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ドラゴントレーニング恋愛編15

前に星乃であってからLINEは一切しない。

つもりだったが、あんまり連絡しないのも

興味がないと思われる危険があるので、

ちょこちょこ話をしたのだけど、

相手の方から話は当日しましょう。

と言う提案があったので、それに従う。


この間、保険としてさらに出会いを作ろうとアプリをやっていたのだけど、

不思議と誰ともマッチングせず。

メッセージが続くのも既婚者とか。

未来の無い人ばかり。

会える約束はしているものの、女性と関わることがほぼなかったから軽い鬱状態にもなりかけたけど。寒いしね。


そして、悩みつつもデートの日はやってきた。

2週間ぶり。


今回は市内のカフェ。

ここは前回アプリであった人と来た場所。

使い回すつもりはなかったが、

今回の方もこのお店のことは知っていて、

行きたかった場所らしいので

変に断らずに決めた。

5分くらい前に駐車場に到着。

道幅の狭い、奥まったところにあるお店だったので、車を停めるのに手間取る。


車の中でぼーっとしているともう約束の時間。しかし彼女は来ない。


LINEの動画アイコンがジムニーだったから、それに乗ってくるのかなと思ったら、

普通の軽だった。

と言っても私のよりお高いN ONEの白。

やはり彼女も駐車場に停めるのに苦戦してたから、降りてフォローした。


今回も白っぽい水色のワンピース。
肌は結構色黒。

細目なので清楚な感じの服装は似合う。

一緒に並んで歩くと、自分の目線に彼女の頭がくる感じ。

ちょうど良い背の高さ。


あんまりあからさまなレディーファーストはしたくないんだけど、なんか癖で

自分がドアを開けて先に入ってもらう。

まあ対して効果はないんだろうけど。


予約してたので、名前を伝えると、今回は入り口に近い席に案内された。

この前来た時より、テーブル席が増えた気がする。

人気があるんだろうな。


カウンターとかが良いんだけど、この店にはない。

向き合って食事するのはいつも緊張する。

運ばれてきたおしぼりとか、水とかの位置を何度も微調整する。


こういう仕草も自信のなさが現れるのだろうけど、

実際緊張しているのだからしょうがない。


椅子の背もたれに、隙間がある椅子だったので、

ボディーバックを置こうとしても、落ちちゃうから膝の上においた。

荷物入れを探したが、隣の席の分しかない模様。

かなり至近距離に他のお客さんのカップルが座っているも、なんとなく居心地悪い。

最近思うのだが、周りのカップルを批評しているやつがいることに気付く。

そういう失礼な客は最近少なくはない。

何かを為そうというときに、いろんな障害が起こってくるのだろう。

モテない奴が彼女を作ろうとしているのだから、

一つの革命である。


メニューは二種類。一つは子供向けランチなので、

実質一択である。


飲み物はどっちもホットコーヒーを頼む。


さて、何を話そうか。

と、ぼーっとしているとき。

2回目なのでそろそろボディータッチをしなきゃなと、考えるのだが、

対面の席に座っているので、なかなかやりづらいのである。

そんなネット知識に意識が流れていくと、さらに会話のネタも思いつかない。


なので今回は敢えて、足を少し前に出して、彼女の足と接触する方法に出た。

自分から足を当てるのはちょっと可愛そうだから、前に出しておけば

どっかの拍子で彼女が前に足を出して、普通にぶつかるのではないかと、

仕込んだのである。


こんな時は、大抵沈黙に耐えきれず相手の方が喋りだす。

「お仕事は忙しかったですか」

「いえ、普通でしたよ」

「久しぶりですね、お元気でしたか?」

「あー、はい。大丈夫です」

ああ、そうか。普通に挨拶しなきゃね。

と、当たり前のことも分からないくらいの緊張。


後はコロナが増えてきたから、不安ですね。とか、

今日もキャンセルされるかな、と思っていました的な話。


それから、相手のお父さんの話になった。

どういう系でそういう流れになったのか分からないが、

前回もそうだったが、彼女はどんな話をしていても、

父親の話に行き着く。

一緒に暮らしているとはいえ、ファザコン気味なのかもしれない。


自分も母と実家暮らしで、母とくらいしか会話しないから、

マザコンと思われてもしょうがない。

友達いないから、母親から食事に誘われたら断る理由もないし。連れて行くしかない。


高齢だけど明るく前向きで面白い彼女の父親に、純粋に好意を感じ始めていると、

自分の父親はどうなのかという話になった。


ここで困る。

どんな父親なのだろうか。


そんなこと、わざわざ考えたことはない。


子供とは距離を置き、極力関係を作らなかった父親。

その身勝手な生活態度のため、幼い頃は大嫌いだった。


いうなれば自営業のボチボチな生活をしながら、仕事がない時は家で自分の部屋に閉じこもり、寝てばかりいる。夕方くらいに起き出してパチスロに行く。


山のようなAVを汚部屋に積み上げた異質な不審人物


「まあ、良い加減な人ですよ」

と適当に答えてやり過ごしたかったのだけど、結構前のめりで聞いてこられたから、

シロアリ駆除兼リフォームの仕事をして、途中腰を痛めてからは、

タクシー運転手に転職して、今はそれもやめて年金暮らしですよ。

とか、話しておいた。


でも考えてみれば、もし曲がりなりにも付き合って、結婚することになったら、

義理の父親になるのだし、健康状態が悪化すればその人を介護しなければならない。まあ、選択肢は色々あるだろうが。

彼女にとって、大事なことなのだろうなと、
一つ学べた気がした。

母親に関してはざっくばらんな人ですよ、と。簡単に。

相手の母親は10年前くらいに亡くなっている。

その時は仕事している時でもキツくて、休憩所に行って1人になると勝手に涙が出てくるほど、落ち込んでいたらしい。


そのときに父親との関係がうまくいかなくて悩んだそうだ。

やはり、親が亡くなる悲しみと、配偶者を失う悲しみは違うのだと。

そんなと叔母さんが、仲介に入って、なんとか関係を取り戻したらしい。

父親と、母親と、自分の3人の関係性で見せる父親の顔と、

父親と、叔母と、自分の3人との間でできてきた新たな関係性で現れてくる、父親の表情はまた違うものらしく、新たな発見があったのだそうだ。


自分自身が母親を失った悲しみは、幼友達のグループの中の、早くに両親を亡くした人に、
支えてもらったらしい。


そんな時、前に出していた足に彼女の足が当たった。

ちょっと不快そうな顔をしていた。


あんまりボディタッチ的な効果はなさそう。

うーむ。


ランチが運ばれてくる。

鶏肉を大きめに輪切りにして和風ソースを絡めたものがメインのプレート。

いろんな料理が小皿に盛られていて、健康には良さそうである。

とにかくこのメインの鶏肉ちゃんが厄介で、

ナイフとフォークがあればよかったのだが箸しかないもんだから、

肉が切れずに食べづらいのなんのって、

しょうがないから、かなりガッつく食べ方になって見苦しかっただろうなーと。

いつまでも肉を箸でいじってだらだら食べる光景も、あまりスマートではなかっただろう。

まあ、細かく切ってくれていたらと思ったけど。まあ男だし。

その辺は気にせずかぶりついて食べることにする。

彼女の方は最初苦戦していたものの、箸で綺麗に小分けすることに成功し、

上品に口に運んでいた。


話していて感じたのは、は大雑把で細かいことが苦手な印象だったのだが、

箸の使い方、手の運び方はとても繊細だった。


まあ、よそ行きモードなのだろう。

そして緊張していたのか、後から持ってきた熱々のご飯を喉につまらせてしまった。

しばらくじっと耐えていたが、目に涙を浮かべて、苦しそうだった。

私は水を飲むことを勧めたが、彼女はご飯が喉を通過するの待っているようだった。


私も無論緊張している。特にあまり面識のない異性と対面で食事をするとめちゃくちゃ緊張する。

しかし、以前は料理の味もわからないくらいだったのだが、前よりはマシになった気がする。


お互い、食べている間はあまり喋らなかった。

でもその沈黙も楽しめた。黙っていると彼女の仕草などに目がいくし、

雰囲気がわかる。

純粋に異性と同じ空間を共有するだけでも嬉しい時間である。

ご飯を食べると、栄養が回ってテンションが高くなるから、

会話もまた楽しくなってくる。


唐突に嫌いな食べ物はないか、彼女に聞いてみる。

何度か聞き返される。声が小さいのか、発音が不明瞭なのか。

この辺も毎回やる失敗なのだが、性格的になかなか改善するのが難しい。


彼女は特に嫌いな食べ物はないそうだ。

私は椎茸が嫌いなのだ。

どの辺がですか?と聞かれて、

だしは好きなんだけど、現物の食感があまり好きではないし、味も嫌いだ。という話をしたら、彼女も私もあまり好きな方ではないと、共感してくれた。

それから、茶碗蒸しが後から運ばれてきて、中身にもしや?

椎茸があったら食べれんなーと。無理してでも食うかなー。


とか思っていたら、

サツマイモとベーコンの小さな角切りの入った洋風茶碗蒸しだった。

これが意外に美味しくて、斬新な感じ。


食後にコーヒーがくる。

そういえば、前回は彼女はデカフェを頼んでいた。

お互いが珈琲好きだよ、的な話をしていたので、気にしていたのか。

今回はコーヒーを頼んでくれたのかもしれない。

しかもブラック派なのでその辺も共通点だ。


自分にとっては珈琲が好きかどうかは結構重要で、食事の後とか、ちょっとした休憩の時に一緒に珈琲が飲めると幸せである。

お出かけの時にカフェに寄ったりできるしね。


それから、あちこち用事があってお互い遠出はしていることと、

私はヒトカラによく行くこととか、

相手は友達に誘われてコロナ前はカラオケ、旅行、ライブの遠征に行ってたことととか。その友達はこの前の婚活パーティーに一緒にきてた〇〇さんだとか。


私はもう1人、来週会う約束をしているのだけど、その人ではなくてホッとした。


まあ、でも彼女も婚活中なので、他の人とも会っているだろう。

次の予定を決める。

なかなか合う日がなくてちょうど一ヶ月後になってしまう。

これがどう影響するかである。


その間、相手も他の男と会うだろうし、その間に仲良くなって先を越されてしまう可能性もある。

結構リスキーだが、他に手はないので、こちらも同時進行で、女子と出会う行動を取り続けなければいけないなと、
気持ちを引き締めた。


どんな形で支払うのかは、いつも迷うし、
ネットでもいろいろな意見があるのだが、

基本まだ会って間もない関係だから、無理に奢ったり、

見栄を張って事前に会計を済ませたりせずに、

普通に別々で支払ったほうがいいと思う。

そっちの方が常識的かなと。


前回、店の中でこちら側が支払うのは、何も抵抗せず、スルーしておきながら、

店から出た途端、

物凄い剣幕で「払います!払います!」

と連呼する人がいた。

つまり、店員に男が奢る姿を見せつけるのを許容しつつ、

店から出たら、きっちり精算して後腐れを無くして関係を終わらせる。


みたいな人がいたから、そんなつまらない見栄など張りたくはないし、

だったら最初から別々に清算した方が、よくね。

と思ったからである。


でも、男としてはたまには奢って見栄を張りたくなるものだ。

恋人関係になったならばたまには奢らせてもらおう。


まあ、そんな時はお互いの懐具合も共有しているだろうから、それに応じて決めるのだろうけど。


店から出て、次に行くのがどっかの雑貨屋ぐらいしか話していなかった。

まあ、場所も大体聞いたので、調べれば分かるだろう。それはまた、

LINEでお互い送り合えば良いことだ。


なによりさっさと別れて、余韻を残そうと思う。

その方が、相手は自分のことを思い出して考える時間が増えるだろうから。


前回、この店で最初に会って、
天気がいいからとドライブして、次が無かった。

二の轍は絶対に踏みたくはなかったしね。


2回目の食事を終えて、感じた印象としては、

まあ服装のセンスはいい。スタイルも細身で好み。ただ胸は無い。

マスクをつけている時に仄かに見える美人の雰囲気。

外した時のちょっとしゃくれな感じ。どちらも嫌いではない。


しかし、話し方とか口調とか、雰囲気とかはあまり女性的ではない。

仕草はダンスをしているからか、器用な感じで繊細。

ちょっとファザコン気質。

でもまあこれは、お互い様か。

話している間、目線はうろうろしているのだど、大事なところや、

ポイントポイントで自分に目を合わせようとする仕草は、終始一貫していた。

食事中、緊張していたので、やはり異性と関わった経験はそれほど多くはないのだろう。

今まで会ってきた人は落ち着きまくっていたので、その辺は新鮮。

話を聞いて目を見開いて驚いた仕草をするのだけど、これはあまり興味がない話題に対して癖として行う仕草なのだなと、分かった。

初対面の時は、自分の話に感動しているのかなと、勘違いさせられた。

この辺も含めて、交友関係が広くて、コミュ力がつよい人なのだろう。


さあ、ドタキャンされなければ、待ちに待った3回目である。


この日に、こちら側としての最低限の意思を表明しなければならない。

来てくれればほぼOK


若しくは、

断り切れずにだらだら会っていたのか。のどちらか。


それも、こちらがはっきりした態度を取れば分かることなので、

この日に見抜くのが、一番損害が少なくて済む。


あーー、どうなるかねえ。
























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