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【地元スナックへ突撃】ひとりで屋久島に行ってきた。 その4

縄文杉トレッキングから無事帰還

ガイドのSさんに民宿まで送ってもらったのが夕方5時頃。聞けばちょうどお風呂がわいたところだと言うので、一番風呂を浴びさせてもらう。昨日も入った岩風呂。だけど今日の方がずっとずっと気持ちがいい。わきたてのお湯だということ以上に、全身を駆け巡る、いわゆる「心地よい疲れ」がそうさせたのだろう。

風呂を出て部屋に戻って、昨日近所のスーパー・ヤクデンで買ったビールを一本。ああうまい。ズボンやマウンテンジャケット、ブーツなどの装備を片付けながらもう一本。トレッキング後半に降り出した雨は止む気配もなく、むしろ強まっている様子だったが気分は快晴。

6時に食堂に移動し、夕食を食べた。今日は屋久島の名物のひとつでもあるらしい、トビウオの唐揚げ(また写真撮り忘れた!)。ひれの部分までバリバリと食べられて美味しかった。

で、一応は部屋に戻ったんだけど。

当初の想定では、今ごろは疲れ果ててグッタリしているはずだった。なんせ初心者が24kmものトレッキングから帰ってきたのだ。だが実際は、驚くほど元気。体力的にも精神的にも、まだまだ活動できそうな感じなのである。

ということで、せっかくの一人旅。宿にビニール傘を借りて、街に繰り出すことにした。街、というのは昨日(1日目)に散策する中で見つけた、宮之浦のメインストリート(?)である「益救(やく)神社通り」のことだ。

その前にレンタカーショップへ

益救神社通りに向かいがてら、レンタカーショップに寄ることにした。というのも、何の予定も入れていない明日1日を、「車に乗って島一周ツアー」に充てようと考えていたからだ。

手続きは簡単。そして何となくアバウト(笑)。もちろん免許証のチェックや書類作成はするんだけど、どこかゆるいというか、ざっくりしているというか。聞けばなんと、朝は宿まで迎えに来てくれるという。一人なので大きな車は必要ないなと軽自動車を12時間予約し、時間を確認して店を出た。

再びの益救(やく)神社通り

さて、いよいよ益救(やく)神社通りに向かう。宮之浦港から徒歩10〜15分程度。この通りには比較的多くの飲食店が集まっている。

昨日散策する中で、滞在中に来れたらいいな、と思う店、特に遅くまでお酒を飲めそうな店はいくつか見つけてあった。

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こんな店とか、

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こんな店とか。

散策時は中途半端な時間だったし、そもそも次の日(今日)が縄文杉トレッキングで朝3時起きだったしで、見るだけに留めておいた。だが、意外にもまだまだ元気だということで、この界隈までまたやって来たのである。

夜の雰囲気はこんな感じ。

うーん、まあこうやって見ると、あまりメインストリート感はないか(笑)。さらに言えば、どの店もなかなか入りづらい。カラオケパブとかスナックとか、知らない土地で(しかも一人では)なかなかハードル高い。

で、上の写真の店まで行ってみたら、1件目はまさかの満卓。それなりに広いお店だったけど、テーブル席もカウンターも全滅。

じゃあ、ということで2件目の店に行ってみたら……

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この張り紙。これまでいろんな店を飲み歩いてきたので、「あ、これ20:00とか絶対ウソのパターンだ。ていうかそのまま開店しないパターンだ」とピンと来ちゃうわけです(実際この後どうなったのかは知らないんだけど)。

ということで、行く宛がなくなりまして。まさにアルコールジプシー。行きつけの店どころか、知り合いの一人もいない屋久島は宮之浦で、酒を求めてさまよい歩くアラフォーぼっち。

とはいえ、このままどこにも寄らず宿に戻るなんて絶対にイヤで、どうしたかというと、えいやと気合を入れてスナックに入りました。通りからはちょっと離れた場所にポツンと建つ一軒家。「ルージュ」ってお店。

ルージュについて

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なかなかパンチの効いた外観。写真は屋久島マルシェさんから転載。

ドキドキしながら入ったものの、結果的にここがすごくよかった。関東から1年前に移住してきた(というか長期滞在中)のお姉さんと、ずっと島で育ったという40代?50代?のおじさん。ということで、屋久島産の芋焼酎「三岳」の水割りで”屋久島飲み”スタートです。

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お客さんが他にいなかったこともあっていろいろ聞いてくれて、旅の経緯やら今後の予定やらを話している間にここのママさんが到着。自分の母親より年上の、明るくてチャーミングな人。

結局何時間くらいいたんだろう。明日はレンタカーを借りて島をグルっと回って見るつもりだと言うと、あそこのレストランが美味しいよとか、あそこにも行くといいよとか、いろいろ教えてくれて、ああほんと来てよかったなと。

このご時世、ネットでググればだいたいのことはわかる気がしてしまうし、実際ある程度の情報までは家から一歩も出ず手に入るのだけど、こういう経験をすると、ネットの情報というのがいかに「平面的」か思い知らされる。実際にそこに足を運び、その土地の人と会話し、その場の空気を吸って初めて、情報は「立体化」して知識となるんだな。

とかなんとか、とにかく非常に素敵な時間を過ごすことができた。後で聞いたらこのママさんは地元でもかなり有名な方なんだそうだ。屋久島ガイドブックに普通に写真載ってたしな。

で、帰りは当たり前のようにおじさんが車を出してくれ、宿まで送ってくれました(屋久島の飲み屋はそういう文化みたいだ)。おじさんの車、車内がバチバチにカスタムされていて(本人は癒し系なのに、センスはオラオラ系だった)、ちょっとおもしろかった。

そういうわけで、この日は縄文杉トレッキングに地元のスナックで深酒と、かなり濃ゆい一日を過ごすことができた。充実した気持ちで宿に戻り、昨日同様に気絶するように眠った。

その5につづく
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