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『稲盛和夫一日一言』4/5(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4/5(水)は、「いい仕事をするために」です。

ポイント:心と身体ごと、仕事の中に投げ入れてしまうほど、仕事を好きになる。いわば、仕事と心中するくらい深い愛情を持って働くことで、仕事の真髄をつかむことができるようになる。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)の中で、いかに仕事に取り組むかということについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私は、一生懸命に根(こん)を詰めて努力することの苦手な、どこにでもいるようなむらっ気のある青年だったように思います。そのような青年が、長い間ひたむきに働いてこられたのはどうしてなのでしょうか。

 それは、私が自分から仕事を好きになろうと努めたからです。「心の持ち方」を変えるだけで、自分を取り巻く世界は劇的に変わるのです。

 転職することもかなわず、やむなく未知の分野であったファインセラミックスの研究に携わることになった私は、心の持ち方を変えて「この仕事に打ち込もう」と自分に言い聞かせるよう努めました。そして、すぐに仕事が好きにならずとも、少なくとも「この仕事が嫌いだ」というネガティブな感情だけは自分の心から追い払って、目の前の仕事に全力を注いでみようと決意したのです。

 そのうち、いつのまにか私はすっかりファインセラミックスの魅力に取りつかれ、また次第にファインセラミックスという素材が素晴らしい可能性を秘めていることもわかってきて、毎日の地味な研究も輝いて見えるようになっていきました。

 なかば無理やり自分に強いて始めたことが、やがて自分から積極的に取り組むほど好きになり、さらに好き嫌いという次元をはるかに越えて、取り組むことの意義さえ感じるようになっていった。

 仕事を好きになった、仕事に惚れたからこそ、私は長い間、他人から見れば厳しいと言われるような仕事を、大した苦労とも思わずに続けることができたのです。
 自分の好きなことを自分の生涯の仕事にできる人は少ないでしょう。また、希望する会社に入ることができても、希望する職種に従事できるという人もそう多くはないはずです。

 与えられた仕事に不平不満を持ち続け、文句や愚痴ばかり言っていたのでは、素晴らしい可能性を秘めた人生を無駄にしているようなものです。
 まずは、自分の意志を強く持ち、与えられた仕事を好きになることから始めてみる。そうすることで、人生はより実り豊かなものになっていくはずです。
(要約)

 今日の一言には、「いい仕事をするためには、仕事と自分の距離をなくして、自分は仕事、仕事は自分というくらいの不可分の状態を経験してみることが必要です」とあります。

 自分イコール仕事、頭のてっぺんから足の爪先まで、どっぷり仕事に浸かっている状態、つまり、仕事に没頭している状態にまでなると、もはや好きだとか嫌いだとかいう感情で仕事をとらえられなくなります。

 私も盛和塾を通じて、「事業が軌道に乗るまでは、とにかく死に物狂いで働きました・・・」と語られる多くの経営者の方々に接してきました。

 起業2年目の私にとって、いつまでもコロナ禍を言い訳にしているわけにはいきません。働き過ぎて身体を壊してしまっては元も子もありませんが、「仕事は自分」と言えるくらいの熱意を持って臨まなければと思っています。まさに真価を問われる大事な一年になりそうです。


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