もっとよくする -2

重い機材を使用するのは疲れますが、ほんの少しだけ頑張ればもっと素晴らしい写真が実現できます。

ポジフィルム、単体の露出計、フィルムスキャナー(ドライバー)の選択、体幹を鍛える、くらいでしょうか。

ざっと拝見すると、ネガフィルムからスキャンした画像であることが確認できます。同じ条件でポジフィルムを使用すれば、もっと豊かな諧調の画像が得られたと思います。コダックのポジなら、エクタクロームが中判用もライカ判用も販売中です。ネガフィルムは(プロが)紙焼きすることでその性能を発揮するものであり、インターネット上で(モニター上で)表示する場合には、スキャンされた画像の階調の調整が不可欠だと思います。

カメラに内蔵の露出計は、いわばオマケみたいなもので、いまだに満足のいくシロモノに出会ったことはありません。露出計を使って、もっとも重要な部分の露出を決め、眼窩にカメラを固定し、静かにシャッターを切る;これで望む写真ができます。さらに万全を期するなら、ブラケティングすれば良いでしょう。

専門業者にスキャンニングを依頼する際は、最低限、どのような機材とソフトウエアを使用して、どのような形態のファイルにするか、くらいは確認された方が良いでしょう。
1) フィルムスキャナーのメーカー名、型式、
2) スキャナードライバー(ソフトウエア)のメーカー名、名称、バージョン、
3) ファイル形式、圧縮の有無、圧縮する際の形式とその程度、

1)に対するまともな回答がないところは、おそらく価格のみの勝負で、仕事の品質は期待できないでしょう。
2)については、SilverFast(独LaserSoft Imagingの製品)の比較的新しいバージョンであれば、品質の高い仕事をしようとしているところだと判断できます。これ以外あまりお勧めしません。使用コンピューターがMacであれば、写真に真剣に取り組んでいると想像できます。スキャン方式(何度のスキャンパスか?RAWで保存するか?他)をある程度指定できるようならなお良いでしょう。
3)について、顧客がある程度指定できるところだと、納品されたデータの使用範囲(アレンジ幅)が広がります。

くれぐれも留意すべきは、画像の解像度(の高さ)ではなく、諧調の高さです。銀塩写真のメリットは階調の高さであって、これは現在の高価なデジカメでも到達できていない点です。そこそこの解像度があるだけで、ワンパスの薄っぺらなデータにするか、モニター越しに「ワオ!」と言わせるかは、あなた次第です。

狙いを定めて、露出を決め、ピントを合わせ、カメラを眼窩に固定し、脇を締め、息を止めて静かにシャッターを押し下げる。満足度の高い写真を実現するため、ぜひとも体幹を鍛えておいてください。

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