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【四国お遍路の旅】結願レポート

このノートで、”キャリアアップのためには、業務関連の知識・技術・経験、気力と体力、そして何よりも正しい心が大切だ”、と書いてきました。

GenZeeは7月のセミリタイア以後、様々な旅行をしてきましたが、その中でも特に思いを込めて行った旅がありました。今後新しい働き方を始める前に心を整えようと考え、四国遍路、すなわち八十八霊場(お寺)を巡礼する1200kmの旅をしました。

諸事情により、一度に通しで巡ることができないため、10月から12月にかけての三ヶ月間に渡った旅で、全てのお寺をお参りして、無事結願(最後まで巡ること)ができました。その旅をダイジェストでレポートします。
以下長文なので、興味がある方のみ、お時間ある時にでもお読みください。

写真の納経帳、さんや袋、数珠、経本、納札と、百衣、輪袈裟、金剛杖で巡礼

【第一の旅】高知遍路

期間:10月1日(日)~10月4日(水)
移動手段:レンタカー

四国の1番から88番までの霊場(以後お寺)を右回りに巡ることを”順打ち”、と呼びます。また一度に全て巡るのではなく、何度かに分けて巡礼することを”区切り遍路”と言います。今回GenZeeは、高知県から始める区切り遍路で、ほぼ順打ち、全行程を歩くのではなく、車、公共交通機関、自転車、徒歩を織り交ぜた、”ハイブリッドお遍路”を行いました。

高知に住む友人に会いに訪れたその足で、お遍路の旅をスタートしました。当初は、ろくにお参り作法等の事前勉強もせぬままに、空海さんの空気を感じよう、初めての高知県を堪能しよう程度の気持ちでした。また高知県は、とにかく横にだだっ広いので、時短な方法、レンタカーでのお遍路巡りを選びました。

朝、高知駅前で軽自動車を借りて出発。まず東の室戸岬に向かい、24番最御崎寺から巡礼を開始しました。最初のいくつかのお寺参りまでは、作法を知らなかったり順番を間違えたり。般若心経を読む(読経)のもぎこちなく。百衣は折り目が付いてパリパリ。一目で、まだ旅慣れてないお遍路さん、でした。

初日、最御崎寺や、空海が悟りを開いたといわれる洞窟、御厨人窟(みくろど)等

室戸岬から西に向かいながら、各所のお寺を巡礼し、途中坂本竜馬像なども堪能しながら、最南端の足摺(あしずり)岬の金剛福寺までの長いドライブ。最終日は愛媛県にも入り、43番明石寺まで巡りました。

土佐湾に落ちるオレンジに夕陽に癒された

3日目くらいからはお参りは徐々に様になってきて、また一つ一つのお寺の歴史、逸話などを読み、時間をかけて、本堂、大師堂の趣きを堪能できるようになってきました。やはり、1200年もの間、多くの巡礼者が訪れたパワースポット、都度、何かを感じることができました。

徐々にお坊さんのようなってきた三、四日目

もっとじっくり堪能したかったけれど、帰りの飛行機のチケットは購入済み。全行程を終えて、高知市内に戻る時は必死で(安全)運転をしました。ドライブメーターは計700kmとなった長距離ドライブ。脚はさほどでも、腰と目は十分に疲れました。この区間を歩いている巡礼者に何人か会いましたが、信じられない。尊敬しかありませんでした。

自分なりの方法とペースで回った初めての遍路旅。レンタカーを使ったけれども、十分に充実感を味わえました。そして、年内結願を目指すことを決め、この旅の最中に、次の予定を組んだのでした。

【第二の旅】愛媛~香川遍路

期間:10月22日(日)~10月26日(木)
移動手段:レンタカーと徒歩

二巡目はやっと作法にも宿泊手配等にも慣れて、順調な滑り出し。今回もレンタカーを借りましたが、71番弥谷寺~76番までは歩いてみました。すると、全く同じ経路を歩く海外からのお遍路さんに出会い、道中ずっと一緒に語り合いながら歩き、素敵な時間を過ごすことができました。

イギリスから初来日のピーターに讃岐うどんをゴチ

彼は、定年退職後、普段は地域のボランティアをしながら、米国を縦に往復したり、インドの各都市を東西南北にと、様々な地域で徒歩で旅をすることが趣味のようになっており、初来日の目的がお遍路だというツワモノ。その生き方に大いに刺激を受けました。

手を差し伸べると、警戒心無く小鳥が飛んできた(実はお菓子)

今回は街の幹線道路沿いあり、山奥あり、景色の良いロープウェーで登る山頂もあり、の様々なお寺を堪能することができました。そして道中、あちらこちらにうどん屋さんがあり、ランチは毎日美味のうどんを堪能しました。さすが、”うどん県”の香川県。

最終日は88番を残して香川遍路を終了

この旅では一部歩いたため、日本の風景の美しさ、のどかさを堪能しました。と同時に、その良さにむしろ日本人が気付いていない、海外の人々は東京、京都、富士山にだけ興味を持っているのではないことを思い知らされました。香川県には、最後の88番大窪寺があるのだけど、これは最後の最後にしたいので、今回は87番までとして、帰京しました。

【第三の旅】しまなみ海道&愛媛遍路

期間:11月7日(火)~11月9日(木)
移動手段:自転車・バス・電車・徒歩

今回の旅は、かねてから走りたかった、「しまなみ海道」のサイクリングを兼ねての遍路旅としました。本当は自分のロードバイクで渡りたかったけれども、手軽なレンタルバイクを借りました。そして、初日は尾道から今治までの75kmの自転車道を堪能した後に5つのお寺を巡り、自転車100km、歩数計は8万歩を示し、最後のお寺に辿り着いた時には足がつるほどの、ハードな一日でした。

景色も天気も最高のしまなみ海道サイクリングを堪能

この旅では、少しだけ公共交通機関のバスや電車も利用したけれども、ほぼ自転車と徒歩、自分の脚で3日間、14のお寺を巡りました。

11月なのに日焼けで黒くなってきた

ここまで、事故もなく、天候も良く、全て計画通りに巡ることができており、日々、空海さんに守られているような、安心で平和な気分になることができました。また、徐々に心の整理が付き、今後の進路への気持ちが高まっていきました。

【第四の旅】徳島遍路~高野山

期間:12月1日(金)~12月7日(木)、12月12日(火)
移動手段:徒歩・電車・レンタカー

多くのお遍路さんは、この徳島県の1番霊山寺から初々しくスタートするもの。既に60以上巡ってきたGenZee、慣れた作法で、1番から一つ一つのお寺の建物や風景を堪能しながら、思いを込めて、家族の健康や次の進路の成功、そして世界の平和を祈りました。

イチョウの木が特に美しかった

そして、今回は、1番~17番など、ほぼ自分の脚で歩きました。特に四国遍路最大の難所と言われる、11番~12番までの”遍路ころがし”というアップダウンのある険しい山道を歩いた日は、無心になれる清々しい一日でした。

12番焼山寺までの山道

15番の國分寺の敷地内には、国指定名勝の阿波国分寺庭園があり、しっかり堪能しました。ここまで1日平均4万歩。

15番国分寺の庭園はお遍路さんでなくとも超お勧め

ある日は、一時間に一本しかない、ワンマン、単線の列車も利用させていただきました。運が良く、紅葉が美しい季節に、最後の巡礼ができました。

紅葉を鑑賞しつつ世界平和を祈る

ちなみに遍路旅での宿泊は、ビジネスホテル、民宿、そしてお寺に併設された宿坊。宿坊はかつては88霊場のうち半数くらいのお寺にあったけれど、今は7つしか運営していないとのこと。遍路旅の人口が減少していたところにコロナで全ての宿坊が一時休業。そしてそのまま開業せず廃業・・という宿坊が多いんだとか。寂しいですね。この文化を維持するためにも、お遍路の旅に出る人が増えて欲しいと思いました。

宿泊したホテル、民宿、宿坊

お遍路の旅最後の二日間はレンタカーを借りて回り、最終日には徳島から香川に戻り、残しておいた最後のお寺の10km手前で車を停め、険しい山道を歩いて、無事、八十八霊場最後のお寺でのお参りを完了しました。

四国遍路を無事結願した証明書

そして、一旦帰京後の12月12日。高野山に赴き、今でも空海が読経しているという(現実にはあり得ないが・・)、高野山奥之院にて四国遍路完了の報告参りを行い、御朱印をいただき、これにて延べ20日間の旅を終えました。

結願した納経帳にいただいた高野山奥之院の御朱印

【旅を終えて】学びとご利益

この旅を通じて、お遍路でも仕事でも、手順やルールを守ることよりも、それらができた背景、歴史を理解し、心を込めて行うことが大事であることを再認識しました。また、何でも早くこなす事が必ずしも良いことではなく、じっくり時間をかけると見える世界はまた違う、ということも学びました。IT業界はスピードスピード、が標語になっているけれども、時にはゆっくりとしたペースで俯瞰した視野で深く考える事も必要。

この四国お遍路期間中にいいことがありました。
・娘が高校推薦で、希望大学希望学部に合格しました。
・息子が優良企業への転職が決まり、新しい道を決断しました。
・高齢の母が肺炎を拗らせて入院していたが、無事回復しました。
・自分にとって最善と思われる次の道、来年からの仕事が確定しました。

・・・ありがたや。四国お遍路、お勧めです。


以上、いつものビジネスノートとは少し趣が異なるレポートでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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