戸室 信一

トムロ シンイチ 財団法人出身。国土交通省、NEXCO、JR、旧防衛施設庁、旧公…

戸室 信一

トムロ シンイチ 財団法人出身。国土交通省、NEXCO、JR、旧防衛施設庁、旧公社公団、都県市自治体の積算基準作成、諸経費調査、統計分析、資材・労務費調査の実績/ トムロ総合研究所 しがない所長。国土交通政策などで思ったことを書いています。twitter @tomuroRI

最近の記事

今こそ問う 建設キャリアアップシステム(CCUS)で得をするのは誰なの?

皆さんお久しぶりです 今年度は全国で公共工事の公示が例年より半月も遅かったので会社経営を圧迫したようで、 倒産なんて話も結構聞こえてきます 何とか6/20前後で一気に公示されたようですが 下期もまた発注が遅いようです 予算の消化が上手くいっていません 発注機関の機能不全ですね 受注側としては、連続して切れ目なく請けることが理想ですが、資機材や人工の手配が難しく、やむを得ず優先順位をつけて選択して応札せざるを得ません しかも欲しい工事が必ず落札できるとは限りません そこ

    • 2月18日公表「令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について」㊗️3%アップ!だけど実はヤバいって話

      1.初めに 労務単価(賃金)が上がることは、その解消の決定打が無く経済の癌とも言われるスタグフレーションにおいて最終兵器と成りうるものです。 今回の設計労務単価で積算された公共工事は民間工事へ、ひいては日本の労働者全体の賃金や年収が上がるきっかけとなるでしょう。 設計労務単価が上がるということはそれほどの影響力を持ちます。 長く続くデフレから賃上げによって日本の景気回復への期待が持てるのです!しかも3%は想像以上の値で、前年より大きく上伸しました! 実に明るい話ですがここ

      • 外国人労働者と人権とおカネの話 ちょびっとCCUS

        こんにちは トムロです 同じパターンに飽きてきたので気ままに書きます CCUS連載企画、⑩まで行きましたんで2桁も書けば言いたいことは殆ど言い尽くせると思ってました 甘かったです 誰も教えてくれないからチョコチョコ調べるわけです するといろいろ掘り当てちゃうんですね 今回はこれ 日建連経由ですけど、国土交通省 「建設分野における外国人材の受入れ」 国交省の資料って作成日付がないんですよ これは何とかしてくれ しょうがないから調べたよ 2021.04.07 「建設分野

        • CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと➉

          もうわかっていただけましたよね。CCUSの第一目的。 案の定記事が増えました。概要は外国人技能実習生と特定技能外国人の内容追加です。二つの制度の格差と外国人制度を食い物にする利権について新しくわかったことがあるので、書いてみようと思います。しかもまたまた調査中に怪しげな動きを見つけました。そこは私が危険なので有料にします。 まずお詫びしたいのですが、外国人受入れ制度についてのわたしの視点がそもそもズレていました。JITCO、FITS、OTIT、JACの4機関、送り出し機関

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        今こそ問う 建設キャリアアップシステム(CCUS)で得をするのは誰なの?

        • 2月18日公表「令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について」㊗️3%アップ!だけど実はヤバいって話

        • 外国人労働者と人権とおカネの話 ちょびっとCCUS

        • CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと…

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑨

          いい加減飽きてきたと思いますが、もう毎回でも繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。 今回は10.多重下請構造についてです。連載記事数で⑨とは随分頑張ったもんだよ。自画自賛はさておき、重層下請構造 これも普遍的なテーマですね。いつからこんな難しい言葉ができたのか定かではありませんが一般化したのはCCUSがきっかけだと思います。 重層下請構造自体はCCUSとは本来全く別の問題なのですが、まさに大風呂敷1枚に何もかも取り込んで処遇改善に結びつ

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑨

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑧

          くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回でも繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は延びに延びた9.技能実習制度・特定技能外国人制度についてです。 毎年秋に行われる公共事業労務費調査においても、外国人労働者のかたの名前が出てくることは珍しくなくなりました。建設会社にとって欠かせない存在となっていることでしょう。外国で働くのは不安がつきものです。できる限り身近な仲間として自然に溶け込めるような環境作りをしてあげたいものですね。 令和2

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          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと…

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑦

          くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は9.技能実習制度・特定技能外国人制度についての予定だったんですが、軽く触れられる内容では無いし、かといって簡単に理解できるほど甘くもないもので、作り込みに時間がかかっているのでもう先送りします。何日かけてもまとまらないんですよ。 なので9.はまた後日。ひとつ飛ばして今回は10.公契約条例について (以前に書いたことがあります) CCUSの本質的な問題は

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑦

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑥

          くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は8.一人親方です。 まずお詫び。連載⑤では、ツイッター連動でバタバタ騒ぎに巻き込み、申し訳ありませんでした。データの扱いがあまりにも恣意的なもので端折ってしまいましたが、どこが問題なのかなど質問があれば遠慮なくコメントつけてくださいね。 さて一人親方。国交省資料のタイトルはこうです。”社会保険加入対策・建設業の一人親方対策”。 要は一人親方とは名ばかり

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑥

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑤ リライトしました

          キレてすみませんでした。8/23リライトしました。 くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は7.公共工事労務費調査等におけるCCUS登録技能者の賃金実態の分析…  からですが、いきなり本省が名前ミスってることにガッカリ。公共事業労務費調査ね。どうりで中身もガッカリなわけだよ。これでも良いとこ探ししてるんですよ。もとはといえばこの分析とやらを見て都合のいい解釈にもほどがあるしデータ様に失礼と思った

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑤ リライトしました

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと④

          くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は4.「CCUS官民施策パッケージ」の進捗状況、5. 6.ですが枝葉がたくさんついてしまい普段の3倍の文字数ですがどうぞお付き合いください。 この連載のテーマはCCUSの粗探しではなくて、良いところは良いと紹介することでもありました。良い所探しは最後まで続けますが、どうも調べるほどシステムの掲げた目的から遠ざかり、官僚に都合の良い部分ばかりが透けて見えるんで

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと④

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと③

          建設キャリアアップシステム(CCUS)と周辺の最新情報についての、その3です。国土交通省の公式HPについては、必要に応じてシリーズ初回noteより確認してください。今回は4.から......ではなくて、 ②に追加することあり〼! 前回「CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと②」の最後で「現場ID登録数」についてその重要性を説明しました。これはCCUSに登録された工事現場の数です、この値が少なすぎる、普及しているなんていえない、国交省の資料は都合よく編集

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと③

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと②

          建設キャリアアップシステム(CCUS)と周辺の最新情報についての、その2です。国土交通省の公式HPについては、必要に応じてシリーズ初回noteより確認してください。今回は2.~3.です。 2.建設キャリアアップシステムの登録状況 くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。 CCUSの実質的運用機関である一般財団法人 建設業振興基金のHPに6月9日付けで最新の運営状況について報告がなされています。毎月

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと②

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと①

          建設キャリアアップシステム(CCUS)の最新情報が、2021年6月16日の建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会 第6回協議会において公開されました。 ここで用いる議事録、資料などは本省HPに掲載されています。 トムロ総合研究所ではCCUSについて都度都度、問題点についてレポートして来ました(ぜひ過去のnoteもご覧ください) その中で、建設業振興基金の大赤字問題、一人親方問題、社会保険加入問題、技能職の賃金・年収問題などこのシステムの根本的な問題の進展・改善・改悪につ

          CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと①

          アフターコロナを見据えて大注目 「令和3年3月より適用する公共工事設計労務単価」とCCUSが繋がってるって話

          1.まえがき 令和3年2月19日(金)正午、昨年より実に6日も遅れて国土交通省の設計労務単価が公表されました 国内の公共工事はもちろん、民間工事額にも大きな影響を及ぼす重要な調査 1年前とは何もかもが変わったコロナ禍中で初めての調査・公表となるので、トムロ総研として大変興味深く、直近の経済動向などを多数確認し結果を予想しつつ前週の8日(月)から待っていました パッと見て驚き、じっくり見て落胆 最後は「大変だ」という感想です 順を追ってその意味を説明をしていきます

          アフターコロナを見据えて大注目 「令和3年3月より適用する公共工事設計労務単価」とCCUSが繋がってるって話

          『国土強靭化計画』 では足りない!『国土安全化計画』 プラス

          暴力的に強大化する豪雨、台風などの気象災害。そして今後予想される巨大地震など自然の猛威に対して、何かを造って身を守るという対処方法には限界があると考えます。私たちは近年充分それを思い知らされてきたと言えるでしょう。多くの人命、専ら弱者が犠牲になりました。中には救えた命があったのではないか、と誰もが自分に問い続けてきたことと思います。 構造物を造ることが主眼の計画を『国土強靭化計画』とするなら、私は『国土安全化計画』も必要だと訴えたいのです。 それは、自然の猛威を受ける環境か

          『国土強靭化計画』 では足りない!『国土安全化計画』 プラス

          建設キャリアアップシステムとジャニーズとおカネの話

          2020年10月1日から建設キャリアアップシステムの利用料金体系が変わります。 端的に言うと大幅値上げ。大幅と言っても1割2割ではありません。 2倍や5倍です。 コールセンターの廃止、郵送受付の廃止なども伴います。 しばらく振りなので、今回はびっくり所が沢山ありますのでお楽しみに。 さて、まず何故こんな事になったのか? 次の3点です。 ①予算意識がないまま、風呂敷を広げすぎた ②誰も仕事に責任を持たなかった ③どんぶり勘定で、尚且つ収支チェックされない体制だった

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