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新しい勝ち筋もある

こんな記事を拝見した。確かに、ものづくり国家・日本としては、残念な面もある。

「Apple Vision Pro」に使われている数多くの部品は、割合としては日本製が一番多いんだよという日経新聞の記事による。やはり日本企業の技術力は世界レベルなんだ。「Apple Vision Pro」が世界中に浸透した時に、「日本の技術が一番たくさん活用されているのに、なんで日本のメーカーが作らないんだ!」って思うことがあるのかもしれないが、「裏側の技術を日本企業が支えてる」ってことだけで十分に誇らしいと思っちゃうのは謙虚が過ぎるんだろうか。。

製品を作るだけでなく、「売る」には様々な過程を経ていく必要がある。そもそも、知ってもらって、良いと感じてもらって、声が出回り、共感が広がり、期待感が煽られ、購買が始まり、グルグルと広まっていく。文字で書けば簡単だけど、歴史上、いまだかつて無いほどの情報洪水の社会では、一番最初の「知ってもらう」でさえ、とてつもなくハードルが高い。それを広告で突破しようとしても、常日頃から知名度がある(ブランドが一定確立している)企業が行なうのと、知名度がない企業が行なうのとでは0が何個も付くほどに差が出てくる。常日頃からのブランド訴求にお金と時間を掛けてきた企業がやるからこそ「広告」にも効果があり、バイラルも起こる。そんな時代に、これから本格開拓されるHMDの世界市場に日本のメーカーが参入するのはあまりにリスクが大きいし、正直、無理筋だ。勝ち筋がない。

世界はとにかく広い

そう考えると、上の記事自体はそれほど悲観的にならなくても良い、新しい勝ち筋は「この製品の裏側を支えるのは日本の技術力」ということで十分ではないかなと思う。

一方では、弊社はHMDの普及、生活シーンに一般的に用いられる状態、を3年前から心待ちにしている。当初はオリジナル端末の開発という話もなかったわけではないが、様子見した結果、Quest・PICO・VIVEは何度もアップデートを繰り返し、戦略的にも「CGメタバースでのゲーム」に絞って戦ってきたが、絞ったがために一般的な普及には程遠い状況だ。AppleがメタバースやVRという言葉を一切使うことなく「Apple Vision Pro」を展開していくことは、これまでの3社の戦い方を見て、明らかに違う路線での市場開拓を目指しているように思う。弊社はあと2~3年待つことになるだろうが、結局、誰もが日常生活においてVRゴーグルを使う日が来ることは間違い無い、との確信は弱まっていない。

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