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【イベントレポート】ROSCAFE TECH NIGHT #2 〜今、CTO / VPoEに求められる事とは?〜

皆さん、こんにちは!
ぶっちゃけ系エージェントROSCA広報のSahoです。

本日は、先日開催されましたオフラインイベント「ROSCAFE TECH NIGHT #2 〜今、CTO / VPoEに求められる事とは?〜のレポートをお届けします!

今回は2回目の開催となり、初回とはまた異なる企業様にお集まりいただきました。会場は目黒のラクスル様本社!


今回の登壇企業

・株式会社SODA
・株式会社LinQ
・ラクスル株式会社
・株式会社出前館


トップバッターは株式会社SODA、執行役員CTOの林さんです。
以下、LTの内容を要約しています。
それでは、さっそく見ていきましょう!


LT1:林 雅也 株式会社SODA 執行役員 CTO






最初に自己紹介をさせてください。林と申します。SODAでCTOをしています。2020年の10月にジョインし、最初はエンジニアとしてプロダクト開発コードを毎日見ていました。
去年の頭からVPoEになり、それまでやっていたエンジニア採用より組織作りや評価制度設計、エンジニアリングマネージャーのような動きが増えていきました。

先月の10月の頭からCTOをするようになりました。SODAは2社目でして前職はサイバーエージェントという会社に、バックエンドエンジニアとして新卒で入社しました。

事業について



スニーカーダンクというプロジェクトをやっております。スニーカーとトレカのフリマアプリでして、C to Cのマーケットプレイスになります。スニーカーだったり、トレカというのは偽物の流通が非常に多いんです。私達は一度商品を全てお預かりして豊洲の倉庫で鑑定をし、仲介をしています。


C to Cのマーケットプレイスがメインの部分ではあるのですが、実はスニーカーダンクはメディアサービスとして最初にスタートしたということもあり、今でも毎日スニーカーに関する記事を抽出して公開していたりします。ユーザーさん同士がコミュニケーションするコミュニティという機能もあったりします。


渋谷に本社があったり、秋葉原にショップを設けていたりしますし、海外展開の拠点としてはシンガポールにオフィスがあります。直近の数年で大きく成長してきた、このスニーカーダンクを作る組織がどのようなものなのか今日はお話したいと思います。


組織の成長について



MAU、リクエスト数、ソースコードを見てみたいと思います。まず、MAUは僕がジョインした3年前ぐらいは100万人ぐらいでしたが現在500万人ぐらいまで伸びてきています。しかし、この伸びも相まって、人気のスニーカーが発売した際はシステムの負荷がスパイクしてしまうようなこともありました。


スニーカーダンクのバックエンドはGoで書かれています。Goのファイル数が7100ファイルぐらいで、行数が120万です。テストコードを含んではいますがかなり大きな規模になってきていますね。モバイルアプリはFlutterで書かれていまして、ファイル数は3600、行数は39万8000ぐらいの規模になってきています。


開発組織の成長について




プロダクト周りの次に、今度は開発組織について見ていきたいと思います。3年前は前CTOが1人で開発をしており、僕は1人目の正社員エンジニアとしてジョインしました。前CTOと僕の2人から、開発組織というものがスタートしました。そして現在は40名ぐらいのエンジニア組織になりました。プロダクト開発組織全体、PMやデザイナーも含めると、最初は4名ぐらいだったのが今は55名ぐらいの組織サイズになってきています。

3年でもっと速いスピードで拡大してる会社さんはもちろんありますが、3年でここまでのスピードで拡大したというところが、大変なポイントでした。

デプロイ頻度ですが、今はマンスリーでシステムのデプロイメントが100回ぐらい走るような規模で、DDT(デプロイの頻度を計算する指標として使われるもの)を開発者と営業日数で割ったような数値をここに0.3と表しています。


CTOって何をすればいいの?


組織の急拡大について見てきましたが、ここから本題です。

CTOは経営陣だと思っています。「会社は何のためにあるのか」みたいなところから深掘っていきたいなと思っていまして、その答えは「ビジョンやミッションを実現するためにある」と思っています。

会社によっていろいろ回答があると思うので、きりがないんじゃないかなというところではあるのですが…。ビジョン・ミッションの実現は誰がしていくのか?というところですが、僕は全ての従業員がしていくものだとは思っております。

CTOを含む経営陣がまずはやっていくべきでは?と思いますが、それならCTOは何をすれば?という話になってきますよね。すごい雑に言ってしまうと「これは自分の仕事じゃないと言わない」ことだと思っています。必要な仕事は全て完了される状態を作らないといけない。落ちたボールとかは置いたままではいけないと。

それを拾う人が誰もいないなら、CTOが拾うしかないと。というように思うので「これは自分の仕事じゃない」と言わないことは、とても重要なんじゃないかな。と考えています。

もう少し丁寧に説明をすると、全従業員がミッションビジョンを実現すべく、動ける状態を作るということがCTOの仕事になるんじゃないかなと思っています。

といっても難しいことで、具体的に何をすればいいのかというところをお話できればと思っています。会社のフェーズによってやるべきはことというのは、とても大きく変わるはずです。フェーズによってCTOがやるべきことは本当に様々で、例えば「どういうプロダクトを作るべきか」みたいなのを、他の経営陣と一緒に考えるというところもあれば、本当にコードをひたすらガリガリ書きまくる。ということもあると思います。


僕が3年前、SODAにジョインしたときは、本当にこれしかやっていなくて。数1000行のコードを毎日書き続けるみたいなことが、CTOにとって最もやるべき仕事というタイミングもあるでしょうし、エンジニア採用を頑張って組織をどんどん拡大していって、やれることを増やしていく。組織の安定性を上げていく。そういうのが必要なタイミングもあると思います。

エンジニアの育成という部分もあります。新卒の方のスキルを上げていくっていうのもあると思いますし、経験が豊富な中途の方も最速でバリューを発揮できる状態に持っていくということも育成に含まれてくると、育成の基盤を整備したりっていうのが必要になってくるフェーズというのももあるかなと思っています。


エンジニアリングマネジメントの4領域


エンジニアリングマネジメントの4領域と呼ばれるものがあります。
課題を探すときや、どういう課題に一番優先度を高く着手すべきかを考える時に便利な指針になるものです。

もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。「プロダクトマネジメント」「テクノロジーマネジメント」「プロジェクトマネジメント」「ピープルマネジメント」から構成されていて、この4つがエンジニアリングマネージメントに含まれると言われている考え方です。この4つの領域をみんあに協力してもらいながらやってきました。


最初のプロダクトマネジメントというのは難しく、抽象度が高いと思うのですが、アジャイルみたいな考え方を組織に浸透させていったりValueStreamっていう考え方で、ユーザーに自分たちのお仕事を活用して届けていく考え方を浸透させていったり、ユーザーに提供できる価値に意識を向けたり。

QAは出す前にテストするだけじゃなくて、そのプロセスを早い段階でフィードバックしていくことで、ユーザーにとっての品質を上げていくことだったり、こういうものはプロダクトマネジメントにグルーピングされるのかなというふうに思っています。

テクノロジーマネジメントは、サービスの信頼性みたいなところを投資するためにSREチームいうものを作っていたりするんですけど、そういう組織を組成したり、セキュリティ周りに投資をしたり、緊急時にオンコール対応ができるような体制を構築して、技術戦略的にどのようなシステムアーキテクチャにしていくと、今後スケールしていくのかみたいなところが重要になってきます。


そしてプロジェクトマネジメントですが、例えばストーリーポイントというものだったり、Velocityというを指標を使って、プロジェクトや自分たちのスケジュールを作ったり、タスクの管理をしてるっていう状態、そういう取り組みができるような状態を作ったり、あとはプランニング効果っていう工数の見積もりをチーム内でうまくやっていく手法をチームでやっています。

あとはFour Keysですね、これは生産性や品質の指標として有名なものでして、この指標をもとに、どういう改善をしていくかあったり改善のタスクを走らせるかという意思決定ができるかなと思っていて、それがプロジェクトのマネジメントに繋がるかなということで見ています。

次がスクラムです。これはプロダクトマネジメントにも強く足を踏み入れるものかなとは思っているんですけど、スクラムで定義されているイベントとかはよく設計されていて、プロジェクトマネジメントしていくのに便利だなと思っているのでここに入れました。


最後はピープルマネージメントですね、キャリア開発評価制度設計はかなりピープルマネジメントらしいところですが、他にもエンジニアの採用や育成もここに入るかなと思いますし、組織デザインでどういうチーム体制にするのか、どういうふうにコミュニケーションコラボレーションをすべきなのかという組織デザインだったり、組織開発組織における考え方だったり、文化みたいなところ言語化、明文化していくこと、そういうものもピープルマネジメントに含まれるかなと思って分類しています。


少し前までは、VPoEだったこともありエンジニアの採用に一番時間を使っていました。現在はエンジニアリングマネージャーが3人にもなって、だいぶエンジニア採用周りは彼らに移譲できるようになりました。僕は最近アーキテクチャ戦略、技術戦略のような部分を1年から2年ぐらいのスパンを見て考えて、技術周りをうまく運用していけるにはどういう組織を作ればいいのかみたいなところを注力しています。


まとめ


さいごに改めて、CTOって何をすればいいのというところですが、これは自分の仕事じゃないと言わずに、手段は何でもいいからミッションビジョンを実現していく。そして何をするかを考えるときには、エンジニアリングマネジメントの4領域という考え方という指針にするのが一般的には便利なんじゃないかなと。

CTOは全てが自分の仕事だと思って動くこと。一言で言ってしまうとこれが一番重要なんじゃないかなと思っています。全てが自分の仕事です。ご清聴ありがとうございました。



LT2:Kazuma Takeda 株式会社LinQ CTO





株式会社LinQでCTOをしています武田です。本日はよろしくお願いいたします。僕は1994年生まれで、今28歳です。みんなのウェディング(現くふうカンパニー)という会社に新卒でバックエンドエンジニアとして入社しました。

趣味としてはコーヒーが好きで、アイドルのFRUITS ZIPPERが大好きで先月もライブに行ってきました。そんな感じの人間です、よろしくお願いします(笑)


whoo your world



whooというサービスを知ってるよとい方はいらっしゃいますか?あんまり知られていないんですけど、結構中高生には多く使われているサービスとして展開しています。

株式会社LinQという会社でして、創業は2019年の夏頃です。今までいろんなアプリを作ってきたんですけどもなかなか飛ばず、2020年の6月にリリースしたNinjarという質問アプリは300万ダウンロードぐらいを一応突破しました。

300万とはいえ、世界的な規模でいうとまだまだ全然だよねっていうところで、また別のアプリに切り替えたりとかしていたんですが、このNinjarというアプリは元々、インスタのコミュニティみたいなところを形成していた文脈がありました。

その昔、Zenlyという位置情報共有アプリがあったんですが、Ninjarのユーザーさんからそれを受け継ぐサービスを作ってほしいと毎日100件以上のDMが送られてくる状況だったので、それだったらやるか、ということになりました。

これがwhooです。リアルタイムの位置情報を友達と共有して、ありのままの自分をさらけ出すことで、友達と何か共有し共感し合うというサービスです。

初期のリリースに関しては、僕1人で全部作ったサービスということになりました。本当に、今思えば我が子のようなサービスなんですけれど、それが大体3ヶ月ぐらいで1000万ダウンロードを突破して、海外のアプリストアでも1位を獲得することになりました。本当に、ちょっと作ってみたアプリがこうなるんだっていうのがすごくびっくりしたのを覚えています。


CTOに求められるものとは?




先程のSODAさんとは逆のことになってしまい少し恐縮ではあるのですが「最前線でコードを書いてプロダクトを伸ばすことに責任を持つ」これが僕の思うCTOのあり方です。

whooがめちゃくちゃ伸びる前からずっとCEOと話していたことがありました。スタートアップの初期のCTOって、最初はほぼコードを書いてるのに、組織が成長していったりすると調整役に周るのはちょっとダサくない?というものです。

弊社のCTOとして、やるんだったら、もう最善で行動を変えていこうぜと思いながら取り組んでいます。実際、急激にサービスが伸びて、マジで開発する時間が減ってるなと体感していて、それこそ採用の面談だったり、業務委託の人とコミュニケーション取ったりというところで、本当に開発時間がなくなってきているなと実感しています。


9月ぐらいからリモートワークをやめて、対面でみんなでやろうっていうタイミングで「whooが電車でもちゃんと動く仕組み作りしようね」みたいなところを僕とCEOで話していたんですが「そういえば、電車の部分どうなってる?」っていう話を今日のミーティングで話されてしまいまして。。

「最近ちょっとリリースの修正とかで、ちょっとめちゃくちゃで…」みたいな中、本当はプロジェクトに責任を持つべきはずのCTOが、解決すべきイシューというのがあやふやな状況ということは本当にユーザー体験としてよくないよね。っていうところを話していました。

リリース前に、今日出したいからどうにか直しましょう!っていうところで、どうしても僕自身がバグを潰しがちっていうところが、課題としてあります。CEOとCTOのちゃんと責任を分けようね、という話をしていました。

一番理想的な形でいくと、他のメンバーに任せる部分も一緒に解決できて、着手できる環境をちゃんと作って、そのためにCEOが採用部分だったりというのをできる人に任せて、必要なところだけ僕が入るみたいな形かなと思っています。

エンジニアを採用する時に、レベル感を把握しておく必要があると思います。CEOと一緒にやってきた中で「僕はこういう人が欲しい」ということだったり、ずっと話してきたことを自分の中で数値化してレベル感がわかっているので、ある程度もう全部任せてもいいよねという状況になってきました。なので、僕が手をちゃんと動かせる状況を作るということは、そのプラスの成長を作り続けるのは僕次第であり、僕がどう手を動かしてできるかどうかが重要になってくると思っています。

もう一度になりますが、最前線でコード書いてプロダクトを伸ばすことに責任を持つというところがやはり大切になってくると考えています。

ちなみになんですけれども、絵文字たちなんですけど、これはwhoo文字という文字なんです。これはサービス内で結構使われていて、マップ上の友達にスタンプを送ることができて、1%2%しかバッテリーがない友達にスタンプを連打してバッテリーをゼロにするっていう遊びを高校生とか中学生とかはやってたりするんです(笑)

ぜひ、whooを使ってみてください。今、ユーザーが何を求めて、何が心地いいんだろうみたいなところを求めるのに何が最適なのかを考え、技術認定しています。


採用戦略・ポリシー


これはすごく重要だなと思っていて、採用ポイントとして非常に大きいのが「本当にwhooを好きかどうか、もしくは好きになってくれるかどうか。」

あとはwhooを本当に使えるかどうかというのがポリシーと考えています。ピュアなユーザーとどれだけ近くにいられるかというところ、自分なりの使い方っていうのを見つけられるかっていうのがすごく重要だなと思うんですここがマッチする人は、ぜひ一緒に働きたいなと思う人です。

現在はコミュニティチーム、エンジニアリングチームの二つが密着しています。whooを使ったことがある人はわかるかと思いますが、友達がアプリ上で同じ場所にいるとファイヤー(お互いのアイコンが重なって燃える)するようになっています(笑)


自分の強みと弱み



僕自身の話になりますが、一番社内で一番コードを書いてる状況で、一番仕事をしているっていうのが、僕としての強みかなと。あとは、whooに人生を捧げてます。

懇親会で改めてお話できればと思うんですが、僕は妻と子供が石垣島に住んでいて、僕だけが今東京に来ているという謎の状況だったりするのでそのような話もできたら嬉しいです(笑)

弱みについても触れておくと、僕自身が並列処理ができなくてですね…。いろんなタスクが並立してると、本当にちんぷんかんぷんなことをよく言ってるなって言われてしまいます。あとはお酒がめちゃくちゃ弱くて、基本的に飲めないのですが組織が大きくなるにつれて飲み会も増えてくるなと思っているので、今後少しだけお酒が飲めるようになりたいと思っています。


whooのこれから



今年の3月にMIXIから20億の資金調達を得て「世界を変えるSNS作ろう」ということでやってきました。USのストアでランキングを取ったりしていて、かなり世界でもグローバルに使えそうなSNSとして、まだチャンスがあるんじゃないかなと思っています。

やっぱりどうしても僕だけの力だけじゃなくて、全日本にいるエンジニア、日本のエンジニアさんはめちゃくちゃ技術が高いので、彼らの力が必要だなと思っています。

最近はメンバーも増えてきて、それぞれの思いを記事に綴ったりしていますので、興味のある方はぜひ見てみていただけたら嬉しいです。以上で発表を終わります。



LT3:岸野 友輔 ラクスル株式会社 ラクスル事業本部CTO





ラクスルのラクスル事業本部というところでCTOをしています、岸野です。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年のエンジニアを採用してなかったころから、新卒で1人目のエンジニアとして入社しました。2017年は印刷事業を中心に、お客様に見える印刷のECサイトの運営の表側の部分であったりとか、それを支える裏側の部分などのシステムを開発をやっていました。

プロジェクトという形で「印刷の発注を効率化するような仕組みを作ろう」というプロジェクトを立ち上げました。2021年にラクスルとして初めてのM&Aを実施しまして、ダンボールワンが出来ました。

ダンボールのECサイトを運営していたんですが、開発を外部ベンダーさんに依頼してるような状態で、今後開発のスピードを上げていきつつ、質も上げていきたいというところで、内部の組織を立ち上げを行いました。


ラクスル株式会社について




我々は「仕組みを変えればもっと良くなる」というビジョンを掲げて、デジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットの力を持ち込んで、作業工数を替えていこうということをやっています。
我々はレガシーかつ、巨大な産業に対して、テクノロジーの力で変革していくという会社になりました。


CTOに求められることとは


今回の本題ですね。そもそも、なぜ僕がCTOをやっているのかというところからお話ができればと思っています。

組織体制


ラクスルのフェーズが変わってきたなっていうところが、まず一つ目としてあります。印刷のEC事業を一番最初に始めていたところを、そこからノベルティやグッズをカスタマイズできるようなECサイトを立ち上げ、同じようにアパレル事業を立ち上げました。

ただ、これまでどのように立ち上げてきたかというと、印刷をなくすっていうシステムとは全く別に、システムを立ち上げました。印刷をなくすっていうシステム自体、実はかなりの負債が溜まっています。なかなか拡張性が乏しいシステムになってしまって、当時の判断としては、既存のシステムを拡張していくのではなく、新しく作ってどんどんそこを立ち上げ、高速化していこうということになりました。

当時はめちゃくちゃ楽しかったですし、現在も順調に伸びてきています。これまで個別にやってきたものを、今後はしっかり中長期を見据えて、全体最適でいくというフェーズに変わってきました。

開祖開発組織のリーダー体制の変化というところも一つの経緯です。これまでは、個別に最適縦割りの組織でやってきました。

これが、事業責任者、いわゆる決定権のある人達が集約し、テクノロジー、技術に関する意思決定のところを高速化する、そういった機関を作っていきました。縦割りで個別最適のところから、横軸の開発組織リーダー体制の組織ができました。

そしてオフィスも変わり、組織体制が変わりました。しっかり目指していく姿を描いて、推進していくリーダーの役割、技術をどう生かすかという部分ですね。事業改造元にしっかりレバレッジできるものを探して、技術で変えていくポイントを刷新する。これらが求められていることでした。これまでと比べると、どちらかと守り・攻めというところも、CTOも変わっていく、そんなイメージがあります。


役割について


具体的に自分が今何やってるのか、簡単にお話できればと思います。

まずプラットフォームプロジェクトの推進です。これまでも新規事業を立ち上げてきましたし、これからも立ち上げていきたいと考えています。あとはより強い成長をしていくという意味で、M&Aをどんどん推進していきたいです。

ただM&Aするだけではなくて、しっかりお互い、角を掛け合わせて成長できるようなシナジーを見るような状態が大切です。これをプラットフォームプロジェクトとして進めているところです。

例えば、我々が必要とする全体像、それを実現するためのアーキテクチャ、こうあるべきだという設計であったり、もしくはこの設計はあるから、まずはここを立ち上げようという際のプロジェクト作りをして、組織作りを推進していく。個別の一つ一つのコンポーネントを作って、あとはそれを再生推進していくための組織を作ろう、というプラットフォーム構築、専任の組織を作るということを行っています。

また、創業当時からあるECシステムは技術負債返済が必要になっていて、これを放置することは出来ない状況になっています。そういった技術負債を新しく認識をし、しっかり経営陣に説明して、返済を推進してもらうことは、先程のシートの役割なじゃないかなと考えています。



今の自分の時間の使い方としても、採用という部分は非常に重要と考えています。今日他の登壇者の方のお話を聞いていて、何かすごく感じること、通じる部分があると思っていて、CTOというのは曖昧で、シンプルなものじゃないかなと思いました。

この写真は前CTOの泉さんという方です。この方の言葉が僕にはとても刺さったので、皆さんに紹介したいと思います。「CTOというのは、経営の中で一番Techを理解していて、Tech組織の中で一番経営を理解している人」と定義をしていました。僕はこれはまさにその通りだなと感じています。

このように橋渡しを行っていく存在、それこそが僕の考えるCTOのあり方なのではないかと考えています。
本日はありがとうございました。


LT4:米山 輝一 株式会社出前館 執行役員 IT本部 本部長 兼 VPoE




出前館の米山と申します。今回のイベントでは私のみVPoEということですが、ぜひリラックスして聞いていただけたらと思います。

略歴としては楽器メーカーで、Webのエンジニアとして、音楽配信サービスやアプリを作っていました。その後DeNAに転職をしまして、PMのような形でライブ配信の立ち上げと、タクシー会社のサービス、2つを担当しました。

IoTのハードエンジニアをやっていたこともあります。その後は、電力のスタートアップに勤めましたが、会社がなくなることになり、今に至るというような感じです。


私の働き方というところですが、20代は「どう作るか」というところにコミットしていました。30代は「理解した上で何を作るか」みたいなところを重視していました。そして40代の今は「誰と成し遂げるのか」をテーマにして、働いています。


出前館について


出前館のご紹介をさせていただければと思います。フードデリバリーサービスとして認識してくださっている方が多いかと思いますが、最近は医薬品などのリテール商品も取り扱っています。「早く届けるECサービス」をクイックコマースと呼びます。このクイックコマース分野で事業展開している会社です。

その裏にいるサービスとしてシェアリングデリバリーという配達代行の仕組みを持っていたり、一部の加盟店さんには配達デリバリー機能付きのサイトが作れますよというソリューションを展開しています。

最近はCMもやってますので、ご覧いただいたことも方もいらっしゃるかなと思います。ミッションとしては「テクノロジーで時間価値を高める」と掲げていまして、買い物や調理にかける時間から解放して、相対的な時間の価値を上げていきましょうとしています。

数字のご紹介しようと思うんですけど、総合が1999年、従業員300名なので、今日の会場のラクスルさんと同じくらいの規模でしょうか最年少マネージャーは26歳、あと最年少執行役29歳ということで、成果を出せば、年齢問わず重要なポジションにつくことができる組織です。

今注文すると15分後に届きます、というようなサービスを展開していって、ライフインフラになるというようなコーポレートビジョンもありますので、即配を実現するためには地域を繋いでいきたいです。地域の店から、地域のお宅に届けるという地域のマッチングサービスのようなところを目標にしている会社です。

VPoEとしての役割




本題に入ります。VPoEとして取り組んできたことをいくつかご紹介していきたいと思います。まず私が2021年5月にジョインしていて、LINEと資本業務提携をしていて、1年ぐらい経ったというタイミングでした。

当時は開発が内製化されてなくアウトソースに頼っていた感じですね。エンジニア組織をゼロから作りたいんだけども、なかなか採用できてません、みたいな所でした。その中にタイミングよく組織作りやりたいっていう私がジョインしたというような状況です。

なぜこのタイミングで入ったというところですが、前職がなくなったということもあるのですが「出前館は有名だし、そんなに困ってることってないんじゃないの?」って思ってたいたものの、カジュアル面談を何回かさせていただく中で、組織作りに困っているという話があったんです。


組織作りの課題


ちょうど組織作りをからやりたかった私には、何かできることがあるかもしれないなと思っていました。正直、当時のエンジニアはLINEからの出向者が多くを占めていまして、さらに組織マネージャーが全員出向者ということで、出前館のサービスを作ってるエンジニア、プロパーの人も居るのですが、なんとも言えない感じになってしまっていました。

プロダクトマネージャー、デザイナーもほとんど採用できず、モノ作り人材観点での福利厚生や、給与面の他社のベンチマークも特にしていなかったので、正直に言うといい人からやめちゃう、みたいな感じですね。

より環境を求めて、優秀な人が転職してしまうリスクがあるという状態は今思い返すとなかなかすごい状況ですよね。また採用面での課題として、採用したい人の言語化ができておらず、選考がとても属人的だったなという様に思っています。

そもそもどのような人を採用したいのか?という話は、共通認識として特にありませんでした。また、スカウトや人材紹介に依存してたところもあります。エージェントさんに対しても「こういう人が欲しいんですよ」と上手く伝えられていなかったんです。スカウトを打ったとしても、推したいポイントも明確じゃなかったこともあり、あまり良いアクションとはなりませんでした。

そもそも転職するときに「よし、出前館に就職するぞ!」なかなかならないですよね。転職する時の最初の選択肢に入りにくい状態になってしまっていて、モノ作り人材に対するブランディングができてないのかなという様に感じています。


新しい取り組み


そこで取り組んだことは、以前DeNAでやってきたことをそのままやりました、というような感じではあるのですがまず、一つ目として採用基準の明確化と選考プロセスの見直しに取り掛かりました。「どういう人と働きたいのか」を明確にして「これはやっちゃいけませんよ」「こうしてほしいんだよ」というようなことを明確にしたガイドラインを作りました。

今でも新しく面接官になる人には必ず時間を取ってもらい、私からこういう思いで選考をするからねという話をするようにしています。また、スカウトの送付やカジュアル面談も最初は私が行っていましたが、最近は分業するようになりました。

そして採用PRについてはエンジニアブロックだったり、他社と一緒にやらせていただいてる技術イベントを開催するなど、人事と一緒になって取り組んでいます。

エンジニアは現在50人強いまして、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、全プロパー社員を含めると300人ぐらいになってしまい、全部のメンバーと1on1を行うのは難しいので、プロパー社員含めた50名ぐらいとは面談をしています。

自己成長に繋がる福利厚生の追加を希望する声があがるようになりました。書籍購入補助制度は昔からあったのですが、とはいっても福利厚生なので、その書籍は会社の所有物になってしまいます。電子書籍については個人の所有物なってしまうからということで許可が出なかったのですが、半額分は会社で負担する制度を作りました。

あとは資格取得補助ですね。1on1で「スクラムマスターを取りたいけど、めちゃめちゃお金がかかるんで、なかなか取れない」っていう声がありましたのでこちらも半額分の負担をするようにしました。

これからのVPoE像


そもそものVPoEを配置する必要性や、そもそもVPoEって何よ?というような人も多いのかなと思っています。私の定義としては「モノ作り人材のライフサイクルに伴走する役割」なのかなという様に思っています。

どうしても点で見ると、採用は成長するための機会を作る、我慢しなくてはいけないことという要素に捉えがちですが、1人1人にフォーカスすればもちろん生きているわけですから、採用して、入社してもらって、ホールディングスとして成長して、という線に繋がっていきます。

これに全部寄り添えないとダメなんじゃないかなと考えています。例えば「採用は人事に任せてます」みたいな会社は今でもあるとは思うのですが、やっぱそれは良くないと思っていて。人に寄り添うという部分は人事の方が得意だと思いますから、そこはお任せしつつ、エンジニアについては現場の方が理解はしているので、そこの両方の強みを組み合わせるのが必要かなと考えています。

リモートワークの普及で、さらにその役割が重要になってきてるんじゃないかなと思います。やっぱり、近年モノ作り人材は争奪戦になりつつありますし、常に市場をベンチマークする必要がありますね。その背景にあるのは、非IT系の企業も人材を欲しているということです。優秀な人材はフリーランスになったり、リファラルのみで転職先が決まっちゃったりします。そもそも、転職市場に出てこないわけですね。

さらに転職するだけで年収が上がってしまうと、現場と市場価値の乖離があるといういう人材も多いのかなと思うので、評価タイミングでそのあたりを是正していく必要があるんじゃないかと思います。

モノ作り人材にとって働きやすい環境を用意する上で、福利厚生のような労務的な話もあるとは思うのですが、例えば技術スタックや、ITツールはこういうものを使っていますという点も関わってくると考えているので、両方とも踏まえてですね、PRしていく必要があるかなやってます。

このようにいろいろな制度を作っていますが、まだまだ足りてない部分もありますし、常にアップデートしていきたいなと思っているので、ぜひ一緒に組織づくりをやってみたいという方がいましたらお声掛けいただけたら嬉しいです。


会場のラクスルさんオリジナルクラフトビールを片手に交流会


すべての企業様のLTが終了し、交流会へ移りました。
今回は2回目の開催ということもあり、私自身も前回に比べて若干の余裕があり(笑)参加者の方に感想をお伺いすることができました。

「自分の会社にはCTOがいないから、実際にCTOをされている人の話を聞いてみたかった」「今まで知らなかったサービスを知ることができてとても楽しかった」「一度に多くのLTを聞けて、とても貴重な時間になった」というような、非常に嬉しいコメントを多くいただきました!

このCTO / VPoEイベントは、定期開催となっており、12月も開催予定です。情報は随時私SahoのXやこちらのnoteで発信予定ですので、ぜひぜひチェックしてくださいね。

いかがでしたでしょうか?
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!


ROSCAでは、エンジニアに最適なキャリアを選択してほしいという思いから知識を持ったキャリアアドバイザーが毎日厳選したクライアントのみに絞ってお仕事のご支援をさせていただいております。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!
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