資産家のAdam氏とEve夫人は、自分たちのパラダイスを作って全裸で暮らしていました。

金持ちには悪い人間が近づくものです。ある日、Adam夫妻のところに麻薬の売人がやってきました。売人はヘビ革のバッグからある薬を取り出して言いました。

「これはフルーツ味で飲みやすいんです。効き目もやばくて感性が爆発しますぜ」

Adam氏に考える間を与えず、Eve夫人が言いました。

「素敵じゃない、買いましょう。パラダイスでの生活にも飽きてきたところだし、何か芸術的な活動でもしたいと思ってたの」

夫妻はさっそく薬を購入して飲んでみました。すると売人の言ったとおり、たちまち感性が鋭くなりました。

二人はそれまで全裸で暮らしていましたが、鋭くなった感性を活かして、自分たちでお洒落な服を作って着るようになりました。特に、イチジク柄のボトムスは気に入っていました。

「これなら売れるわね」

二人は自分たちの作った服でファッションブランドを立ち上げることにしました。そして、事業に集中するためにパラダイスを出ることにしました。

二人の作った服は『Adam et Eve』のブランド名で大成功を収めました。

二人はファッション業界の伝説となりました。二人の人生とブランドのその後を綴った本はベストセラーとなり、業界のバイブルとして後世まで長く読み継がれました。