校してくる生徒たち
  徹、五十鈴、幸喜、連れ立って登校

幸喜「いいかい、まずは戦場先輩に顔を覚えてもらうことが先決だよ。
   登校中に聞いていた感じだと、二人とも一度も戦場先輩と話したことないみたいだしね。」

徹「いや…俺、乙女さん見ると緊張しちゃってさ…うまく話せなくなるんだよ…」

五十鈴「私もだ…いざ目の前にすると、頭が真っ白になる。」

幸喜「学園の狂犬と恐れられる徹と、学園の女帝と畏怖される五十鈴さんも、女神と崇められる戦場先輩の前ではかたなしだね。」

徹「…俺、そんな風に呼ばれてたんだな。ってか、イヌかよ!
  もっとこう…オオカミとかトラとか、かっこいい感じで呼ばれてぇなぁ。」

五十鈴「いいじゃないか、徹は私の番犬みたいなものだしな。ほら、お手。」

徹「誰がお前の犬だって!?ガルルルル…!」

幸喜「あ、戦場先輩来たみたいだよ。」

  乙女、大勢の生徒に囲まれながら登校

乙女「皆さん、おはようございます!朝の挨拶って、とても気持ちがいいですよね。
   朝から皆さんの素敵な挨拶が聞けて、何だか私まで嬉しくなっちゃいます!」

徹「…俺、乙女さんのってことなら、イヌでもいいや。」

五十鈴「同感だ、かしずいてお世話して差し上げたい。」

幸喜「ほら二人とも、鼻の下伸ばしてないで、挨拶してきたらどうだい?
   僕は周りの人たちに挨拶して、さりげなく戦場先輩の周りあけといてあげるから。」

五十鈴「六道、恩に着る!乙女先輩と徹の次くらいに気に入った。」

幸喜「すごく複雑な気持ちだけど、五十鈴さんが喜んでくれたなら何よりだよ。じゃ、行ってくる。」

徹「おう、頼んだぞ!」

  幸喜、乙女の周りの生徒たちに挨拶して、囲いの隙間を作る

徹「幸喜がここまでしてくれたんだ…腹くくって挨拶しに行くぞ、五十鈴!
  ――おと、おと、乙女さん、おはざっす!」

五十鈴「よし、行くぞ…!
    ――おと、おと、乙女先輩、おは、おは…」

乙女「あら?おはようございます。あなたたちは…確か…」

徹「は、はいっす!俺、相良徹って言います!よっしゃあ、言えたぜ!」

五十鈴「あの…その…わた、私は…」

徹「(小声で)五十鈴!ここがオトコ見せるチャンスだぞ!俺もすっげぇ今心臓いてぇけど!」

五十鈴「(小声で)私は女だ、バカが!…だが、おかげでちょっと落ち着いた。
    …こほん、おはようございます。私は二年の川村五十鈴と申します。」

乙女「相良さんに、川村さん…えぇ、六道副会長から良く話を伺っておりますので、お名前は存じておりますわ。」

徹「えっ!?マジすか!」

乙女「はい、この学園のワンちゃんと、その飼い主さんって言われてる人達よね?」

五十鈴「(真剣な声色で)はい、ペットです。むしろペットにしてください。」

徹「伴侶目指すんじゃなかったんかよ…」

乙女「伴侶?」

徹「い、いえ、何でもないっす…そ、それじゃ!俺らこれで!
  首洗って待っといてください!ほら、行くぞ五十鈴!」

五十鈴「お、おい、徹!引っ張るな!」

乙女「ふふ、何だか面白い子たちね。」

〇シーン3    
登場人物:全員

△教室・昼

  昼休みを知らせるチャイムが鳴り響く
  教室の掲示板には、「ふわふわパンダパン限定10個!」と書かれた張り紙が掲載されている

幸喜「(ナレーション)その後、生徒会副会長である僕は、生徒会の時間を利用して戦場先輩から様々な情報を聞き出してみた。
           そしてその情報を、徹と五十鈴さんに伝えることで、二人の恋路をサポートしていったんだ。」

幸喜「徹、五十鈴さん、耳よりな情報だ!
   今購買で、戦場先輩の好物の『ふわふわパンダパン』が売ってるよ。
   限定10個だから、狙うなら早い方がいい。」

徹「何!?飯食ってる場合じゃねぇ!行くぞ、五十鈴!――あれ?五十鈴?」

幸喜「五十鈴さんなら、今凄い速さで教室から出て行ったよ。」

徹「あんの野郎…!やるじゃねえか…上等だ!待ってろパンダパン!!(教室から飛び出す)」

△購買

五十鈴「危なかった…何とか買えたか。六道には後で飲み物でもおごってやるか。」

乙女「あら、朝の…確か、川村さんだったかしら?ごきげんよう!」

五十鈴「お、乙女先輩!?ほ、本日はお日柄も良く…」

乙女「あっ!それって、『ふわふわパンダパン』ですよね?
   ちょうど買いに行こうと思っていたのですけど…これでは、もう売ってなさそうね…」

五十鈴「よ、よろしければ…その…これ、受け取ってください…」

乙女「え?いいの?川村さんが食べたかったんじゃないの?」

五十鈴「ほ、ほんの…気持ちです…!(自信なさげに)う、受け取ってください…ませんか…?」

乙女「ありがとう!じゃあ、お気持ちに甘えさせてもらおうかしら。
   私これ大好きなの!本当にありがとう、川村さん!(五十鈴の手を握り、握手する)」  

五十鈴「(心の声)乙女先輩が…私の手を!!ふわっふわだ…!」

乙女「あ、ごめんなさい!嬉しくてつい!それでは、ごきげんよう。後で何かお礼するわね。」

徹「あー…んだよ…パンダパン売り切れかよ。10個だけなんてケチくせぇことしやがって!」

幸喜「仕方ないよ。あのパン、見た目に反して熟練の職人が一日かけて作ってるシロモノらしいから。」

徹「はぁ!?あれがか?よく分かんねぇな…
  (五十鈴を見つけ、近づく)おーい五十鈴、そっちはどうだった?パンダパン手に入ったか?」

五十鈴「ふふふ…(自慢げに)聞いて驚け。乙女先輩に手を握ってもらえたぞ!」

徹「嘘だろ…!?ど、どうだった…?」

五十鈴「ふわふわ…そう、すごくふわふわだった…」

徹「おい五十鈴、手握らせろ!俺も間接でいいから、乙女さんとふれあいてぇよ!」

五十鈴「残念だったな。このぬくもりは私のものだ!」

徹「くっそぉ…めちゃくちゃうらやましい!!あの鉄面皮の五十鈴がすげぇ嬉しそうな顔するくらいに良かったってことか…!
  ……あと幸喜、無言で五十鈴の写真撮り続けんな。目がマジ過ぎて怖い。
  お前、実は結構五十鈴に未練あるな?ストーカーにだけはなんなよ、頼むぜ。」

五十鈴「ふふ…私が乙女先輩のあの美しい指に…指輪を…ふふ…」

徹「おーい。五十鈴ー。帰ってこーい。」


〇シーン4
登場人物:全員

△廊下・別日、昼休み

幸喜「二人とも、ちょっといいかな?今放課後の生徒会会議で使う資料、戦場先輩が取りに行ってくれてるんだよ。
   僕も含めて生徒会メンバーは、この後用事があるから行かなきゃいけないんだけど、良かったら二人とも手伝ってあげてほしいんだ。
   ほら、運びながら色々な話ができるチャンスにもなるしさ。どうかな?」

五十鈴「徹、ここはお前に譲ってやろう。この前は私がいい思いをさせてもらったのでな。」

徹「いいのか!?サンキュー、五十鈴!(走り出す)」

幸喜「五十鈴さん、行かなくていいのかい?」

五十鈴「なに、勝負事は条件が対等でないと面白くないのでな。私なりの慈悲だ。
    …まぁ、気になるから様子は見させてもらうがな。」

△資料室

徹「し、失礼します!乙女さん…じゃなかった…乙女先輩!幸喜に話聞いて、生徒会の仕事手伝いにきました!」

乙女「あ、相良君…でしたよね?ありがとう!こんなにいっぱい資料があるって思ってなかったから、とても助かるわ!」

徹「ま、任せといてください!俺力あるんで!」

  徹、乙女、資料の山を抱えながら並んで歩く

乙女「本当に助かるわ、ありがとうね。」

徹「うっす…!
  (心の声)やっべぇ、俺今すげぇ顔にやけてんな…まさか乙女さんとこうして並んで話できる日が来るなんてな…」

乙女「そう言えば相良君って――川村さんのこと、好き?」

徹「はいっ!?な、何すか突然!?」

乙女「この前の二人のやり取り見てて、相良君と川村さんって仲良しだなって思ったから、つい。
   驚かせてごめんなさい。私コイバナ大好きで、つい余計なこと聞いちゃうことが多くて。」

徹「あ、あぁ、そうなんすか…俺と五十鈴は、腐れ縁ってやつっすよ。
  アイツは俺の数少ないダチなんで、そういうのじゃないっす。ダチとしては、一緒にいて楽しい奴だなって感じっす。」

乙女「ふふ、何かいいなぁ、そういうの。あこがれちゃうな。」

徹「その…乙女さんは、そういう人いないんすか?」

乙女「うーん…いないかなぁ。学園の皆とは仲良しだと思ってるけど、結構表面的な付き合いっていうか…
   皆が私を大切に思ってくれるのは嬉しいんだけど、今まで告白とかもされたことないし…
   ――あ、ごめんなさい、突然変なこと言っちゃって。幻滅したでしょ?」

徹「うまく言えないんすけど、乙女さんはもっと自分に正直でもいいと思いますよ。」

乙女「え?」

徹「多分なんすけど…乙女さん、皆の自分に対するイメージ壊したくないって思ってるんじゃないすか?
  自分を良く見せたいってわけじゃなくて、皆の期待にこたえたいから、ちょっと無理してるって感じですかね?
  乙女さん、優しい人だから。でも…少なくとも俺は、乙女さんに幻滅なんてしませんよ。
  だって俺は、ありのままの乙女さんが…」

乙女「相良君…」

徹「あっ…!すんません!俺めっちゃ変なこと言ってましたよね!?
  ホントすいませんでした!資料運び、俺やっとくんで!そんじゃ、失礼しました!!」

乙女「あっ!行っちゃった…
   私、もっと自分を押し出しても…いいのかな…?」
  
  相良、資料の山を抱えながら廊下を横切ろうとする  
  五十鈴、廊下の陰から出てくる

五十鈴「ずいぶんと支離滅裂だったぞ、徹。」

相良「おわっと!な、なんだよ…ずっと見てたのか?
   何か話してたら頭真っ白になっちまってさ。
   あー…俺やっちまったな…これ、絶対変な奴だって思われたぞ…」

五十鈴「(徹の方に手を置いて)大丈夫だ、それは最初からだ。」

相良「フォローになってねぇぞ、五十鈴…」

〇シーン5
登場人物:乙女、幸喜

△生徒会室・放課後

  乙女、幸喜、生徒会室で事務作業をしている

乙女「はぁ…」

幸喜「どうしたんですか、会長?さっきから溜息ばかりついて。」

乙女「はぁ…いえ、少し悩みがありまして…」

幸喜「珍しいですね、会長が人前でこういった話をするなんて。」

乙女「…あの、六道君って…相良君と川村さんと仲良しでしたよね?」

幸喜「えぇ、そうですが…二人が何か?」

乙女「その…実はお二人に伝えたいことがあって…伝言を頼めませんか?」

幸喜「(嬉しそうに)えぇ、構いませんよ。お任せください!」

〇シーン6
登場人物:全員

△空き教室・夕方

  徹、五十鈴、幸喜、教室にやって来る

徹「なぁ、幸喜…それってマジなのか?」

幸喜「さっきから何度も言ってるでしょ。戦場先輩が、『二人に話があるから、ここに来てほしいと伝えてくれ』って僕に言ったんだ。」

五十鈴「徹だけなら、この前の件の説教だと思うが…何故私もなのだろうな?」

徹「俺にも分かんねぇな…身に覚えしかないからなぁ。」

幸喜「あ、来た!それじゃ、僕はこれで。後で何の話だったか聞かせてね。」

徹「あ、おい!やべぇ…緊張してきた…!」

  乙女、教室の戸をゆっくり開いて現れる

乙女「あ、来てくれたのね。ありがとう!」

徹「どうもっす。えっと…この前のことっすか?」

乙女「あ、ううん、違うの。実は二人にお願い…というより、伝えたいことがあって。」

五十鈴「(徹に耳打ち)おい徹、もしかして…これはもしかして…!」

徹「(五十鈴に耳打ち)さすがに妄想が過ぎるぜ五十鈴…だったら呼び出すのはどっちかになるだろうが。」

乙女「えっと…その…恥ずかしいけど、言うね?」

徹「な、何すか…?」

五十鈴「な、なんでしょうか…?」

乙女「(数回深呼吸をしてから)
   ――わ、私と…お友達になってください!!」

徹「と、とも…」

五十鈴「だち…?」

乙女「私、相良君に言われたことずっと考えてて…決めたの。
   これからは、『女神』としての私じゃなくて、一人の戦場乙女として、皆と接していこうって。
   でも、いきなりはやっぱり怖いから…まずは話しやすい二人からって思って…ダメ、かな…?」

徹「全然オッケーっす!むしろマジで俺らでいいんすか!?」

乙女「うん、二人とも、とっても楽しい人だから。」

五十鈴「不束者ですが、どうか末永くよろしくお願いします。」

徹「五十鈴、三つ指つくのは色々すっ飛ばしすぎだぞ!
  …あ、子供の名前ってもう決めてます?」

五十鈴「お前も人のこと言えないだろ。」

乙女「あはは、やっぱり二人とも素敵ね。これからもよろしくね!」

幸喜「(ナレーション)こうして、徹と五十鈴さんは、憧れの存在、戦場先輩との仲を深めることに成功したのだった。
   一体どちらが戦場先輩のハートをつかむのか…それは、誰にも分からない。もちろん、僕にもね。
   さてと、盗み聞きしてるってバレたら怒られそうだから、僕は帰ろうかな。
   願わくば、この愛の黄昏が、二人を幸せへ導かんことを…という感じかな。」

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こちらの台本については、商用利用可の完全フリーの台本として公開させて頂く。
演技の練習や声劇活動等にお使いいただければと思う。
もし良ければ、台本使用の際に一言頂けると、とても嬉しいな。(義務ではないゆえ、報告しなくても大丈夫だ)
もし見にくいということであれば、テキストファイルやPDF化したものを作成してお送りするので、その際はお手数ではあるが私のTwitterのDMに一言頂ければ幸いだ。

こちらの台本は、2019年9月20日に葦原ヨミ(https://twitter.com/ashihara_yomi)殿のチャンネルにて行われた「V学声劇」で用いた台本となる。

↓実際に演じてみた配信のアーカイブはこちらだ!
https://www.youtube.com/watch?v=YWzFUckh3w4&t=1564s

こうしたかたちで声劇台本を書くのはこれが初めての経験だったが、とても楽しい台本に出来たのではないかと自負している。
今後もしまた機会があれば、声劇の台本を作成してみたいな。

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#Vtuber #声劇 #声劇台本 #女王ローザ


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