Olasonicが発売したBluetoothスピーカーがヤバい。色んな意味でヤバい。

OlasonicはSONYの音響部門にいたスタッフが立ち上げたブランド。ちょっと音楽好きな人なら↓のたまご型のスピーカーをどっかで見たことあるんじゃないだろうか。

もともとは東和電子っていうメーカーで製造・販売してたんだけど去年末に光学精密機器のメーカーにスタッフとブランドが全部移籍。新製品第一弾として今流行のBluetoothスピーカーを発売した。

数千円でそこそこ良い音の充電式スピーカーが買える中、3万円+コンセントがないと動かないという強気設定で殴り込んできた。

■プロのレコーディングエンジニアによる本格的な音質チューニング
有名アーティストのレコーディングを数多く手掛けるエンジニアプロ集団「ミキサーズラボ」による音質チューニングを施し、スタジオ録音されたサウンドイメージをリアルに再現します。

しかしハイレゾ音源に対応、10W+10W+20Wの2.1chハイパワー、レコーディングエンジニアによるサウンドチューニングという超豪華仕様。何よりキャビネット部分が木製なのが良い。高級なスピーカーやシンセサイザーはやはり木だ。木の外装でなければいけない。

そりゃ買うよね。

ちょうどBluetoothスピーカーとゲーム用のスピーカーが欲しかったのでその両方を兼ねるIA-BT7は俺にとってまさにベストマッチだった。

実際、スピーカーから流れるゲーム音や音楽は素晴らしいの一言。低音と高音の分離がよく、高音の輪郭もハッキリしている。この小ささでこれだけの音が出るか…と感動すら覚えた。

の、だが。

低音がめっちゃ出る。ウーファーがパワフルすぎる。いくらドンシャリサウンドが流行っている昨今とはいえこれは出過ぎじゃないかってくらい出る。エンジニアがチューニングしてる、っていうのが疑わしくなるレベル。

これは明らかにおかしいと思い、iPhoneのアナライザーアプリを入れて計測してみることにした。計測距離・音量は全て一定にしているがあくまで簡易な測定なので細かいことは気にしないでほしい。

まず、パソコンに繋げているGENELECのスピーカーから出る音をiPhoneで測定してみた。これは星野源の「恋」のサビ部分。後ろの灰色の部分を見てほしい。

128と256の間がちょっと上がっている
→バスドラム、ベース。いわゆる低音。

1Kから2Kにかけての上がり
→ボーカル。声の芯の部分と空気感の部分が特によく聞こえている感じ。

ベースがしっかり聞こえて、声の輪郭がはっきりしていて、高音は痛くないよう緩やかに減衰している。何度でも聞けるバランスの良いミキシングではないだろうか。

次に、こちらがIA-BT7から流れる星野源の「恋」のグラフだ。

いや、やっぱ低音出過ぎだろこれ。

声の上がり部分とか他の部分はおおよそGENELECと同じ上がり下がりをしているが128のやや下部分、ウーファーから出るような低音の部分がどう考えても出過ぎ。実際聴いててもベースライン全部追っかけられるくらいベースが前に出て、物凄くうねってくる。

星野源の曲が偶然そうなったんじゃないの?と思う人もいるだろうが、

1枚目:Daft Punk「Get Lucky」
2枚目:ドナルド・フェイゲン「ナイトフライ」
3枚目:King Gnu「白日」

邦楽洋楽、時代問わず全部これなんすよ。全部低音がめっちゃ主張してくるの。レコーディングエンジニアによるサウンドチューニングがウリの製品でこれはどう考えてもマズいだろう。

何故こんな事になってしまったのか、考えつく点としては

・チューニングしたエンジニアの耳がヤバい
・木製のキャビネットで低音が増幅されすぎている
・思ってた以上にウーファーのパワーがヤバかった
・単純に製造上のミス

あたりなんだけど、これを市場に出し続けるのはOlasonicとレコーディングエンジニアの今後の仕事に関わるレベルなのでは?と思うので何かしら対策をするべきだと思う。

と、ここまで書いていたらTwitterで情報が。

うーん、つまり俺がビックカメラで買ったやつは調整前のモデルって事なんだろうか。それなら送料こっちで持ってもいいからOlasonicに送って調整して送り返してほしいわ。あといくらドンシャリがウケるからといって流石にここまでのドンはマズいと思う。アパートとかで鳴らしたら壁震えるレベルで低音鳴ってるし。

ただ低音以外の音の輪郭、分離感は完璧なんだ。低音さえどうにかなれば5年は余裕で戦えるレベルのスピーカーなんだ。あとちっさいボタンいちいち押すの面倒だからリモコンつけてほしい。あと本体の音量レベルが今どれくらいかわからないから音量メーターも欲しい。

どうにかなりませんかねえ、Olasonicさん。

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