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おやじパンクス、恋をする。#179

「けどあいつ、親族のくせに今頃来たのか?」

 カズの核心をついた指摘に、そういやそうだよな、普通、親族だったら先に着いて参列者を出迎えるもんだよなと俺も思い、そしたらなんだか嫌なイメージが一気に膨らんだ。

 あいつ、そう、雄大のバカ、あいつやっぱ何かおかしくなってんじゃねえか? 大好きな親父の葬式に遅刻? それとも何か考えがあってわざと遅れてきたのか。

 いずれにしてもあいつ、普通じゃねえ状態なんじゃねえのか。

 一度そう思っちまうと、なかなかそれを振り払うことはできねえ。

 何をそんなに心配してんのか、自分でもよく分からなかった。だが、この大事な場面で雄大がなんかやべえことをしでかしそうな気がして、思わず俺は会場に向かって歩き出した。

 ダメだぞ、雄大。頼むからおとなしくしててくれ。

「やっと出陣かよ」

 背後で涼介の嬉しそうな声がする。

「なんだよあいつ、突然さあ」とタカ。

「ふふ、まあいいじゃねえか。大将が行くってんだからよ」嬉しそうなボン。

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この小説について
千葉市でBARを経営する40代でモヒカン頭の「俺」と、20年来のつきあいであるおっさんパンクバンドのメンバーたちが織りなす、ゆるゆるパンクス小説です。目次はコチラ

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