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【第56話】9/1新潟11R・新潟記念(にゃむ師匠)

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先週は夏の甲子園の小話から始まった日曜メインコラム予想。今週は「野球大好きオヤジ」として、プロ野球について取り上げたい。

セ・リーグでは巨人がマシック点灯後も、優勝に向けて一歩一歩着実に白星を重ねている状況。一時は大楽勝と思えたが、オールスター後は連敗が続き、2位につけた10ゲーム差は一気に0.5まで縮まり、いよいよ万事休すかと思いきや、一度も差されずにまた突き放す「王者の余裕」っぷり。大逃げもいいが、 ひきつけるだけひきつけて、この突き放しは競馬でも「そりゃ卑怯だろうよ~」と素直に白旗。

小生は幼少の頃は、地上波が巨人戦ばかりだった影響から、熱狂的な巨人ファンであったが、大人になる頃にはそんな感情も薄れ、いたってニュートラルになってしまった。しかしながらその動向にはいつも興味をもって見ていて、高橋由伸監督の3年連続V逸から、満を持して再始動した原辰徳監督の、GM斬りからの独裁政治ぶりが、一体どんな効果をもたらすのだろう?と、非常に興味深かった。

フロント面でも力をもった原辰徳は、いつもの「金満巨人」としてチカラをいかんなく発揮し、丸・炭谷らのレギュラー戦力に加え、個人的に大好きな中島・岩隈まで補強といきなりの傍若無人ぶり。まあ、これはある程度の想定内たったが、小生はそれよりも、コーチ陣に元木大介・宮本和知を初入閣させたことがじつに衝撃的たった。

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ともに現場を離れ、バラエティー番組での活躍が長く、コーチとしての能力は未知数。そのリスクを背負ってでも、何かを期待して二人を起用したのだろうが、それこそが原辰徳の組織作りの真骨頂。

この二人の加入でチームの雰囲気は一気に明るくなっただけではなく、選手とコーチにある独特の距離感・敷居がなくなり、選手にとっては「何でも相談できる心強いアニキ」として近しい存在に。それが結果的に選手の首脳陣に対する信頼増幅となり、チームに今まで吹かなかった風をビュンビュン吹かせ、風通しの良い組織として見事に一枚岩になっていることから、この起用は大成功といえる。

それだけ、コーチの求める役割というのが、昨今は技術的な指導よりも、選手一人一人が活躍しやすいような環境を整えてあげるところに重みが変わってきているからであろう。

昭和の終わり、小生が中学生の頃、悪ふざけが過ぎて学校の廊下でサッカーをして遊んでいたら、技術の先生に怒鳴られ、その後グーで頬を思いっきり殴られたものであり、そんな鉄拳制裁がごくごく当たり前の時代だった。しかし、これが平成になると「行き過ぎた指導」「体罰」へと変わり、令和の今では被害届一つで「傷害罪」となる時代。そんな時代だ。学校なり職場なり、いわゆる「社会」といわれるところの上下関係は、あきらかにその体質・接し方が異なってきていて、野球界でも同じこと。もうPLばりの体質は通用せず、より「上司側の部下に対する接し方・向き合い方」がセンシティブ視されている。要は、「上が下に気を遣う時代」「偉くなればなるほど首を垂れる時代」なのだ。これが昭和とは真逆。

その社会傾向・ニースをいち早く読み切り、原辰徳が二人を起用したのであれば、この男は指揮官として相当な能力を有していることとなり、この順位も極めて妥当と言える。

そして、 ニ人のコーチも十分心得ていた。バラエティーで活躍するタレントは、番組がより面白くなるために「自分ができる事」「気の効いた振るまい」「適した立ち位置」が強く求められる。少しでもズレていれば明日は起用されない。 そんな「心得た」彼らが、巨人軍のコーチとして何を求められているかを、今の巨人軍に足りないものをとうやってカバーできるかを二人は察し、実践した。

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それを指揮官が最初から欲して、二人にオファーしていたとしたら、素晴らしい「サキヨミ」ではないだろうか。

しかし、その効果は実は二人のコーチだけではなかった。
こんな動画がアップされていた。


元木や宮本たけではない、優勝に向けた原動力の本質は、ここにあったのか!と、存分に思える「答え」がそこにあった。

円陣の真ん中にいた彼の正体は、朝井打撃投手・35歳。
かつては楽天のエース格まで登りつめたくらいの実力もあった一軍投手。途中から巨人にトレードされ、中継ぎとして活躍するも引退。その後は打撃投手として巨人の屋台骨を支える裏方となっていたのだ。

華々しい野球選手がプライドも何もかも捨てて、安い給料で裏方として働くことはなかなかできないものが、それでも野球に携わっていたい、チームの為になりたいという一心でこんな泥水を舐める思いがあるのだろうが、35歳にもなってこのパフォーマンスには驚きだ。

自分を棄てて「バカになれる」心意気をもった人間。これはどんな組織でも長たる者とすれは、絶対一枚欲しいカードであり、麻雀で言うところの


「赤ドラ」

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といったところ。これになれる人間はごくごく限られていて、すべての人間がなれるワケではない、ある意味「天性の素質」が必要。

そして、バカになる側とすれば、スべるリスクを常に背負いながら演じる事は非常に勇気とエネルギーを要するもの。小生もそのタイプたからよく解る。皆が思うより、非常に大変な役割だが、ハマッた時の爆発力はこれ以上ない快感であり、本質、ギャンブラーがこの立ち位置に向いているもの。

我々も、一つの組織に属している立場の人間からすれば、この姿勢は大きく見習わなければいけない。組織が快適に回るための自己犠牲。グラウンドでは送りバントや右打ち、犠牲フライだが、その外ではこういうところが求められる。では自分がいま組織の末端として、朝井打撃投手のようになりたいか、なれているか、なろうとしているかを自問自答すると、どれも頷く事は出来す、「オレ、ぺーぺーなのに、なーにやってんだか」という反省も。

朝井打撃投手にとっても、この二人のコーチの存在は大きいだろう。きっと、高橋監督の時代は、なまじ高齢だけに誰にもイジられることなく、黙々と打撃投手をこなしていたであろうが、二人にのコーチからその「匂い」をかぎつけられ、今年から声出しイジられ役に任命され、水を得た魚のように活路を見出したことが、上の動画の元木コーチの即座の突っ込みで解る。

実際、現役の選手にしてみれば、目の上のコーチだけが明るくなっただけではなく、自分より格下の裏方さんまでこうして明るくなって士気を高めてくれて、上も下も明るい状況となると…どうたろう? 演劇で言うスポットライトたけでなく、フットライトにも照らされ、そりゃあ、自分も明るく楽しく野球を愉しまなきゃと思うであろう。いまの巨人の選手はみんなそんな明りに照らされていて、気持ちよく野球が出来ているその陰には、そんな多彩な「照明さん」が暗躍しているからだ。

実質「2年目のジンクス」に悩んでいる主砲・岡本和真も、もしこの雰囲気や土壌ができていなければ、どれだけ成績が伸び悩んでいただろうかと考えると、巨人ファンでなくてもゾッとしてしまうであろう。

縁の下のカ持ちだけでなく、フットライトにもなれる。そんなマルチタレントがもたらす効果は、きっと原辰徳にとっては想定外であり、うれしい波及効果であろう。このパフォーマンスのおかけで巨人の試合前の雰囲気はいつも明るく、士気が高まったままプレーボールを迎えられるという。

この動画を見終わってから、「ああ、こういうチームが優勝を勝ち取るんだなあ」と納得でき、いくつになっても「チャレンシャー指揮官」としての原辰徳の凄さを認識するとともに、彼だから周りが勝手にそうするのだとしたら、そのカリスマ性にただただ感心しながら、これからのクライマックスシーズンを引き続き眺めていたい。 

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ズムサタでの宮本の顔。よほど原辰徳が大好きなんだろうなぁ。


さて、新潟記念。いきなりだが、

◎⑫ショウナンバッハ
△①②④⑤⑩

御年8歳のステイゴールド産駒。代表勝ち鞍は2015年ノベンバーSであり3年10か月未勝利。一つ下の弟・キタサンブラックは歴代最高賞金獲得馬にして現在は種牡馬生活と、パッと見の経歴の差にとても哀愁漂うのだが、小生はこの馬と割と上手にお付き合いしている。
2015年JCで初めて小生はこの馬に印を回した記憶があり、あれから4年弱。酸いも甘いも運命を共にしたが、最大の特徴として言えることは、左回りの直線の長い2000mがベストと言える。

これは、昨年12月・中日新聞杯での某SNSで◎を打った時の予想でも論述していて、ご記憶の方も多いであろう。その時は単勝75倍。

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この時、単勝も1000円購入しており、一度はギベオンを交わして先頭に立ったものの、ダビスタのように差し返されハナ差2着。師走の空に大悶絶をしたが、複勝も1030円とマイルド。良い年末のモチ代となった。

まあ、昔話はこのくらいにして、8歳になっても、その成長曲線がさほど下降していないことが、初夏のメイS3着とエプソムC4着での走りで再確認できた。というか、どスローペースでも追い込みの脚だけで掲示板喰い込んだこの2走には、ミスターショウナン・吉田豊との抜群の相性の良さを示すには十分なパフォーマンスであり、最も得意とする舞台での、昨年3着以上の結果も期待できるゆえの◎。

エプソムCの敗戦理由は「位置取り」のみであり、勝ったレイエンダとは上りは同じ最速の32.7。いわゆる「極限の脚」だ。エプソムCが同斤量だったが、この結果によって今回はレイエンダ57キロ、ショウナンバッハ54キロと、なかなかハンデキャッパーも年寄りにやさしいバリアフリーぶりだ。これなら、去年、ブラストワンピースに0.4差まで迫った極限の脚は繰り出し可能と思料。

相手4頭は、◎ショウナンバッハに匹敵するだけの「極限の脚」をこの新潟2000で繰り出すことのできる、前走準オープンを勝利した軽量5頭。馬券は下記のような変化球で。ムラ馬・レイエンダが来たらすみませんでしたとキッパリの覚悟で。

単勝・複勝 ⑫
ワイド  ⑫-①②④⑤⑩
馬連BOX ①②④⑤⑩⑫
3連複BOX①②④⑤⑩⑫ 


ショウナンバッハも人間でいえば、朝井打撃投手とおなじくらいの御年35歳くらいといったところか。しかし、得意の舞台、自分の最高の武器を繰り出せる環境であれば、まだまだ若い者に一泡吹かせられる。近い未来に必ずや表舞台からは去るであろうこの馬の「夏の終わり・燃えて散って花火」に期待したい。

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