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メディカルチェックはDoやるの②

前回に引き続き、今回は整形外科的メディカルチェックの項目第二弾として、下記の図を参照していただきながら①太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)と②ハムストリングスに対しての柔軟性測定の方法を説明します。

【メディカルチェック図解】

引用: 山本利春(2001) 測定と評価 ブックハウスHD

①大腿四頭筋
選手はうつぶせになります。完全に脱力した状態でパートナーが選手の膝を曲げ、足首あたりを少しだけ押します。
かかとがお尻に付けば問題なし、もしかかととお尻の距離が指4本分以上開いていたらその選手の大腿四頭筋は「硬い」と判断します。

②ハムストリングス
選手は仰向けになります。完全に脱力した状態でパートナーは一方の手で選手の膝が曲がらないように固定し、もう一方の手でかかとを押さえながらハムストリングスのストレッチを行います。膝が曲がったり体が捻じらない状態を維持できる範囲で限界まで伸ばし、その時の床と脚との角度を測定します。
脚の角度が90度まで上がらない場合は「硬い」と判断します。

※柔軟性の判断は硬さそのものだけでなく、左右の違いなどもケガのリスクになります。

計測ツール

柔軟性や関節の角度を計測するツールにゴニオメーターというものがあります。

ゴニオメーター


病院などでドクターやリハビリの先生が使用している医療用のものは非常に高価です。
その代用としてごく簡便なものが100円ショップでも売られています。分度器機能のついた小型の折りたたみ定規なのですが、サッと測りたい時に活用してみて下さい。

ダイソー 折りたたみ定規(分度器付)

https://jp.daisonet.com/products/4549131934960?variant=41039659237549&currency=JPY&utm_medium=product_sync&utm_source=google&utm_content=sag_organic&utm_campaign=sag_organic&com_cvv=d30042528f072ba8a22b19c81250437cd47a2f30330f0ed03551c4efdaf3409e

再現性について

最後に、メディカルチェックを行う際の重要なポイントの一つ「再現性」を上げておきます。
例えば、体脂肪率を測る体重計のメーカーや機種が違ったり、
床の硬さや測定の時間など条件が異なると数値も変わってしまいます。
可能な限り同じ条件で測定しましょう。

また、今回紹介したパートナーがストレッチを行い柔軟性の測定をする場合は、パートナーが異なると押す力に差が出てしまいます。
なるべく同じ人が押したり、押す力を揃える練習をしておきましょう。

以上、今月はメディカルチェックに主眼を置いて書かせていただきました。
メディカルチェックは準備や実施に時間を要しますが、
体を数値化して把握しておくことは、プラスはあってもマイナスなことはありません。
未だメディカルチェックを行ったことがない現場があれば、現状把握と怪我の予防の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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