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『稲盛和夫一日一言』 6/23(金)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/23(金)は、「弱点を受け入れる」です。

ポイント:自分の弱点を否定するのではなく、それをあるがままに受け入れて向上のステップとする。できないことはできないと認めて、そこからスタートすればよい。

 1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす ー素晴らしい人生をおくるためにー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)の中で、できないことを認めることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私は鹿児島から出てきて京都の企業に就職したのですが、方言しかしゃべれない田舎者だということで、非常に苦しんだ経験があります。
 そのような劣等感を持った場合、それがそのまま人生の挫折につながってしまうタイプの人がいます。しかし、私はその劣等感を素直に受け止めたため、挫折することはありませんでした。

 「自分は田舎者だ。世間知らずで常識もない。大学は出たけれども田舎大学だし、都会の一流の大学を出た人とくらべれば、実力もなさそうだ。それなら、基本的なところから勉強するしかない」と考え、さらに一生懸命仕事に打ち込みました。
 つまり、劣等感と格闘するのではなく、劣等感を素直に受け止めた。そのことが心を軽くし、努力を始めるステップとなったのです。

 自分ができないことを、できるようなふりをするのではなく、できないことはできないと素直に認めて、そこからやり直す。
 社会人になったとき、私はそのように考え、その後の人生においても努力を続けてきました。
(要約)

 今日の一言には、「劣等感にさいなまれず、自分の欠点を素直に受け入れ、それを克服する努力をしなければならない。自分の弱点を否定するのではなく、それをあるがままに受け入れ、向上のステップとしなければならない」とあります。

 誰しも、自分の欠点、弱点をさらすのは、程度の差はあれ、心の痛みを伴う、できれば避けて通りたい行為ではないでしょうか。

 京セラフィロソフィに「能力を未来進行形でとらえる」という項目があります。名誉会長はその項目の紐解きの中で、次のように述べられています。

 「能力を未来進行形でとらえる」という項目は、「人間の無限の可能性を追求する」という項目と対をなしています。
 現在の能力をもって、できる、できないを言うことは誰でもすることです。しかし、それでは新しいことや、より高い目標を達成することなどできるはずはありません。
 ここで言いたいのは、「人間の能力は、未来に向かってどんどん伸びていくことを前提として、自分の人生を設計しなさい」ということです。

 大半の人は、「それは無理です。できません」ということを、いとも簡単に言ってしまいますが、それは、現在の自分の能力で考えて、できるかできないかを判断しているからです。「何もできません」などと言わず、とにかく努力を始めることです。
 現状だけで自分を評価してしまうのは、あまりにも惨めです。能力というものは未来に向かって開花していくものだと信じ、努力していきましょう。
(要約)

 いいかっこうをしたり、見栄を張ったり、ひたすら隠したりと、自分の見せたくない部分に蓋をすることに労力を割いていると、精神的なダメージも相まってクタクタになってしまいます。
 その根幹にあるのは、我欲、私欲であり、痛い目を見たくないという自分かわいさの感情です。「自分が一番かわいいと思うことのどこが悪いんだ」という意見はあるとは思いますが、いくら自分の欠点、弱点を隠そうとしても、実は周囲にはとっくにバレバレという経験をされた方も多いでしょう。

 まずは、自分の欠点、弱点を素直に受け止め、克服できそうなものであればひたすら努力をする。またどうにも変えようがないものについては、「これも自分のアイデンティティのひとつだ。自分は自分だ」と考えてこちらもあるがままに受け入れる。
 そうすることで心は軽くなり、前を向いて一歩踏み出すことができるようになるはずです。


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