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【書籍紹介】反脆弱性

続けての投稿ですが、実は今日紹介していた「ファスト&スロー」とこの「反脆弱性」はこの2年間のベスト3くらいに入る本です。世の中のすべてに対して想定外のトラブルやハプニングが起きることを前提として、それでも上手くやり通せるような(むしろ打たれることを推進力にしていく)思想が「反脆弱性(antifragile)」とでも言いましょうか。「完全を目指さない」ことや「とにかく試行錯誤しまくる」といった自分の生き方・働き方全てに今繋がっている本です。おすすめですよ。

1.半脆弱性(上)ナシーム・ニコラス・タレブ 

最初とっつきにくくかったのですが、後半のめり込むように読みました。印象的だった言葉は「失敗は次の行動に向けた情報でしかない」「講釈は常に試行錯誤の後付け(鳥に飛び方を教えた学者はいない)」等。
幅広い分野の「反脆さ(外力により強くなる性質)」の話を読んで思うのは、「心身ともにダウンサイドリスクを減らして(生活とか気持ちの立ち位置を控え目にして)、オプションを持って、失敗ありきでとにかく行動して、一時的な失敗や環境変化を推進力に変えていく繰り返し」のような働き方、生き方を今の延長で目指していったらええなということです。

組織運営の話でも、まんべんなくリスクの手当てをしてても想定外のリスク(=ブラック・スワン)で吹っ飛ぶような「頑丈で脆い」組織はアカンという話もそらそうやなという感じでした。ブラック・スワンありきの組織運営、自分への落とし込みはもう少し考えます。(17.9.3)

2.半脆弱性(下) ナシーム・ニコラス・タレブ

下巻。正しい答えを導く議論でなく小さな間違いを含んだ繰り返しの行動が価値を産むこと、長い年月で淘汰されずにきたものの知恵(≒ヒューリスティック)を尊重すること、会社や個人による利己的な押し付けは淘汰されるに決まっていること、等が印象的でした。上巻から同じメッセージの繰り返しではあります。(17.9.10)

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