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おやじパンクス、恋をする。#090

「お前、いい加減に――」

 言いかけた所で雄大が口を挟んだ。

「ていうかあの人、何しに来たんですか?」

「んだとコラ」

「まさかマサさん、嵯峨野をボコボコにすれば問題は解決するとか思ってます?」

 なんだこいつ、いきなりペラペラと。

 だいたい涼介が何しに来たって、そんなの決まってんだろ、ええと、だから、奴はつまり――

「マサさん、そんな簡単なことなら俺だってこんなに困ってませんよ」

「……」

 思わず口ごもる素直な俺。形勢逆転とばかりに、雄大がわざとらしいため息をつく。

「とにかく、あの人のことは置いておいて、今回のパーティーは成功でした。たくさんの関係者が集まったし、そこで嵯峨野は主催者として挨拶した」

「……おお、それがどうしたよ」

「つまり、親父が現場を退いた後、会社のことを動かしてるのは俺だと、俺が中心なんだと宣言したってことです。社内でそう言い張ってんのと、外の人間の前でそう宣言するってことは全然意味が違うんですよ」

「……つまり?」

 俺が控えめに聞くと、雄大もまた声を落としてこう言った。

「もう終わりです。梶商事は、嵯峨野に乗っ取られます」

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LOVE IS [NOT] DEAD. 目次へ

この小説について
千葉市でBARを経営する40代でモヒカン頭の「俺」と、20年来のつきあいであるおっさんパンクバンドのメンバーたちが織りなす、ゆるゆるパンクス小説です。目次はコチラ

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