就職活動の質問に対する回答

①1日の流れ、1週間の流れ

プロジェクトのフェーズによって過ごし方は異なる。
一例として、若手がアサインされることが多いテストフェーズの一日(および1週間)。
 ・出社
 ・みんなが出社する前に個人でやりたいタスクを消化
 ・朝会(前日までのテスト進捗確認、バグの対応状況確認、当日実施予定テストケースの確認)
 ・テスト実施
 ・お昼
 ・(必要に応じて)バグ対応
 ・翌日以降のテストの準備
 ・帰宅
基本的にテストフェーズはこれを繰り返す毎日。これに加え、週1でお客様とのミーティングがある。

過ごし方で全般的に言えることは、「毎日をどうやって積み上げていくか」というボトムアップというよりは「このフェーズは●ヶ月間で、その間に●個のタスクを●人で実施するから、今日はこれをやる」といったトップダウンで日々のスケジュールが決まる。
なので、プロジェクトベースで仕事をしている人にとっては、短い時間軸での過ごし方を質問されても答えづらい部分がある。上記のとおりフェーズによって異なるので、抽象的でありふれた回答しかできなくなってしまいがち。
営業の場合は毎日どれだけ数字を積み上げたかどうかなので、1日や1週間の流れを聞くと人それぞれ個性が出て良い情報を引き出せるような気がする。


②ITコンサルタント、ITスペシャリスト、営業で顧客と関わりはだいぶ変わってくるのか

役割として自分が理解しているのは以下のような感じ。

〜ファーストコンタクト〜 ニーズを探って案件を作り出す(受注)
→主役は営業、サポートはコンサル。窓口が営業で、提案はコンサルがやることが多そう。対面となるのは意思決定をするマネジメント層。

〜ソリューション作り〜 理想を現実に落とし込む作業(要件定義)
→コンサル、もしくはITスペシャリストが舵取り。要はプロジェクトを進めていく部分。システム導入プロジェクトの場合、対面はシステムを使うことになるユーザー部門。
ITスペシャリストについては正直よく役割を分かっていないので想像の範囲だけど、イメージとしては、
・「こんな目標があるんだけど、どうすればいい?」に対して「こんなシステムで解決します」というプロジェクトはITコンサル
・「こんなことしたいんだけど、うちのシステムじゃ無理そう…」に対して「私達ならこんな技術で解決します」と自社プロダクトを軸にアプローチするのがITスペシャリスト

完全に役割が分離しているのではなく、オーバーラップする部分はある。ただ、営業とコンサル(ITスペシャリスト含む)は利益の作り方が違うので、そこは意識するといい。


③志望動機

いまは仕事に対する考え方がかなり変わっているので、あくまで学生時代に考えていたことを書きます。
・大企業(就活に失敗したと思われたくないブランド志向)
・給与水準(稼げることが優劣の基準だと思っていたので)
・新しいことがしたい(飽きっぽい性格)
・個人としてのスキルで戦っていく環境(自分が商品。仕事で承認欲求を満たしたい)
そうした中で内定をもらえたのがこの会社だけだったので、いまに至ります。


④他社と比較しての強み、弱み

〜強み〜
・積み上げてきた方法論(会社の歴史から来るお客様からの期待値。プロジェクトの勝ちパターンとか成功パターンという意味での方法論)
・探せばいろいろな情報にアクセスできる(グローバルネットワーク)
・大きいプロジェクトに携われる(というよりも、他社よりも単価が高いので受注できるのは大きいプロジェクトばかり)

〜弱み〜
・典型的なイノベーションのジレンマ(上位数%のビッグクライアントで利益の大部分を稼いでいる→そこに頼るしかない→受注減は単価を上げて対応、という悪循環)
・人材流出(給与が上がらないので優秀層から他社へ転職していく)
・担当領域を変えるのが難しく、いろいろなチャレンジがしづらい(本社の戦略の流れを汲んで、最初に配属という形で「あなたはこの専門家になってね」というのがある程度決められてしまう)
・会社としての一体感がない(営業とか技術部門とか研究部門の人たちが何をしているのかまったくわ分からない。交流がない)


⑤やりがい、辛いこと

〜やりがい〜
個人的に仕事でやりがいを感じたことがこれまでまったくと言っていいほどない。新しいスキルを身に着けた喜びはあるけど、それは仕事を通じてでなくても実現可能。
そういう意味では、早く利益を作り出せる人間になりたいという成長意欲だけがモチベーション。

〜辛いこと〜
自分のやっている仕事が単価に見合った品質なのか分かりづらいところ。それが分からなければ量で稼ぐしかないので、長時間労働になりがち。
身体的には、座り続けてPC画面を見続けることに対する脳や精神的な疲労がかなり苦痛。働き方改革というけれど、外回り営業の1時間労働とエンジニアの1時間労働は単純比較できるものではない。脳や精神的な疲労は、外回りの肉体的疲労と違って睡眠や栄養摂取だけで解消できないと思っている。


⑥会社ならではの雰囲気

・部門縦割りの一体感がない感じ
・アメリカ本社から降りてきた社内システムの使いづらさに文句を言っている人が多い
・競合他社と比較すると「器用貧乏の心優しいおじさん」が作り出すなんともいえない雰囲気がある気がする(張り詰めたガツガツ感はないけど、居心地の良さもない)


⑦活躍している人の特徴

・見せ方が上手い人。
・社交性が高い人。
・声が大きい人。

社内のアワードとかをもらえるのは、「新しいことをやっている感」を出せる人。
ヒエラルキーを登って行けるのは、社交性が高くて「評価する人」との関係をうまく作れる人。
社内でやりたいことをやれるのは、「これをやらせてください」とはっきり主張できる図々しい人。
本当に優秀な人はどんどん転職していっているような気がする。


⑧どんなタイプの人が多いのか

・成長意欲は高い
・だけど、他のトップファームは受からなかったので頭のキレ具合は劣る
・根が真面目で優しい。優しさゆえに自分が損をしてしまいがち
・Noといえない
・感情をあまり表に出さない


⑨今力を入れていこうとしている事業内容

本社が打ち出しているのは、クラウドとコグニティブ。理由に関しては以下のように解釈してる。
〜クラウド〜
自社プロダクトの競争力が低い、かつ、これからはIT資産を手放して自社のコア業務に集中して経営資源を投下していこうというのがいまの流れ。そうしたときに、これまで築いてきたお客様との幅広いネットワークを活かして次のプラットフォームを取りに行きたい。SaaSというよりはPaaSやIaaSでソフトウェアの実行環境を提供してあげる感じ。特に公共機関とかヘルスケアといった、情報の扱いが難しかったりベンチャーが入り込みづらいところを抑えたいところ。
〜コグニティブ〜
そこのプラットフォームを取れれば、クラウドに蓄積されたデータをWatson使ってこんなふうに活用できますよ、というサービスを提供できる。BtoCサービスの機械学習領域はGoogleやFacebook、Amazon、Appleあたりに太刀打ちできないので、BtoBや社内基幹業務にコグニティブを活用できるんですよっていうのを、どの会社でも当たり前の世の中にしていくのがここ数年でのミッションだと思ってます。自分はそのどちらにも携わっていないけれども…。

弊社がこれまで社会で担ってきた役割ってそういう部分なのかなと。新しい技術を開発したり先進的なことをやっているイメージが先行しているけど、決してそうではなく。電子計算機を仕事に使えるメインフレームにしたり、巨大なハードウェアを一人ひとりが使うパーソナルなコンピュータとして広めたり、ビジネスの課題をシステムを作って解決してあげるというITサービス業を確率したり…と。新しいテクノロジーを仕事の世界で活用するために噛み砕いてあげて、幅広いネットワークを使ってそれをコモディティにしてあげる、ということを繰り返してきた会社だと自分は考えています。なので、次に果たすべきことは、人工知能という実態のよく分からないものを活用する方法を広めていく布教活動なのかな、と。


⑩顧客として担当する業種はそれぞれ決まっていくのか

本社の戦略的には、担当の業界×得意な技術領域を決めて、専門性を活かしてどんどん案件をとって欲しいという組織の作り方をしている。
昇進のチェックポイントにも、スキルだけではなくて業界の専門性っていう項目が加わったので、よりいっそうジェネラリストよりもスペシャリストを求めるようになってきている印象。

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