見出し画像

『稲盛和夫一日一言』 6/3(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/3(土)は、「大胆に構想する」です。

ポイント:前例のないことに挑戦するときは、自分の中に「できる」という確固とした思いがあり、すでに実現しているイメージが描けるならば、大胆に構想を広げていくべき。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、大胆に構想することの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 今まで誰も試みたことがない、前例のないことに挑戦するときには、周囲の反対や反発は避けられません。それでも、自分の中に「できる」という確固とした思いがあり、それがすでに実現しているイメージが描けるならば、大胆に構想を広げていくべきです。

 なぜなら、どんなにいいアイデアであったとしても、悲観論者である頭脳明晰な人たちに、寄ってたかってできない理由を並べられては、できるものもできなくなってしまうからです。

 構想そのものは、大胆すぎるくらいの楽観論に基づいてその発想の翼を広げ、周囲にも、アイデアの飛躍を後押ししてくれるような楽観論者を集めておく。そんな無茶なと思われるかもしれませんが、構想を練る段階では、実はそれくらい楽観的でちょうどいいのです。

 ただし、その構想を具体的に計画に移すときには、打って変わって悲観論を基盤として、あらゆるリスクを想定し、慎重かつ細心の注意を払って、厳密にプランを練っていかなくてはなりません。大胆で楽観的にというのは、あくまでもアイデアや構想を描くときに有効なのです。

 そして、その計画をいざ実行する段階になったら、再び楽観論に従って、思い切って行動に取りかかるようにする。すなわち、物事を成就させ、思いを現実に変えるためには「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが必要なのです。(要約)

 京セラフィロソフィに、「大胆さと細心さを合わせもつ」という項目がありますが、そこでは、両極端を合わせもち、それを正常に使い分けるが求められています。

 こうした両極端ともいえる性質は、一人の人間のなかにも、また組織やグループのなかにも存在しています。「自利と利他」「温情と冷酷」「合理性と人間性」「マクロとミクロ」「夢と現実」といったものもそうでしょう。

 しかしながら、「楽観的と悲観的」という性質を一人の人間が合わせもち、しかも場面によって正しく使い分けるのは至難なことです。そうであれば、組織やグループ内の人材を使い分けることで正常に機能させるのが、リーダーの重要な役目の一つということになります。

 名誉会長は、次のようにも述べられています。
 人生において何かをなそうとするときは、常に理想形を目指してやるべきであって、そのプロセスとして「見えるまで考え抜く」、つまり思いの強さを持続することが必要になってくるのです。(中略)
 またおもしろいことに、事前に明確に見えることのできたものは、最終的には必ず手の切れるような完成形として実現できるものです。それが、私が人生のさまざまな局面で、経験、体得してきた事実なのです。(要約)

 人生、なかなか思い通りにはならないものですが、その人の心の持ち方や求めるものが、そのままその人の人生を現実に形づくっていくのであれば、求めるものが実現しているイメージが明確に描けるほど、強烈に思い続けるしか道はないように思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?