ベートーベン:交響曲 第6番 ヘ長調, Op.68「田園」

Here's a great performance of Beethoven's Symphony No. 6 in F major, also known as the Pastoral Symphony. This emotional piece tells the story of a farmer who is brought happiness through his farming life. This is one of Beethoven's most popular symphonies and is sure to please lovers of classical music.

00:00 1. Allegro ma non troppo
「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
13:04 2. Andante molto mosso
「小川のほとりの情景」
25:10 3. Scherzo. Allegro
「田舎の人々の楽しい集い」
30:25 4. Allegro
「雷雨、嵐」
34:35 5. Allegretto
「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」

演奏者ページ DuPage Symphony Orchestra (orchestra)
Barbara Schubert (conductor)
公開者情報 DuPage, IL: DuPage Symphony Orchestra
著作権 Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 3.0
備考 Performed 16 November 2013. From Internet Archive

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響曲第6番 ヘ長調 作品68『田園』(ドイツ語: Sinfonie Nr. 6 F-Dur op. 68 "Pastorale")は、ドイツ出身の古典派音楽の作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770年 - 1827年)が1808年に完成させた6番目の交響曲。 演奏時間は約39分(第1楽章:11分、第2楽章:13分、第3楽章 - 第4楽章 - 第5楽章:15分)と紹介する例があるが、反復の有無、指揮者の解釈や時代による演奏様式の変化により演奏時間には幅がある。

古典派交響曲としては異例の5楽章で構成されており、第3楽章から第5楽章は連続して演奏され、全曲及び各楽章に描写的な標題が付けられるなど、ベートーヴェンが完成させた9つの交響曲の中では合唱を導入した交響曲第9番と並んで独特の外形的特徴を持つ。 また、徹底した動機展開による統一的な楽曲構成法という点で、前作交響曲第5番(作品67)とともにベートーヴェン作品のひとつの究極をなす。

標題について

"Almanach der Musikgesellschaft" に描かれた「田園交響曲を作曲しているベートーヴェン」(1834年、チューリヒ)
第6交響曲は、ベートーヴェンの交響曲の中で標題が記された唯一の作品である。ベートーヴェンが自作に標題を付した例は、他に「告別」ピアノソナタ(作品81a)などがあるが、きわめて珍しい。とくにこの第6交響曲は、ベルリオーズやリストの標題音楽の先駆をなすものと見られている。

標題は、初演時に使用されたヴァイオリンのパート譜にベートーヴェン自身の手によって「シンフォニア・パストレッラ (Sinfonia pastorella) あるいは田舎での生活の思い出。絵画描写というよりも感情の表出」と記されている。

また、各楽章についても次のような標題が付されている。

「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
「小川のほとりの情景」
「田舎の人々の楽しい集い」
「雷雨、嵐」
「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」

これらの標題は楽譜以外にも認められ、1808年12月17日付『ウィーン新聞』に掲載された初演演奏会の予告には「田舎の生活の思い出」という副題が見られる。ベートーヴェンが使用していたスケッチ帳にも同様の記述があり、「性格交響曲(Sinfonia caracteristica) あるいは田舎の生活の思い出」とされ、「シンフォニア・パストレッラ」は音による絵画的描写ではなく感情の表現であることが強調されている。

ベートーヴェンが「絵画的描写ではなく感情の表出」と強調したことについては、以下の理由が挙げられている。ひとつには、ベートーヴェン自身の理想主義的な作曲理念からのものであり、模倣のための模倣である描写語法を安易なものとして退け、音楽的脈絡や全体的構成の中で不可欠かつ必然性を持たせること、言い換えれば、描写語法のより高い次元での用法をめざしたのである。 スケッチ帳に書かれた「性格交響曲」についても同様であり、この言葉は創作者の世界観を表す純音楽という意味で用いられている。ベートーヴェンは、「誰でも田園生活の考えさえあれば、多くの説明がなくとも、作者の意とするところを自ら考えることができる」といって標題を詳しくすることを避けた。

もうひとつは、ベートーヴェンの作曲当時までによく書かれていた自然描写音楽へのアンチテーゼである。 その典型的なものとして、ベートーヴェンより少し早い世代の作曲家ユスティン・ハインリヒ・クネヒト(1752年 - 1817年)に15の楽器のための『自然の音楽的描写』(1784年)という標題音楽があり、この作品の5つの楽章は本作とほとんど同じ標題を持つ。 また、クネヒトには『雷雨によって妨げられた牧人の喜びのとき』(1794年)というオルガン作品もあった。ベートーヴェンがこれらの作品を知っていたかどうかについては現在まで確認されていないものの、田園交響曲との標題内容との一致から、ベートーヴェンがこれらの先行作品を意識していたことはほぼ確実と考えられている。

ベートーヴェンは田園を好み、ウィーンでは近郊を歩き回り、夏には田舎に生活して大自然に親しんだ。彼のスケッチ帳には「森の中で―自分は幸福だ―樹々は語る―汝を通して―おお神よ―なんと素晴らしい……」、「どの樹もみな自分に語るではないか。聖なるかな。聖なるかな。森の中は恍惚たり」などと書き付けてある。日本の音楽評論家門馬直衛は、こうした心情を音楽で語ったのがこの第6交響曲であるとする。

曲の構成
新しい交響曲形式として5楽章構成が試みられている。この時期のベートーヴェンは楽章構成上の有機的な統一感を追求しており、前作第5番同様の切れ目のない楽章連結を受け継ぎつつ、ここではさらに徹底して、第3楽章以降の3つの楽章が連結されている。 第4楽章の「嵐」は、実質的に第3楽章と第5楽章の間の長い挿入句であり、交響曲全体の中で果たす役割は、ソナタ形式の展開部の機能に似ている。このことは、ベートーヴェンは田園交響曲においてソナタ形式の構成を作品全体に拡張しようとしたともいえる。

なお、ブライトコプフ&ヘルテル社は初版パート譜作成時、第1・4・5楽章の表題をベートーヴェンから送付された原稿の形から改変し(第4楽章では「雷donner」を「雷雨gewitter」とするなど)、原稿や直筆スコアのニュアンスを率直に伝えていない。この書き換えは旧ベートーヴェン全集、オイレンブルク版スコアやリプリント版パート譜、21世紀に入って出版されたハウシルト校訂のブライトコプフ社新版にまで及んでおり、デルマー校訂のベーレンライター版、ヘンレ社=ドゥフナー校訂の新ベートーヴェン全集版はベートーヴェンが関与した手稿に立ち戻っている。

第1楽章

「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」。アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ヘ長調、4分の2拍子
ソナタ形式。

第2楽章

「小川のほとりの情景」。アンダンテ・モルト・モッソ、変ロ長調、8分の12拍子
ソナタ形式。

第3楽章

「田舎の人々の楽しい集い」。アレグロ、ヘ長調、4分の3拍子[12]
複合三部形式をとり、事実上のスケルツォ楽章。

第4楽章

「雷雨、嵐」。アレグロ、ヘ短調、4分の4拍子
ティンパニ、トロンボーン(2本)、ピッコロが加わる。全曲でもっとも描写的な部分。

第5楽章

「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」。アレグレット、ヘ長調、8分の6拍子
ロンド形式とソナタ形式の混成によるロンドソナタ形式。
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