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『稲盛和夫一日一言』11/21(月)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/21(月)は、「やさしくなければ」です。

ポイント:人は強いだけの経営者に魅力を感じない。強さの中に秘められたやさしさがあってこそ、魅力あふれる、誰からも慕われる経営者になれる。 

 2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』(稲盛和夫著 京セラ株式会社編 ダイヤモンド社)で、リーダーの持つべき資質について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私が理想のリーダーとはどのような存在なのかと考えたとき、すぐに脳裏に浮かんできますのは、アメリカの西部開拓時代に登場する幌馬車隊の隊長の姿です。
 幌馬車隊の隊長が示したリーダーシップは、従来私が「フィロソフィ」として、皆さんにお話ししてきたことと同じであり、まさにリーダーに必要な要件そのもので、それは五つの項目に集約できると考えます。
(中略)
 
 第四に、リーダーは集団の「信頼と尊敬を集める」存在でなければならないと考えています。隊長には隊の中のさまざまな人々を一つにまとめ、目的地まで導いていく求心力が要求されます。そのためには、常に公平で公正な判断を下すことができ、人々の信頼と尊敬を集められるだけの、立派な資質の持ち主でなければならなかったはずです。
 そして、公正で正しい判断を下したなら、それを実行するための勇気を合わせもっていなければなりません。いかなる困難にもひるむことなく、正しいと思われることを堂々と貫くには、真の勇気が必要です。
 勇気と信念をもって目標達成に向けて邁進する、それはリーダーの重要な資質のひとつです。
(要約)

 今日の一言では、米国人作家レイモンド・チャンドラーの小説「プレイバック」に登場する私立探偵の言葉、「強くなければ生きていけない。しかし、優しくなければ生きていく資格がない」という一節を引用し、経営者の持つべき資質について、次のように述べられています。
 「強いだけの経営者に人は魅力を感じません。強さの中に秘められたやさしさがあってこそ、魅力あふれる、誰からも慕われる経営者になれるのです」

 これは経営者に限ったことではありません。みなさんの周囲を見回しても、「この人は信頼と尊敬に値する人物だ」と無条件に言える人はそう多くはないと思います。
 バイタリティはあるけれども配慮や気配りが足らないとか、逆に気遣い上手なんだけどガッツや推進力はいまいちなど、若くしてバランスのとれた人間力を獲得できている人は早々いないというのが現実ではないでしょうか。

 稲盛名誉会長は部下や盛和塾生の方々に「(部下を)惚れさせんかよ!」と言われていましたが、「人から惚れられる」とか「人に惚れる」というのは恋愛感情のようなもので、自分の経験からしても一瞬にして起こるもののような気がします。

 できることなら、「この人についていきたい」「この人のために頑張りたい」と思ってもらえるような高い人間力を身につけられるよう、枯れてしまうまでの残された日々の中、精進を続けていきたいと思っています。


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