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エポローバルって上塗りしないで使っていいの?

「上塗りに対応したエポローバルについて質問です。エポキシ樹脂は白亜化しやすいと聞きますが、エポキシ樹脂を使ったエポローバルは上塗りをしないでそのまま使っても良いのですか?」

頂いた上記のご質問にお答えいたします。
「エポローバルだけでもご使用いただけます。エポローバルを上塗り塗装せずに、エポローバル仕上げのままご使用いただいても全く問題ありません、亜鉛顔料を多く含んでおり、樹脂を白亜化から守ります。一般的なエポキシ樹脂塗料と異なり、目立つ白亜化は進行しません。エポローバルは上塗りをしなくてもご使用いただけます。」

白亜化しやすいエポキシ樹脂塗料

エポキシ樹脂塗料は一般に付着性、密着性が強いです。素地に強くくっつき、被塗物を守ります。一方で、耐候性が悪いと言われ、容易に白亜化(チョーキング)という現象が起きてしまいます。白亜化は光に当たって、樹脂が劣化して白くボロボロになる現象です。白いガードレールに手を触れたら、白い粉が手についた経験はあるかと思います。あれが白亜化です。
そのため、エポキシ樹脂塗料は一般に上塗り塗装を必要します。

上塗り塗装を必要とするエポキシ樹脂塗料を上塗り塗装をしないで屋外暴露試験に出します。

3ヶ月で白亜化が見られるエポキシ樹脂塗料

3ヵ月経過して、指で擦るとご覧のように手に白い粉が付くようになってしまいました。白亜化、チョーキングが発生してしまったことがわかります。

エポローバルは白亜化しにくい。

屋外暴露試験を始めて5年経過したエポローバルの試験片を指で擦ってみます。

5年経過しても白亜化らしきものは見られないエポローバル

少々汚れは付きましたが、指には白いものが付きませんでした。

・樹脂分が少ない。
エポローバルにもエポキシ樹脂が使われています。エポローバルには、亜鉛が96%入っています。つまり、樹脂成分は4%以下となります。元々白亜化する樹脂成分が少ないのです。

・亜鉛が樹脂を守る。
亜鉛は金属です。金属は光を通しません。多く含まれている亜鉛がエポローバル内部に光が入らないようにし、塗膜内の樹脂の劣化を防ぎます。

ただ亜鉛は酸化して白さびとなります。白さびも白い粉に見えるので、白亜化しているようにも見えてしまうことがあります。

上塗りしないで、エポローバルを使っても問題ないんです。

上塗りをせずにエポローバルを使用した実例をご紹介いたします。

亜鉛めっきの上にエポローバルを塗る。

ローバル製品は亜鉛めっきの補修によく使われる塗料です。なので、当然亜鉛めっきの上にエポローバルを塗っても問題ありません。ご覧のように2年経過しても異常はありません。

溶融亜鉛めっきにエポローバルを使う

エポローバルは上塗り塗装に対応した製品ですが、上塗りをせずにそのまま使っても問題ありません。

鋼板の上にエポローバルを塗る。

エポローバルは当然鉄の上に塗装でき、上塗りをしなくても問題ありません。念のため、写真を載せておきます。

鋼板にエポローバルを使う

屋外暴露試験14年経過してもさびは出ていません。

もっと長い期間さびが発生していないエポローバル塗膜はないものかと探してみたところ、14年暴露してさびが発生していないものがありましたので、写真をご紹介いたします。

屋外暴露試験14年経過してもさびていないエポローバル塗膜


(記事担当:MTMTH)


エポローバルの良くないところ。

良いところばっかり言うと、ローバルは要らないのではと思われるので、エポローバルの悪いところも紹介します。
エポローバルは特殊な樹脂を使っている関係上、溶解力が強い溶剤を使っています。そのため、溶剤の臭いが強めです。また、同様に特殊な樹脂を使っているため、エアゾール製品がラインナップにありません。


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