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Misskeyがレターパックと与謝野晶子ばかりだと思ってる人に送る、最近のMisskeyの様子


Misskeyの使い方や構造などを知りたい方は、少し古い記事ですがこれらの記事もおすすめします。

まえがき

イーロン・マスクによるTwitterの買収、「X」へのサービス名変更から約半年が経った。投稿の閲覧数に応じて収入を得ることの出来る「インプレッション制度」の導入により生まれた「インプレゾンビ」が幅を利かせ、辟易したユーザーが多く見られるようになってきた。
そんな中、Twitterの代替と呼ばれているSNS、「Bluesky(ブルースカイ)」の招待制制度が撤廃された事が2024年2月7日に報じられた。ネット上(の一部)では早くもトレンドワードに上がり、次世代SNSへの期待が多く寄せられていた。Blueskyをはじめとした次世代SNSには様々なものがあり、ドイツ発祥の「Mastodon(マストドン)」や、メタ社が提供している「Threads(スレッズ)」などが挙げられ、そのうちの一つに「Misskey(ミスキー)」がある。Misskeyが特に注目されていたのは去年7月ごろ、つまりイーロン・マスクがTwitterからXにサービス名を変更したタイミングであった。当時は「与謝野晶子(の顔写真)」や「レターパックで現金送れは全て詐欺です」といったミームが特に注目され、その異様な様子は様々なメディアでも報道され話題となった。
あれから半年以上の時間が経つが、未だに「Misskey=与謝野晶子やレターパック」というイメージを持つ人は少なくなく、また最近ではイラストレーターの流入も多いことから、イラストSNSとして認識されている節もある。そこで、本稿執筆段階におけるMisskeyの現状や変化といった点を解説する必要性を感じ、本稿を執筆するに至った。

ここ最近のMisskeyやその周辺での主な出来事

Misskey.ioとSkebとの連携が予告される

Misskey最大規模のサーバー「Misskey.io」とクリエイターへの有償リクエストサービス「Skeb(スケブ)」との連携が予告された。

予定では3月頃の連携開始を見込んでいるとのこと。連携にはMisskey.ioのアカウントが必要になり、他のサーバーのアカウントでは連携できない点に注意したい。

Misskey.ioの運営が法人化、企業運営サーバーが出現

税金処理や運営効率化を目的として、Misskey.ioの運営会社「MisskeyHQ」が村上さんの手により設立された。これによりMisskey.ioは個人運営ではなく法人運営となっている。
Misskey.ioの他にも、テック系ポッドキャスト「backspace.fm」により運営される「misskey.backspace.fm」や、GMOパペホ株式会社の公式Misskeyサーバー「misskey.pepabo.com」、お絵かき講座パルミーの公式サーバー「misskey.palmie.jp」など、企業や団体が関与・開設したMisskeyサーバーが出現し、またMastodonでもイギリスの報道機関BBCの公式サーバー「social.bbc」が開設されるなど、Fediverse(MisskeyやMastodonの繋がりを示す言葉)において企業や法人運営によるサーバー設立の動きが出ている。
現状ではまだ招待制としているサーバーもあるが、今後の動きに注目したい。

診断メーカーがMisskey(とMastodon)と連携

おもしろ診断サイト「診断メーカー」の診断結果の共有や、連携ログインが出来るようになった。共有機能は未来情報産業株式会社によって開発・運営されている「MisskeyShare」「donshare」を利用しているもので、同時期に診断メーカーの公式アカウントもMisskey.ioに現れている。

診断メーカーの共有メニューの様子。
共有画面の様子。
使用しているサーバーを選択する形を取っている。

Misskey内でゲームが出来るように

ナビゲーションバーの「もっと!」から「Misskey Games」を選択すると選べる。

「バブルゲーム」と「リバーシ」が実装された。
バブルゲームとは、端的に言ってしまえば最近流行りの「スイカゲーム」の亜種である。特徴としては、落とすバブルの柄をお金にし、スコアを「~円」とすることが出来たり、また同様に柄をスイーツに変え、スコアをカロリー量とする、といった点が特徴であり、ユーザーによるスコアランキング機能もあるため、ユーザーによるスコア競争が白熱している。
リバーシは盤面やルールを用意されたものの中からカスタムすることが出来るようになっているのが特徴で、同じサーバーのユーザー同士で対戦することが出来る。bot側が対応していればbotアカウントとの対戦も可能だ。
どちらもMisskeyの開発者であるしゅいろ氏によって開発されたもので、一部のサーバーではサーバーのバージョンが古いため実装されていない場合があることや、サーバーの規模によってはリバーシの対戦者が居ない場合があることにも注意したい。
また現在では麻雀も開発中のようだ。

チュートリアルが実装される

新しいWebサービスを始める際には、こういった解説記事を読んで使い方を知るユーザーや、使いながら使い方を学ぶユーザーが居ることだろう。
Misskeyには操作方法を説明するチュートリアルがなく、外部の解説記事やユーザーによる使用方法の伝授が重要であった。だが最近のアップデートにおいて、Misskeyのチュートリアル機能が実装された。

チュートリアルの様子。投稿(ノート)の見方やリアクションの練習などが出来る。
チュートリアルは何度でも受けることができ、画面左上のサーバーロゴのメニューからチュートリアルを受けることが可能だ。

もちろんチュートリアルのみではMisskeyの機能を全て知ることは出来ない。ヘルプページや本稿のような解説記事などを参考にするのも重要だ。

ちなみに、最近のアップデートで実績機能も実装されたが、ある実績の解除にはこのチュートリアルの受講が条件になっている。

タイムラインにリノートの非表示機能とセンシティブノートの非表示機能が実装される

デフォルトUIの場合は画面右上の「・・・」から。
隣のロゴはタイムラインのリロードボタン。

Misskey.ioの活発さを象徴するローカルタイムライン(LTL)は同じサーバーに居るほぼ全ユーザーの投稿である。このLTLには他ユーザーのリノート(Twitterで言うリツイート(現:リポスト)も表示するため、タイムラインの流速がかなり速くなってしまう。そこでリノートを非表示にする方法が模索されたが、カスタムCSSと呼ばれるやや専門的な方法を使う必要があった。
現在ではアップデートで最初からリノート非表示機能が実装されたため、専門的な技術や知識を必要とせずにリノートを非表示にし、LTLの速度を落とすことが出来るようになった。LTLの速さに目が回るユーザーにはもってこいの機能である。
またセンシティブ投稿の非表示機能も実装(現状ではデフォルトUI限定)されている。センシティブ投稿が多過すぎると思った際はこちらも活用するといいだろう。

検索性能が向上

検索機能が前よりも使いやすく改善されている。画面左のナビゲーションバー(の「もっと!」)から開ける検索機能のレスポンスが向上し、情報収集やエゴサーチが比較的行いやすくなっている。またチャンネルの検索機能も実装され、好みのコミュニティを探しやすくなった。ただし、Twitterほどの検索性能は望めず、使い勝手が悪い部分もあるため過信しない方がよいのは前と変わらないので注意が必要だ。

余談だが、LTLに慣れるのが難しい場合や、同じ趣味を嗜んでいる他のユーザーを探して交流したい場合はチャンネル機能を活用するのがおすすめだ。好みのチャンネルがない場合は自分で作ることも可能(ただしなぜか削除ができないので注意)だ。

Misskey.ioのチャンネル選択画面の様子。

Misskey.ioの一部で「キャラパキチョコ」が流行る

キャラパキチョコとは、恐竜やキャラクターの形に形成されたパフ入りのチョコレートを割り、キャラクターを取り出す遊び要素のあるチョコレートである。詳しくは下記URLをチェックしてほしい。

誰が最初にやりだしたのかは不明だが、早い話がキャラパキチョコをいかにきれいに割れるか、というもので、筆者もわざわざ買って試した。流石にレターパックや与謝野晶子ほどの熱狂的な盛り上がりではないものの、一部のユーザーにより熱心なチャレンジが日々行われている。#Misskeyキャラパキ部 などのハッシュタグも注目だ。

あとがき

Misskeyでは日々新しい機能や既存の機能の改善が行われており、本稿で紹介した変化や出来事以外にも様々な変化があった。
まだまだMisskey=Misskey.ioという誤解を抱くユーザーも少なくなく、またMisskey.ioへのイラストレーターの大量流入の影響か、Misskey.ioはイラストレーター向けSNSとしての性質が日に日に強くなっているように感じる人も多いようだが、イラストレーターでなくても激しい歓迎があるので気軽に登録してよいだろう。話し手クリエイターになれないのなら聞き手リアクションシューターになるのも一興だ(ちなみにルビ機能もMisskeyに実装済み)。Misskey.io以外にも魅力的なサーバーは多い。気が向いたら他のサーバーにもアカウントを作るのも手だろう。
本稿がよきFediverseライフを送るためのテキストとなることを、切に祈るばかりである。


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