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縫初 古袱紗を作りました

 ヘッダの写真は2015年のデザインフィルミドリカンパニーのレターセットから「箔 水仙柄」です。友達に手紙を書くのに使いました。手紙でも書き初めって言うのでしょうか。
 縫初は、義母に頼まれて古い刺繍帯から鬘帯っぽいものを作成、残りの布はあげますよと言われたので、解体しておしゃれ着洗剤で洗って、縮んだ部分を火熨斗(アイロン)して、今せっせと袱紗に仕立ててます。

手のひら大のサイズ感

 流派で細かな違いがありますが、模様が入った袱紗は道具拝見のときなどに使うもの。まあ、実際は未使用の懐紙をすぱっと抜いて使った方が今どきの衛生管理からも気軽で良いのですが……。空のお茶碗をひっくり返すと水滴が付くしね。
 幾何学紋様は花や掛け軸、道具の模様と重なりにくくて使い勝手が良いと思います。
 ところで、初めての縫い物にもちゃんと季語があるんですね。「縫初」、そして初めて使う針が初針だそうで(今、季寄せで調べました。)。
 細い鬘帯っぽいものは謡の席で新曲(義仲最期的な内容の)をやるのに使うらしく、巴御前役に相応しく矢羽根に見えなくもない一列を長く取って作りました。

手の部分から細帯を作成

 古い帯なので折り返し部分がすり切れていて、洗ってアイロン掛ける途中で何カ所か生地を破いてしまいました。お太鼓の裏にも穴があり、確かにリメイク用にしかならないコンディション。義母、流石の見極めです。
 ぶっちゃけ縮緬や羽二重などのつるつるしなしなした生地を縫うのはとても大変なのですが(そのために道具で引っ張りながら縫います)、錦や金襴は固いことを除けば形がしっかりしているので直線縫いは大した工夫も必要なく、私にでもできました。今回は似た色の絹ミシン糸が手元にあったので、色を合わせて糸を買いに行く手間も不要(ほんとは手縫い糸の方が縫いやすいのですがそこはそれ)。なんちゃって和裁ですが縫い目を外に見せないようきせをかけるので、仕上げさえ綺麗にしておけばアラが見えないのが良いですね! 

大好きなお茶を買う資金にさせていただきます