見出し画像

「女」を商売道具にするのやめた


【注意事項】
この記事を書く前に「きっと誰かに怒られるだろう」とか、「きっと色んな反応があるだろう」といろいろ考えた。凄く悩んだ。めちゃくちゃ悩んだ。誰にでも当てはまる話ではない。性別によっては解釈も違う。だけど私にとって、とても大事な決断であり、とても大事な経験をさせて頂いた上で覚悟を決めて書かせて頂きます。読んで不愉快な思いをさせてしまうかもしれませんが、ご了承の上読んで頂けたら幸いです。

オーストラリアで生まれ育ちで20歳までオーストラリアに住んでいた。私は幼い頃から日本の音楽に凄く憧れていた。宇多田ヒカル、ポルノグラフィティ、椎名林檎、など聞いて凄く格好いいなと思ってた。憧れているミュージシャン昔の話を聞いていると「ライブハウスから発掘されること」があるらしい。「いつか私もライブハウスで歌いたい」とMDで好きなミュージシャンの音楽を聴きながら小学生の私は願ってた。

そして20歳になり美大を卒業し、私はオーストラリアから日本にBダッシュした。よっしゃーーー!!!!待ってろよ!!!!!ライブハウス!!!!!!くらいな勢いだった。

ライブハウスに出演したいとお問い合わせし、出演料のいうのがあると初めて知った。出演料というものはチケット保証の場合が多く、チケット〇枚(例えばチケット2000円の10枚)を保証して頂くというシステム。お客さんを呼んだ数だけ出演料が安くなる。

当時本当にライブを沢山やりたかった、でも本当にお金がなかった。だから沢山お客さんを呼ぶ必要があった。

ただ「ライブやるから来てください!」と言っても手応え全く無し。集客0。毎回赤字だった。生活がどんどん窮屈になってきて、「これじゃまずいぞ」と思いはじめた。「なんとかしなければ」と思い、自分なりに知恵を絞った結果。「会いたい」と思わせるメールを異性に送り、ライブで露出の高い服を着たり、来てくれたお客さんにはボディタッチを増やしたりした。今思えば「女」を商売道具にしてた。お金に変わるものは全部お金にしてしまえ!くらいな気持ちだったんだと思う。そしたら集客が増えた。


0からの脱出は凄くデカイ。めちゃくちゃデカイ。私の生知恵絞り最高!!!!大成功!!!!なテンションだった。

そんな成功の感触も束の間だった。許容範囲以内ではないところを触る、言葉が下品な人、現れ始め。精神的に辛くなってしまった。でも「お客さんが来てくれないと困るからここは我慢しよう。」と目をつぶった。

ある日、度が過ぎてしまう人が現れた。ここでは書けないけど、私のヒットポイントゲージがゼロになった。瀕死になった。私は家に帰り、気持ち悪くなり嘔吐した。誰にもこんな話はできないと思い、自分だけの秘密にしよう思い押し殺した。寝る前にめちゃくちゃ泣いた。「ただ音楽がやりたいだけなのに、、、、」

朝起きて腫れ上がった一重まぶたを鏡越しに見たら凄いブスだった。「このままではダメだ」と思った。「もう辛いから女を使って人に媚びるのやめようね」と、鏡越しの自分に誓った。

「〇〇さん元気ですが、最近会えなくて寂しいです。私会えたら凄く嬉しいな!○月○日〇〇でライブするから来てね!会えるチャンス逃したら私凄く悲しいよー!」キャバクラみたいな営業メールも送るの辞め、触るのを辞め、触れることを拒み、露出無しのフル装備の服装に変え、歌うことに集中した。

そしたら見事に集客ゼロに戻った。今まで何だったんだろうってくらいに、一気に減った。

「全然露出ないじゃん!楽しみが減ったわ!自分のことなんだと思ってんのブス!」ってライブ後に男性のお客さん逆ギレされたことも。瀕死の状態でもパイプで殴り続けるタイプのなんでしょうか?と思わず問いかけたくなるくらい、参ったよ。とても悲しかった。でも招いたのは自分自身だ。

今まで来てくれた人たち「音楽全く聴いてなかったんじゃん、、、」という現実に気づいてさらに悲しくなった。でもこれでいいんだ。音楽だけで人を魅了していくぞ!と決意した。

もう6年前くらいのお話かもしれないけど、早い段階で自分の未熟さに気づいて良かった。あの時の自分を見返すと本当に歌も演奏も下手だったし、目先の損得よりも人を楽しませる為にもっと努力すべきだった。誤解してしまう人もいてもおかしくない状況を作った自分にも責任がある。音楽と向き合う努力もせずにチート技を使ったお前が悪いとしか言いようがない。お客さんに対して知恵と愛が足りなかった。

もしかしてフィールドは違うけれど表舞台に立っていている人で似たような心境にいる女性/男性がいるかもしれない。当時は本当に失ったらどうしようと、とても怖かくて失う勇気はなかったけど、我慢して辛くなって自爆しても意味はない。我慢するのは毒でしかない。いらないんだよ、そんな自分の質を下げる人、自分の質を下げる行為。自分の質を高くして、周りの質をこれから高くしていこ!

お客さんとのコミュニケーションは自由であるべきだと思うから、今回この記事を読んでお客さんに「もしかしたら俺の推しも辛い思うをしているのかもしれない」や、女性のアーティストで「私、露出が多いから控えた方がいいかもしれない」などは思って欲しくない。今回のお話は誰にも当てはまらないかもしれない個人の経験談なので、それぞれ活動するスタンスに自信を持って欲しいです。でも女性アーティストはどこかで向き合う必要があるかもしれないお話です、現状辛いのであれば、「こんな話もあるよ」というだけです。

私はあの時「女」を商売道具にするのを辞めて音楽と向かう機会があったおかげで今は本当にライブを楽しみにして来てくれるお客さんが増えて、私も早く見に来てくれるお客さんに会って「魅せたい」って思う。ありがたいことに女性のお客さんも増えた。私の周りにはもう下品で誰かを不愉快な思いをさせるお客さん誰ひとりいない。本当にあの時覚悟を決めて、決断して良かったと思う。

あの時目先の損得に惑わされなくて良かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?