昔からお世話になっている社員さんに言われた。
『昔さ、
とある関西の番組でクイズあったの覚えている？
ロザンチームが優勝してさ。
最終問題。これがわかったら1000万ってあったやろ？』
なんとなくは覚えていた。
たぶん四半世紀前の番組である。
事の詳細はあまり覚えてはいなかった。
横にいた宇治原さんが口を開く。
『覚えてますよ』
覚えてんのかい！
四半世紀前の番組のことをハッキリと覚えているんかい！
クイズやからか？
クイズやからか覚えているのか？
怖い。
記憶力が怖い。
ただ会話を進めていくと、もっともっと怖いことが判明した。
社員さんが興奮して言う。
『やっぱり。
覚えてる？
じゃあさ。最終問題覚えている？
世界地図でてさ、この国はなんでしょう？って問題やったやんか？
答え覚えている？』
僕は思った。
覚えているわけないやん。
ていうか、問題すら覚えてないわ。
答えを覚えていたら恐怖でしかない。
宇治原さんが口を開く。
やめてくれ。
まさかのことを言わないでくれ。
期待を裏切ることを宇治原さんは口にした。
『覚えていますよ』