ストリートダンサーが就活で苦労する理由。

初めまして。ニノミヤです。

僕は、高1からストリートダンスにのめりこみ、大学院卒業までの9年間ひたすらに踊っていました。

ジャンルはブレイクダンス。
ヘッドスピンに代表されるアクロバティックなイメージのあるダンスですね。
ブレイクダンスはユースオリンピックの新種目になりましたが、日本人が活躍していることをご存知でしょうか。
ユースオリンピックの新種目ブレイクダンスにて女子が金メダル、男子が銅メダルを獲得!】(もっと知ってほしいな〜)

この投稿では、そんなストリートダンサーに対する世間のイメージと実態が乖離していること、認知度の低さがどう就活に影響してくるのか、ということを実体験を基にざーーっと話します。

※因みにですが、ダンスを言い訳に使いたいのではなく、ダンスの世界をわかってほしいのです。

1. ストリートダンサーのイメージと実態
2. 「学生時代に頑張ったこと」
3. まとめ
4. その他

1. ストリートダンサーのイメージと実態
ストリートダンサーと聞くと、どんな人を思い浮かべるでしょうか。

「遊んでいる(チャラい)」「ガラが悪い」「喫煙や騒音が迷惑」

どちらかというとネガティブなイメージではないでしょうか。
けれども、実態は異なります。
(自分自身がストリートダンサーなので、少し贔屓目に書いているきらいがあるかもしれませんが、ご容赦ください。)

僕が9年間のストリートダンス生活を通じて触れ合った人々は、

「堅実」「やさしい」「人としてしっかりしている」(「だけど確かにどこかチャラい(笑)」)といった人となりの持ち主ばかりでした。

なぜ、世間の意見とダンサーの意見がここまで異なるのか。それはダンスという競技の認知度や理解度の低さにより、断片的な側面のみが強調されることに原因があります。

そもそも、”ダンスをする”人は2パターンに別れます。
・ストリートダンスに打ち込む人
・クラブで踊る人

前者はスポーツ(≒競技)としてのダンスに惹かれ、サッカー部やバスケットボール部が部活動に打ち込むのと同様に、ダンスコンテストや大学別のバトルなどで勝利すること、ダンスそのものを楽しむことを目的に活動しています。ダンスを生業としている人もこちら。

後者は、ダンスはあくまで手段であり、ダンスを通じて他の目的(≒クラブで楽しむ等)を達成するために活動しています。
(これら2つは完全に分類されるわけではなく、双方の目的を持っている人ももちろんいます。そして、どちらが良い悪いという話ではありません。)

世間で取りざたされるのは後者がメインですよね。
逆に前者のダンサーはあまり派手な活動はしないため、日の目を浴びることはあまりありません。
そういった些細なところから、「ダンサーはチャラい」といったイメージが定着していくのです。

ちなみに、僕の周りのダンサーは、「クラブ・ミュージックはイケてないからノレない、踊りづらい」と言い張ってクラブには行きません。僕もです。EDMに代表されるクラブミュージックは特にbboy(ブレイクダンサーのこと)にとって苦痛でしかありません。笑

ここで、『前者に属するダンサーは「堅実」「やさしい」「人としてしっかりしている」「だけど確かにどこかチャラい(笑)」です』といった、ダンサーを特別扱いするような主張を展開するつもりはありません。

感の鋭い方であればお気づきかと思いますが、
【「堅実」「やさしい」「人としてしっかりしている」】という要素は、
スポーツマンだったら誰でも当てはまるものだからです。

ダンスも一つのスポーツであり、ダンサーもれっきとしたスポーツマンです。
サッカー選手や野球選手が愚直に練習して上達するのと同様、ダンサーも努力しています。
ダンスの認知度が低いがゆえに、”ネガティブな”側面のみに着目されるため、本質を見られていないわけです。

先日、人事の知り合いに「ダンサーって優秀なん?」と聞かれて、内心穏やかではありませんでした。
なぜ、「ダンサー」というくくりにされるのか分からないからです。

では、前者に関して、大学生に限定して詳しく述べたいと思います。
大学生のダンスシーンは「関東大学学生ダンス連盟Σ」「東京六大学ストリートダンス連盟」「SYMBOL 関西(関西大学生ストリートダンス同盟)」「九州大学生ストリートダンスサークル連盟SENSE」等に代表される大学別のもの、「BUZZ STYLE」「BIG BANG!!」などの全国大会があります。

◆ BIG BANG!! TOKYO に出場した様子

基本的に関東・関西・九州など主要都市の大学生は、大学のサークルと、上記の連盟に所属して活動します。
活動頻度は人によってまちまちですが、サークルのイベントが年に6回程度(新歓、夏前(新規加入生込みのイベント)、学祭、卒業公演、夏休み/冬休みのイベント)。
連盟のイベントが年に2回程度(地区別予選、各連盟での決勝戦)かと思います。
※もちろん、サークルや連盟によって異なります。

上記の活動に加え、サークル外でチーム(クルー)を結成し、BUZZ STYLE や BIG BANG!!、DDなどの大学の枠を超えたコンテストに出場する人もいますが、各サークル人口の10%程度の割合かと思います。

因みに僕は、サークルの代表に従事し、SYMBOL関西のショーケースにもサークルを代表して参加。サークル外でもチームを結成してBUZZ STYLEやBIG BANG!!にチャレンジしていたので、毎月何かしらのイベントがある状態でした。週に3回オール練(ダンススタジオを貸し切って徹夜で練習する)なんてザラにありました。

こうした活動を経て、ストリートダンサーはおおよそ大学3年生の冬頃にサークルを引退します。

その後、待っているのが就職活動なのです。

2. 「学生時代に頑張ったこと」

『学生時代に頑張ったことはなんですか?』

(「そんなもの、ダンスに決まっている・・・」)

「ストリートダンスです。ブレイクダンスをやっていて、独学で全ての技を身につけることができました。BUZZ STYLEという大会で全国大会5位という結果を残しました。」

『そうですか。それってどれくらいすごいんですか?』

・・・こういったやり取りはダンスサークル経験者で就職活動を終えた方であれば、記憶に新しいでしょう。

ストリートダンスは得てして理解されづらいのです。
その上、1章で述べたように、"ネガティブ"なイメージがあるため、「ダンスを頑張った」というだけで人事が怪訝そうな表情に変化していくことが明確に見て取れます。

お分かりの通り、ストリートダンサーが就職活動で苦労する理由は1章で既に述べたことに起因します。
ダンスに対する偏見、結果の分かりづらさ、プロセスの伝わらなさ、など複数の要素が絡み合って、就職活動では中々自分の本質を伝えられない。

ダンスに対する偏見は先に述べたので、結果やプロセスについて述べましょう。

◆ BUZZ STYLE Finalに「Babyrousa」というチームで出場

● 結果の分かりづらさ
「BUZZ STYLE Final(全国大会)で5位」
 これを聞いて何がどうなっているのか、理解できる人は実際にダンスを経験した人だけでしょう。
 「甲子園に1軍で出場しました」「インターハイ4位です」という主張のほうが、結果が分かりやすいし、そのプロセスも想像しやすい。
ゆえに人事は追加質問がしやすく、その学生の本質を見抜くことができる。

――――「BUZZ STYLE は全国の大学生の大学生による、大学生のためのストリートダンス大会です。東北・東京・名古屋・大阪・広島・九州と全国6地区で予選が開催され、各予選の上位3チームのみが年度末に開催される全国大会への出場権が与えられます。 各地区予選は約15〜25チームが参加するので、倍率は6倍程度の規模です。」
 どうにかこうにか伝えるために、ダンスのこと、BUZZ STYLEというダンスコンテストのことを詳細に伝える。

これでも何故か伝わっていない感じがする。
その正体はやはり”ダンスに対する偏見”かもしれない。

(『ある程度の規模のイベントのようだけど、所詮ダンスのコンテストよね・・』)

人事担当者はこのように思っているに違いない。
ダンスは"スポーツ”だと認識されていないのだから。


◆ BUZZ STYLE の OPENING 動画(感動します。泣きます。)

● プロセスの伝わりづらさ
『結果については分かりました。その結果を出すまでの過程でどのような苦労があり、どう乗り越えましたか』

(「出た、説明しても伝わらないやつ」)

「ダンスは3分半という短い時間に各メンバーの想いと努力が詰まった刹那的な芸術作品です。7人のチーム(比較的人数多い。2〜3人くらいのチームが多い)だったので、3分半の中で7人の価値観をどう反映させるのか、かつ、観客をどう楽しませるのかといった構成を考える点で苦労しました。価値観を反映させる前に、まずは6人の目的を揃えることから始めました。コンテストで勝ちたいのか、楽しむだけでいいのか、など・・・(中略)・・・実際に踊ってみないと観客がどこで湧くのかわかりません。戦略的に小規模なコンテストに出るようスケジュールを組み、開催日から逆算して練習日を組みました。・・・・(略)」

『ありがとうございます、よくわかりました。』

今、過去の就活を思い出しながら書いていますが、だいたいこんなやりとりだったと記憶しています。

ショーケース(講演)ができるまでの過程はいかんせん伝わりづらい。
なぜなら、ダンスはサイエンス×アートであり、アートの要素が強いからです。

例えば野球だと、「打率」「得点率」などのプロセスKPIを設定し、定量的にPDCAを回すことが可能である。
ダンスには、定量的なKPIがない。

ダンスのショーケースというのは3分半という短い時間の中で、「曲の雰囲気に合わせて」「抑揚を付けて踊り・緩急を付けて踊り」「決める音で決めて」「観客に湧いてもらう・感動してもらう」という競技です。

一定のサイエンスはある。曲が盛り上がっていくに合わせて踊りもヒートアップさせていく、緩急をつけないと観客は飽きる、など。
ただし、観客の声量などは定量化できないため、やはり測れない。

チームではなく個人的な指標を見ても同様に測りづらい。というか伝わらない。
「トーマスフレア―(開脚旋回)の質が上がった」「エアーフレアーが4回転以上できるようになった」「アイソレの可動域が大きくなった」
このように言われて僕たちの努力を推し量れる人がどこにいるだろうか。

このような「分かりづらさ」「伝わりづらさ」より、
ダンサーの「学生時代に頑張ったこと」は評価されづらい。

得てして、ダンスに対する理解度が低いことに起因するのではないでしょうか。

他のスポーツと全然変わらないのに。な。

3. まとめ

さて、ここまで、僕の実体験をもとに、個人的な意見を述べてきました。
(同じダンサーでも違う意見をもっている方もいらっしゃると思います)

今後どのようにすればもっと生きやすくなるのでしょうか。
というか、そもそも、このような疑問を呈しているはなぜか。
(本エントリーを投稿しようとしたきっかけは何か。)

僕のことはどうでもいいんですが、「ダンサー」と一括りにされ、
偏見を持たれるひとを少しでも減らしたいと思ったからです。

実際、自分の世界にのめり込んでいるのでそこまで気にしている人は少ないかもしれませんが、もし悩んでいる方がいれば少しでも支えになれれば嬉しいです。

※僕は就活は苦労しましたが、嫌な思い出はなく、人事への妬み嫉みなどでこの記事を書いたわけではありません。


4. その他

僕が好きなショーケースの動画を貼っておきます。(大学生の動画のみ)
どのショーケースもクオリティが非常に高いです。

よかったら見てみてください。
泣けますよ!知り合いも出てます!



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Satoshi Ninomiya

コメント3件

突然のコメント失礼いたします。
私も現在大学院生とプロ社交ダンサーという二足のわらじで就活しており、こちらの内容にとても深く共感できたため思わずコメントしてしまいました。
「それってどのくらいすごいの?」ってよく聞かれます!うまく伝えられなくて落とされることもしばしばあります笑 もっとダンサーが認められる世の中になってほしいですよね!
スキ&コメントありがとうございます!
共感いただいてとても嬉しいです。

ダンサーにとって世知辛い世の中ですね。。
ダンスだけでなく、ストリートパフォーマーの世界も同様だと思うので、情報の発信は続けていきたいです。
バビルサのメンバー見て懐かしく思いました。元気で何より!
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