野間美由紀

ミステリ専門の少女漫画家です。Apple製品が好きでiPhoneは日本上陸の日から常に…

野間美由紀

ミステリ専門の少女漫画家です。Apple製品が好きでiPhoneは日本上陸の日から常に最新機種を使っています。作画環境はMac mini(Late 2018)、Cintiq Pro 32 (DTH-3220/K0)、CLIP STUDIO PAINT EXです。

最近の記事

#アマビエ の編み方を公開します

今回の新型コロナウイルスの騒ぎで、「疫病から逃れるために我の姿を絵に描いて見せよ」…と言ったと伝えられている妖怪アマビエの絵が、連日ネットにアップされています。 私も絵描きの端くれである以上、描かなければと思ってちょっとラフを描いてみたのですが、全然可愛くも格好良くもならず、それなら得意な編みもので作ってみようとチャレンジしてみました。 そして出来上がったのがこちらです。 三本足とのことなので、ちょっと難しかったのですが、足はこんな風になりました。 糸はオリムパスのエミ

    • 新刊と新作のお知らせ

      『パズルゲーム☆サクシード』 5巻 (白泉社レディース・コミックス) は本日5日発売です。よろしくお願いいたします。 そして、明日6日には、秋田書店のミステリーボニータ1月号の発売日です。これには『パズルゲーム☆プレステージ』が掲載されています。 実は今回で『プレステージ』は最終回です。最終回ですが、次のパズルゲームの新タイトルが来年の4月号(3月6日発売)から始まりますので、引き続きよろしくお願いいたします。まだタイトルは未定なのですが、おそらくこれになるんじゃないの?

      • 『パズルゲーム☆サクシード』 5巻は12月5日発売です。

        新刊のお知らせです。 『パズルゲーム☆サクシード』の5巻が12月5日に発売になります。 今日(2019年11月20日)現在、まだAmazonには書影が出ていないので、カバーの校正刷りの写真を載せておきますね。 発売までまだちょっとありますが、Amazonでも書店様でも予約は出来ますのでよろしくお願いいたします。 また、更に先になりますが、12月25日から来年1月10日までの期間限定で、白泉社文庫版の『パズルゲーム☆はいすくーる』の1〜5巻が各電子書籍サイトで無料になりま

        • 豚バラ肉とジャガイモの豆豉醤炒め

          ちょっと思い立って作ってみた炒め物が思いのほか美味しかったので書き留めておくことにします。 【材料】(分量は適当にお好みで) ・豚バラ肉かたまり ・ジャガイモ(4個使いました) ・青ネギ(九条葱ですが、分葱でも長ネギでも何でも) ・豆豉醤 ・オイスターソース ・塩、胡椒、ゴマ油 1.ジャガイモを食べやすい大きさに切って茹でる。青ネギを切る。 2.豚バラ肉を8mm程度の厚さにスライスし、塩胡椒する。 3.冷たいフライパンにゴマ油を敷き、豚バラ肉を並べて焼き色が付くまで焼

        #アマビエ の編み方を公開します

          10月5日

          10月5日はスティーブ・ジョブズの命日です。(日本時間は6日) 2011年の10月6日の朝、訃報を聞いて矢も楯もたまらずにApple Store銀座に向かいました。銀座四丁目の角にあるお花屋さんに寄って。 お願いしてリンゴの実も入れてもらっています。 Apple Store前には、同じ事を想った人たちがすでにいくつか花束を置いていました。 時間の経過と共に花束は増えていきました。そして報道陣も。 あれからもう8年も経つんですね。それでもまだ、ジョブズのいない世界にま

          iPhoneのこと

          9月11日未明、AppleEventで今年のiPhoneが発表になりました。 名前はiPhone 11、iPhone 11 Pro 、iPhone 11 Pro Max です。一部、Pro機には11のナンバリングは外れるんじゃないかという予想もありましたが、きっちり付けてきましたね。 iPhone 11は、iPhone 8やXRがお好きな人向けのカラフルなラインナップ。iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro MaxはiPhone XSシリーズの後継機で、ハイ

          iPhoneのこと

          ミステリコミックと私

          これは、1999年10月9日に京都女子大学で行った公開講座の書き起こしです。 前述の「愛が動機なの」と一部内容が重なりますが、ミステリ漫画の成り立ちについての考察にも触れていますし、1本の話を作る課程を細かく説明しているので、興味を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。  こんにちは。野間美由紀です。少女漫画の形でミステリを描いて、そろそろ15年になります。今回は『ミステリコミックと私』というタイトルでお話をさせていただくことになりましたので、どうぞよろしくお願いいたしま

          ミステリコミックと私

          愛が動機なの

          これは、ミステリマガジン 1996年5月号に掲載された文章です。愛がテーマの特集号にエッセイを依頼されました。 だいぶ昔に書いたもので、長くサイトに置いていましたが、私がどうしてミステリ漫画を描くようになったのかが端的に説明できていると思いますので、こちらに移動しておくことにします。 少女漫画家としてデビューした頃、私は「恋愛」の描けない漫画家だった。  変に小手先のストーリーを頭の中だけで考えていたせいか「主人公が恋をしていない」なんて致命的なことを担当編集者に言われたも

          愛が動機なの

          40周年

          自分の漫画が初めて雑誌に掲載されたのは1979年9月5日発売の『花とゆめ』19号。今日で40年経ちました。 月例のマンガスクールで努力賞を受賞した16ページの作品です。努力賞だったので受賞時はそれでデビューできるとは思っていず、続けて投稿用に描いていた作品がデビュー2作目になりました。 そして、その年の10月10日が〆切の第4回アテナ大賞(当時)に出していた32ページの作品が2席(1席は該当作なし)を受賞し、そのままデビュー3作目として掲載され、翌年のアテナ大賞のデビュー優

          #クリスタ 集中線に白フチを付ける

          クリスタの便利な機能に集中線ツールがあります。 デフォルトで入っているものや、ASSETにも聖月(@miduki_85)さんが公開されてるブラシ集中線ツール1などもとてもよく使わせてもらっています。 でも、背景が混んでいるシーンなどだと、線に白フチを付けたいですよね。最初から白線が着いているペンツールで手描きするのもいいですが、せっかくなのでツールで作った集中線に白フチを付ける私のやり方を紹介します。 おそらく誰でも思いつくことですが、案外明文化したものがないようなので書い

          #クリスタ 集中線に白フチを付ける

          妄想なつぞら漫画

          朝ドラの『なつぞら』の妄想漫画です。7月4日の放送を見た後に夫が妙なことを言い出したので、それを漫画にしました。

          妄想なつぞら漫画

          『軽井沢ジャーナル』 第三章 -2-

              *  やがて僕らは解放され、斎藤さんが自分のアパートに帰るのを見届けてから家に戻った。  取りあえずコーヒーを淹れようと台所に立ったら、豆が残り少なくなっているのに気がついた。そうだ。次はあの喫茶店で買おうと思ってスーパーでは買わなかったのだ。そして今日も食事がおそろかになっている。昼は斎藤さんのガレットの試食をさせてもらったが、夕飯はスルッと抜けてしまっていた。 「高月」 「ん?」 「腹減ってるか? 減ってるなら何か作るけど」 「そうでもない」 「だよな。それとも

          『軽井沢ジャーナル』 第三章 -2-

          『軽井沢ジャーナル』 第三章 -1-

             第三章  六月二一日。吉村刑事が保管していた水鉄砲は昨日のうちに長野市にある県警の科捜研に送られて指紋などを採取されることになった。高月以外の指紋が出れば、藤波は任意で事情聴取を受けることになり、提出した指紋が水鉄砲のものと一致すれば容疑者として確定するだろう。  これはあくまでも十九年前の火災に関することで、真迫さん殺害の容疑者になるのは次の段階だろうか。それでも捜査が進展したことには違いない。そして、ここから先は、もう僕らに出来ることは残っていなかった。  だから

          『軽井沢ジャーナル』 第三章 -1-

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -4-

              *  僕がコーヒーを淹れ、リビングのソファに三人で腰を掛ける。ここで高月と暮らすようになって最初に招き入れたのが、こんな悲しい理由でのお客さんだなんてとても残念だ。真迫さんも一緒に遊びに来てくれたのだったらどれだけ楽しかっただろうか。 「素敵なおうち。美咲ちゃんと私のアパートとは大違いだわ」 「私もついこの間までアパート暮らしだったんですよ。だけど、狭いし暖房の効きも悪かったので、思い切ってここを中古で買ったんです。ちょうどこいつの仕事が暇になってこっちに来ても良

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -4-

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -3-

              *  長い一日だった。疲れた身体がカフェインを欲しがっている。僕はコーヒーを淹れ、高月はウイスキーの新しいボトルを開ける。特に空腹は感じていなかったが、考えてみれば昼に蕎麦を食べただけで夕飯どころではなかったのだ。食欲がなくても腹に何か入れておいたほうがいいだろう。  食器棚に残っていたフランスパンを薄く切ってトーストし、冷蔵庫の中のものを適当に乗せてオープンサンドを作った。これならコーヒーにも酒にも合う。  高月は最初の一枚を囓ると、「これ、旨いな」と褒めてくれ

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -3-

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -2-

              * 「辻本さんだって?」  高月がカレーをスプーンで口に運ぶ手が止まった。 「そう。古い別荘の持ち主に交渉していたのも、ステラに移転を薦めたのも辻本さんだった」 「彼はコテージ村のほうにも関わっていたのか。まあ…営業職だからな」 「その辻本氏、星川さんのご隠居によると、出世して軽井沢に戻ってきてるらしいんだけど」 「おかしいな。藤波エクシードに辻本という人はいないと言われたんだが」 「そう言ってたよね。高月だってこっちに来て真っ先に話を聞きたかったのは辻本氏だろう?

          『軽井沢ジャーナル』 第二章 -2-