見出し画像

『稲盛和夫一日一言』 3月4日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月4日(月)は、「六つの精進 ④」です。

ポイント:「六つの精進」を毎日実践し続けていけば、やがて自分の能力以上の素晴らしい人生が開けていくのではないか。それには、「六つの精進」を忠実に守っていくことが大切。

 2010年発刊の『六つの精進』(稲盛和夫著 サンマーク出版)で、「六つの精進」が素晴らしい人生をもたらすとして、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 盛和塾のみなさんにまだ「稲盛経営十二ヶ条」についてお話をする以前のことですが、立派な経営をしていくために、また素晴らしい人生を過ごしていくためにも必要なものとして、「六つの精進」についてお話をしたことがあります。

 この「六つの精進」は、企業経営をしていくうえでの必要最低限の条件であるとともに、人間として素晴らしい人生を生きていくために守るべき必要最低限の条件ではないかと思います。
 「六つの精進」を毎日実践し続けていけば、自分の能力以上の素晴らしい人生が開けていくのではないかと思いますし、事実、私自身はそのようにして人生を歩んでまいりました。

 素晴らしい人生、幸福な人生、平和な人生を送りたいと思うならば、また立派な企業経営をしたい、社員に喜んでもらえるような素晴らしい経営をしたいと思うならば、この「六つの精進」を忠実に守ることが大切です。

 素晴らしい経営を行い、幸せな人生を生きることは、けっして難しいことではありません。この「六つの精進」を守りさえすれば、むしろやさしいことではないかと、私は思っています。(要約)

 本著は、2008年7月に行われた「盛和塾全国大会」での塾長講話をもとに編集・出版されたものです。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、心を磨くために必要な「六つの精進」として、名誉会長は次のように説かれています。

 心をよい方向に高めて、能力のみならず人格ある人間を、賢い人間であるだけでなく正しい人間をめざすべきであるのは、どんな人間でも変わりはありません。
 それは生きる目的、人生の意義そのものであるといってもいいものです。なぜなら、私たちの人生とは、私たちの人間性を高めるためのプロセスに他ならないからです。

 では、どうしたら心を磨き、魂を高めることができるのか。それにはさまざまな方法やアプローチがありますが、私は自らの経験から次のような「六つの精進」が大切ではないかと思い、まわりの人に説いてきました。

 ①誰にも負けない努力をする  誰よりも多く研鑚する
 ②謙虚にして驕らず  謙虚な心が幸福を呼び、魂を浄化させる
 ③反省ある毎日を送る  自分の行動、心のありようを自省自戒する
 ④生きていることに感謝する  小さなことにも感謝する心を育てる
 ⑤善行、利他行を積む  「積善の家に余慶あり」
 ⑥感性的な悩みをしない  いつまでもくよくよと悩んだりしない

 文字にしてしまえば平凡すぎるほどの、このような当たり前の心がけを、日々の暮らしに溶かし込むように、少しずつでもいいから堅実に実践していくこと。大仰(おおぎょう)な教訓を額縁に入れて飾るばかりでなく、やはりふだんの生活のうちに実行していくことが肝要です。(要約)

 貧しい時代の日本を生きた人にとって、人生や仕事に対して、できるかぎり誠実であること、手を抜くことなく、まじめに一生懸命に働き、生きるといったことは、何も格別なことではなかったように思います。
 自分の両親や周囲の大人の人たちを見ていても、根底にはそうした道徳観があったように思います。

 時代は昭和→平成→令和と移行し、昭和前半生まれの私たち世代にとっては、今を生きる若い人たちの人生観、道徳観はもはや隔世の感があるのは否めません。
 だからこそ、世の風潮に流されることなく、残りの人生を人一倍丁寧に、一生懸命に生きる。今後とも、そうした姿勢だけは持ち続けていきたいと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?