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『稲盛和夫一日一言』9/22(木)

こんにちは!
『稲盛和夫一日一言』 9/22(木)は、「現場を熟知する」です。

ポイント:経営者は毎日現場に出て、社員からうるさがられるぐらいの現場の大ベテランにならなければならない。

2012年発刊の『京セラものづくりの心得手帳』伊藤謙介著 京セラ経営研究部編/非売品)の「現場最大・机上最小」という項を紹介します。

製造部門の技術者や管理者は、現場にいる時間を最大に、机に向かっている時間を最小に、つまり「現場最大・机上(きじょう)最小」でなければなりません。例えば、製造現場を見ずして机上だけの議論やパソコンに向かってのレポート作成に多大の時間を費やしていることがあります。机上での仕事も必要ですが、現場に足を運び、直接ものをつくっている人と対話し、現場の状態に目を配ることが大切です。現場にできるだけ長くいて、現場を素直な目で見て、少しの変化も見逃さないようにすべきです。現場をつぶさに見ていれば真の原因が分かり、その解決の糸口も見つけられるのです。常に問題点は現場にあることを忘れてはなりません。

以下若干補足します。著者の伊藤謙介さんは京都セラミック(現京セラ)創業メンバーのお一人で、永年稲盛名誉会長と一緒に仕事をされてきた方です。1989年より京セラ5代目社長を10年間務められた後、会長を経て2005年に取締役相談役に退かれたのを機に、京セラフィロソフィに基づくものづくりの基本的な考え方をまとめた『京セラものづくりの心得手帳』の編纂を発案されました。

同時に、手帳に収録された各項目を、伊藤元会長自ら各工場に出向いて詳細に紐解かれた内容を編集した『京セラものづくりの心得を語る』冊子を手帳とセットで全社員に配付するという「ものづくりのフィロソフィプロジェクト」が発足。私は2006年本社秘書室経営研究部に異動し、そのプロジェクトの専任事務局を担当することとなり、その後6年間にわたって、伊藤元会長の身近なところで薫陶を授かる貴重な機会をいただきました。

「現場を熟知する」 今日の一言は、まさに創業以来、稲盛名誉会長が日々実践されてきたものです。以来、京セラでは「現場主義に徹する」ことが大切にされてきました。私も入社間もないころから、上司や先輩から「もう現場に行ったのか!」「不良の現物をよく見たか!」「現場のメンバーとはしっかり話をしたか!」など、問題が起こるたびに厳しく指導されました。

「現場・現物を見もしないで、不具合の原因がわかるはずがないじゃないか!」これは、なにも製造現場に限った話ではありません。劇場版『踊る大捜査線』(THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間)の名セリフ、「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」はまさに真実だと思います。



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