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『稲盛和夫一日一言』11/12(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/12(土)は、「強く一筋に思う」です。

ポイント:人は自分が信じてもいないことに努力はできない。強烈な願望を抱き、心からその実現を信じることが、困難な状況を打開し、物事を成就させることにつながる。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)で、強く一筋に思い続けることの大切さについて、稲盛名誉会長は中村天風さんの言葉を引用して、次のように述べられています。

 「新しき計画の成就(じょうじゅ)は只(ただ)不屈不撓の一心にあり
  さらばひたむきに只想え 気高く強く一筋に
  よしや、かりに人生行路の中途滔々(とうとう)たる運命の濁流に
  抛(な)げこまるるとも、又不幸病魔の擒(とりこ)となることありと
  も、夢にも悶(もだ)ゆること勿(なか)れ、怖るること勿れ」

 これは、哲学者の中村天風さんの言葉で、目標を達成するために必要な心構えについて述べられたものです。新しい計画が成就するかどうかは、「不屈不撓の一心」、つまりどんなことがあろうとも、決してくじけない心にあります。
 「目標が達成できないのではないか」というような疑念を払拭し、「こうありたい」という願望を心の中に抱き、それを「気高く強く一筋に」思い続ける。そうすれば、目標は必ず達成できるのです。
(要約)

 中村天風さんの言葉の冒頭二行は、1982年の京都セラミツク(現京セラ)経営スローガンとして掲げられた言葉です。1981年定期入社で研究所に配属され、新規材料の開発に取り組んでいた私の心には、強烈なインパクトを持って刻みこまれました。

 目指すべき理想に対して、心のどこかに「それができれば最高だが、現実はそんなに甘くない。やり方によってはうまくいくのかもしれないが、途中で失敗して挫折してしまうかもしれないな」といった後ろ向きで否定的な気持ちがちらっとでも心の中に芽生えれば、物事の成就は妨げられる。
 このベースには、人は自分ができると100%信じていることに対してしか、全身全霊をかけて無限の努力をすることはできない、という考えがあります。

 確たる裏付けもなくただただ「うまくいく」と信じている人を見ると、「あの人はなぜあんなに楽観的でいれるんだろう」とあきれてしまうかもしれませんが、極限まで追い込まれた状況でもなお自分を信じ切れる人は、周囲の人が想像できないくらいの力を発揮できます。

 京セラフィロソフィの中に、「成功するまで諦めない」という項がありますが、成功するかしないかは、その人の持っている熱意と執念に強く関わっていて、何をやっても成功しない人は、何かにつけ体裁のいい理由をつけてうまくいかない自分を慰め、そして諦めてしまう。

 成功するには目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くしかありません。それには、強烈な願望を抱き、心からその実現を信じること。そうすることが、困難な状況を打開し、物事を成就させる原動力になるはずです。


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