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『稲盛和夫一日一言』3/4(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3/4(土)は、「六つの精進 ④」です。

ポイント:「六つの精進」を毎日実践し続けていけば、やがて自分の能力以上の素晴らしい人生が開けていく。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、心を磨き魂を高めるための指針となるものとして「六つの精進」を上げ、それぞれ次のように解説されています。

 人生は、宇宙のとてつもない長い歴史からすれば、わずかな一閃(いっせん)にすぎないものかもしれません。しかしだからこそ、その一瞬にも満たない生の始まりよりは終わりの価値を高めることに、我々が生きる意義も目的もあるのではないでしょうか。もっといえば、そうであろうと努める過程そのものに人間の尊さがあり、生の本質があるのだと思います。

 それでは、どうしたら心を磨き、魂を高めることができるのでしょうか。
その指針となるのが「六つの精進」です。

1.誰にも負けない努力をする
 人よりも多く研鑚(けんさん)する。また、ひたむきに継続すること。不平不満をいうひまがあったら、1センチでも前に進み、向上するように努める。


2.謙虚にして驕らず
 「謙は福を受く」という中国古典の一節のとおり、謙虚な心が幸福を呼び、魂を浄化させることにもつながっていく。


3.反省ある日々を送る
 日々の行動や心のありようを点検して、自分のことだけを考えていないか、卑怯な振る舞いはないかなど、自省自戒して、改めるよう努める。

4.生きていることに感謝する
 生きているだけで幸せだと考えて、どんな小さなことにも感謝する心を育てる。

5.善行、利他行を積む
 「積善の家に余慶あり」。善を行い、他を利する。思いやりある行動を心がける。そのような善行を積んだ人にはよい報いがある。

6.感性的な悩みはしない
 いつまでも不平を言ったり、してもしかたのない心配にとらわれたり、くよくよと悩んでいてはいけない。そのためにも、後悔をしないようなくらい、全身全霊を傾けて取り組むことが大切である。

 これらを私は「六つの精進」として常に自分に言い聞かせ、実践するよう心がけています。文字にしてしまえば平凡過ぎるほどの、このような当たり前の心がけを、日々の暮らしに溶かし込むように、少しずつでもいいから堅実に実践していくこと。大切な教訓を額縁に入れて飾るばかりでなく、やはりふだんの生活のうちに実行していくことが肝要なのです。(要約)

 今日の一言で名誉会長は、「六つの精進を毎日実践し続けていけば、やがて自分の能力以上の素晴らしい人生が開けていくのではないかと思いますし、事実、私自身はそのようにして人生を歩んできました」と述べられています。

 一つひとつの項目は当たり前のことのように感じると思いますが、実際にその一項目一項目を、毎朝ブラッシュアップして日々の心がけとして意識し直すといった作業だけでも、相当な精神力が必要なのではないでしょうか。

 ましてや、それらが習い性となり、日々の何気ない言動の中にも現れるようにまでなるには、どのくらいの時間や精神修養が必要なのだろうと考えると、並大抵のことではないということだけは容易に想像できます。

 素晴らしい人生を実現するために、日々「六つの精進」を忠実に守り実践し続けること。私たちの人生は、生きている限り「修行」そのものなのかもしれません。


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