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続編映画の最高傑作誕生 トップガンマーベリック

公開初日に見ました。トップガンマーベリック。

2日経って落ち着いて、自分の中での評価が定まってきました。

本年度の最高傑作。
これ以上の映画に出会えれば嬉しいけれど、経験上、今年は多分ないです。

そして、映画史上、続編映画の最高傑作でもあります。

正確には、ターミネーター2と並ぶ、続編映画の最高傑作。(私的評価)

これにはちょっと注釈があって、あらかじめ三部作として作られたような映画は除いています。
たとえばスターウォーズ「帝国の逆襲」は、これらより少しだけ上と思いますし、「ダークナイト」は、同じくらいと思います。

まぁ、このレベルになってくると些細な差で、

エイリアン2
ターミネーター2
ゴッドファーザー2
帝国の逆襲
ダークナイト
トイ・ストーリー2
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

あたりが光り輝いている、「続編映画の金字塔リスト」に、ダークナイト以来、約20年ぶりに新しい作品が加わったと言えるでしょう。

以下、私の感想には、ある程度のネタバレを含んでいますので、未見の方はご注意ください。

未見の方は、映画館で早めに見たほうが良いですよ !

高評価の理由の基本は、

「映画というウソの中に、本物がたっぷり入っているから」

ここまで本物が入っているフィクションの映画は、まずないです。

たとえば、若手俳優が戦闘機のGで苦しむ姿は、マジで戦闘機に乗せられて苦しんでいるはず。

また、アイスマンとマーベリックの久しぶりの再会。
ここで行われているのは演技です。ウソです。
ウソなんだけれど、闘病による著しい老化と、闘病による発声障害は本物。
トム・クルーズのヴァル・キルマーへの愛情と敬意も本物。
ファンのアイスマン=ヴァル・キルマーへの想いも、本物です。

どこまでがウソで、どこからが本物か。それは当人たちにもわからないでしょう。

追記 ハングマン役の役者は、ルースターのオーディションに落ちて、別役をオファーされたそう。ここも、作中の役割(ルースターの補欠)とかぶっており、「本物」の部分です。

2.

その次にいうと、
「予想通りやって、期待に応えた」部分と、
「予想を超えて、期待を超えた」部分のバランスが理想的。

たとえば、イキりまくりながらも突撃部隊への選出にもれた男。

本作は「彼」について、彼が助けにくるフラグをビンビンに立てまくりました。

もちろん、彼は大ピンチに助けに来た。

「やっぱりな~、でもそれでいいや」

ここ以前の意外な展開については、「え、そうくるの?」「そこまでやるの?」「まだやるの?」となりました。

3.

3つ目は、シンウルトラマンやマーベルシネマティックユニバース、ディズニースターウォーズ、伏線回収系のバトル漫画のように、
「ウソばかりのコンテンツを、ウソとわかった上で、重箱の隅を楊枝でつついて楽しむ」みたいなコンテンツに慣れてしまって忘れていた、
本物の映画の楽しさを思い出させてくれたから

「そうだった。映画って、本当はこうだったんだ。
本物の映画って、こういうのだった」


余談

シンウルトラマンについては、道理にかなった批判をした人たちの揚げ足を取るように、擁護派が、
「監督は樋口真嗣であって、庵野秀明ではない。庵野秀明に責任はない」
みたいに責任の所在を細分化して、信奉するクリエイターを擁護するような物言いが、ファンの間で行われていました。(本人はそんな低次元なことは言わないと思いますが)

ところで、このトップガンマーベリックの監督はジョセフ・コシンスキーさんです。

そして、本作を見た人はコシンスキーさんの存在を忘れ、ほぼトム・クルーズ、次にジェリープラッカイマーを称賛しています。

( この二人を「トムとジェリー」と通称するのは上手いなと思いました。)

ですが、もし本作が失敗作に終わっていたとしても、「監督はコシンスキーだから、トム・クルーズに責任はない」なんて、些細でつまらないことを言うマニアは、居ないと思います。

責任は役職で決まるものじゃない。

それを「監督は樋口真嗣であって、庵野秀明ではない。庵野秀明に責任はない」みたいにぐだぐだいってる時点で、お察しです。

映画なんだから、作品の出来で黙らせればいい。ファンやマニアの擁護や、パンフレットに書いた言い訳ではなく、作品の力で黙らせてください。
トップガンマーベリックがそうしたように。

END

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