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休日のプリン

5月1日(金)。晴れ。あっという間に5月だ。もう夏の気配がする。私の1番好きな春は、いつも一瞬で過ぎ去ってしまう。

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今日はふたりとも休み。コロナの影響で私は仕事が減り、恋人はほぼ休業状態。生活がやっていけるのか、先の見えない不安に押しつぶされそうになる。でもなんとか生きようね。

朝はホットサンド、具はツナマヨコーン。最近買ったグリルホットサンドメッシュが大活躍している。

直火で焼く食パンはカリッカリで最高だ。

朝ごはんのお供は「タリーと私の秘密の時間」という映画。子育てに奮闘する母とその家族の物語。この作品のために、主演のシャーリーズ・セロンは体重を18kg増やしたらしい。

映画を観ながら「私たちは絶対に子育て無理だよね」と話す。私は小さい子は好きだが、産む気力も育てる自信も全くない。恋人は小さい子が好きではない。

そもそも同性同士だから「私たちの子ども」は出来ないのだが、それでいい。私たちの求めている幸せはそこにはない。

女性にとっての幸せが、結婚して子どもを産んで家庭を築くこと、だけだとは私は思わない。選択肢の一つに過ぎない。

色々考えさせられる作品だった。

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観終わって、私はプリン作りに取りかかる。同じく今日作ると言っていた友人は、全ての作業が済んで、あとは冷ますだけだという。

電子レンジを使ったマグカップでできるレシピで作ろうと思っていたが、気分的に鍋に湯をはって作ることにした。容器はちょうど良いのがなかったから、バターケースを使う。

カラメルソースを作る。砂糖と水を火にかけて、色がつくまでじっくりと煮つめる。これが意外と難しくて、水が少ないと固まるし、ほんの一瞬気を抜くと焦げる。

2度失敗した。

3度目の正直、ほろ苦くて良い香り、濃い色のカラメルソースが完成する。バターケースに流し込んで冷ます。

つぎにプリン液を作る。牛乳と砂糖を火にかけて、沸騰しないように温めて、粗熱をとる。

その横で卵をボールに割り、泡立たないように混ぜる。バニラエッセンスを数滴。バニラの香りが大好きだから、少し多めに入れた。

牛乳と卵を混ぜたものを茶こしで漉してから、カラメルソースの入ったバターケースに流し込む。

鍋に布巾を敷いて、アルミホイルでフタをした容器を入れて、3/2くらいまでお湯を注ぐ。鍋のフタをして弱火で30分、火を止めて10分蒸す。

プリン、なかなか手が込んでいる・・・

もっと簡単にできると思っていた。何事もやってみないと分からないものだ。

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プリンを蒸して、粗熱を取って、冷蔵庫で冷やす、の作業をしている間、恋人がパパッと昼ごはんのパスタを準備してくれる。

ツナとトマトのソースを作るというから、ツナは朝食べたよというと、じゃあベーコンね、あ、でも少ないからハム…いや、ミートボールね。と二転三転。

そういえばルパンに出てこなかったっけ、ミートボールとパスタ。なんか特別っぽい。

私は何においても時間がかかるのに対し、恋人は手際が良い。特に料理は。

ミートボールパスタを食べながら「スラムドッグ$ミリオネア」を観る。スラム出身で教育すら受けていない18歳の少年が、次々と難問をクリアし高額の賞金を手にしていく。そこに至るまでのバックグラウンドに、胸を打たれた。

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観終わって、冷蔵庫でねむるプリンの様子を見ると、ちょうど食べ頃。お皿に返すときにカラメルソースが少しこぼれた。

見た目はまるで茶碗蒸しだ、穴がボコボコだし、決して綺麗ではない。でも味は美味しい。恋人が「カラメルの苦味が良いね、パクパク食べられちゃう!これ好き!」と喜んでいた。成功だ。

「夜に残しておこうよ」と言われて、それもまた特別っぽくて、いい。

この日記を書く横で、恋人はすよすよ眠っている。お腹いっぱいだし、暖かいもんね。

夜は何を食べながら、何を観ようか。





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