ある日、おじいさんが道を歩いていると、つるっパゲのマッチョが田んぼに落ちているのを見つけました。

「お前さん、いったい何しとるんじゃ」

「スマホ見ながら歩いてたら落ちちゃって。おじいさん、シャワー貸してよ」

おじいさんは渋々この男を家に連れていきシャワーを使わせてあげました。

「いやあ、ありがとう。お礼にフィットネストレーニングやってあげる。俺、都内で高級フィットネスクラブのトレーナーやってるんだよ」

「いやいや、トレーニングなど無理じゃ」

「遠慮しないで。本当は高いんだから。おじいさん、ラッキーだよ」

「いやいや、無理じゃて」

「じゃあさっそく始めようね」

そこから三時間、みっちりフィットネストレーニングが行われました。

「どうだった、おじいさん？よかったでしょ？本当は高いんだから。ラッキーだったね。俺、頭ツルツルだから、これがほんとのツルの恩返し、なんつって。ははは」

男はそう言い残して去っていきました。無理をしたおじいさんは、そのときすでに息絶えていました。