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Radiotalkのノリが『ダウンタウンDX』でも活きた【アンゴラ村長さん(にゃんこスター)インタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『アンゴラ村長の「メロン街2丁目で待ち合わせ」』を配信するアンゴラ村長さん(にゃんこスター)にフォーカスします。

お笑いコンビ・にゃんこスターのボケを担当しているアンゴラ村長さん。現在は毎週日曜日の23時からのライブ配信を精力的に行い、リスナーさんと楽しくコミュニケーションが取れる場を確立しています。

アンゴラ村長シングル 宣材写真

そんなアンゴラ村長さんですが、Radiotalkを始めた2019年頃は「自分ができることはなにもないのかもしれない」とすごく落ち込んでいた時期だったと話します。それでも配信を続けることで、「自分はこういうことをやったら面白いんだ」ということが見つかってきたそう。その大きなきっかけになったのが、親とも友人とも違う距離感を持つ”リスナー”の存在でした。

(取材・文/ねむみえり

自分が面白いと思ったことを、しゃべって試す場に

ーーRadiotalkを始めようと思ったきっかけは?

アンゴラ村長:Radiotalkを始めた2019年は、すごく落ち込んでいた時期だったんです。テレビとか沢山出させていただいてたんですけど、自分がしゃべって面白いことってなんなんだろうとか、自分にできることはないのかもしれないな、と思うぐらい結構落ち込んでいて。

そんなとき、街裏ぴんくさんがRadiotalkで漫談をがっつりやってるのを聴いて、かっこいいなって思って。それでRadiotalkに興味を持ちました。

私が普段ネタをするとき、「目の前のお客さんにちゃんとウケなきゃ」という思いが強いんですけど、Radiotalkだったら、ウケとかよりも自分の世界観とかを出せる場なんじゃないかと思って。何もしないよりはやってみるか、という感じで始めてみました。

ーー第1回目のトーク『ボールペン』からも、アンゴラ村長さんの世界観をすごく感じました。

アンゴラ村長:絵本みたいな内容を最初は書いていたんですよね。それこそ『ボールペン』とかを書いてみたら、「私って文章書くの、得意なのかもしれないな」と思ったりして。いま読み返したら拙い文でお恥ずかしいんですけど、自分の中では、自分って捨てたもんじゃないな、こういう文章が書けるんだなって、すごく自信になりました。

ーー物語の朗読を思わせる独特の口調が印象的だったのですが、それは“書き言葉”だったからなんですね。

アンゴラ村長:そうですね。あらかじめ文章を書いて、それを朗読するかたちでやっていました。今しゃべっている感じでやるほうが天才感あるかなと思って、これまで言ってなかったんですけど(笑)

ーーかと思えば、普通のトークをしている回もありますね。

アンゴラ村長:最初、物語を書いて読んでいた時期は、ただ趣味でやってたんで、2ヶ月に1回とか更新のペースが遅かったんです。

でも、Radiotalkってラジオなんだよな、ってことに気付いた瞬間があって。そういえば私、フリートークとか全然自信ないなってことを思い出して、自分の面白いと思ったことをしゃべって試す場にしようっていう気持ちがどこかで生まれたのかもしれないです。

ーー収録トークのテーマは、どのように考えていましたか?

アンゴラ村長:収録トークのときは、1週間のあいだに「これって、こうだよな」と思ったことを膨らませていました。物語の朗読の形ではなく、エピソードトークをするときも、一度文章で書いてたんです。

話の展開とか、ここはこうやったほうが面白い、というポイントをまとめて書いたりしていたので、結構大変でしたね。ネタだったら3分とか、長くても5分とかなんですけど、収録トークは12分あるんで、原稿として書くと3時間ぐらいかかったりしてました。

ーー3時間も! すごく丁寧に収録トークに向き合われていたんですね。

アンゴラ村長:そうですね。おしゃべりすることに自信がなかったので、とにかくできるだけ面白い単語を盛り込もうとか、自分なりに試行錯誤していました。

ーー『32、「太った?」は聞くフリをして傷付けている』『39、ブスとかババアとか言わなくなった日』など、アンゴラ村長さんが感じていることをご自身の言葉で素直に話される様子が印象的です。

アンゴラ村長:たぶんその頃は、『ワイドナショー』(フジテレビ)とかのコメンテーターになりたかった時期ですね(笑)

いろんなおしゃべりをさせてもらう中で、心から思っていることがないとパッと言えないなという実感があって、そういう基礎をRadiotalkでしゃべることで作ろうとしていたんじゃないかなと思います。

「芸能界で頑張るクラスメイト」という距離感で

ーーアンゴラ村長さんがリスナーからの質問に答えるコーナーが人気ですね。こちらはどういうきっかけで始まったのでしょう?

アンゴラ村長:いわゆる地上波のラジオ番組ってどういう形なのかな、と考えたとき、リスナーさんとの交流があるなと思ったんです。これまで、とっさに言われたことへの“返し”に自信がなかったんですが、リスナーさんから「これどう思いますか?」と聞かれたことに対して答えていくことで成長できるんじゃないかと思って、始めました。

ーーライブ配信でリスナーさんとコミュニケーションをとるときに、何か気を配っていることはありますか?

アンゴラ村長:一番気をつけているのは、自分はカリスマじゃないんだぞ、っていうことですね。私の中では、浜崎あゆみさんとかローラさんとか齋藤飛鳥さんがカリスマなんですけど、自分はそういう存在ではなくて、どっちかっていうと、クラスメイトが芸能界で頑張ってるみたいな、そういう存在だと思っているんです。

隣の席の子とか、一緒に給食食べる子が頑張ってる、みたいなスタンスでやりたいので、ライブ配信を聴きに来てくれる人の名前を覚えたり、コメントをできるだけ読んだりするようにしていますね。

アンゴラ素材③

ーーたしかに、ライブ配信では一人ひとりに対して向き合っていて、本当にクラスメイトのような距離感ですね。2022年1月30日の回はとくに……

アンゴラ村長:ただ(スーパー)3助さんの悪口を言うだけの回だったんですけども(笑)。ああいう話を友達にできないなって思ったんですよね。
友達も会社で頑張って働いているし、自分も変なプライドみたいなのがあって、「こういう収録があって」って最初から全部説明するのも恥ずかしくって。だからといって親に相談するのも違うし。それで、Radiotalkで言ってみようかなって思ったんです。

芸能に身を置く人間としていいのか分からないんですけど、私にもこんな普通の悩みがあるんだよ、っていうことが、聞いてた100人ぐらいの人に伝わればいいなと。

ーー芸能人としての顔とはまた違う、素に近いアンゴラ村長を見せているんですね。

アンゴラ村長:そうですね。もちろん、テレビで活躍したいとか、地上波のラジオに出たいという思いもあるんです。Radiotalkはそのための“実験場“というか。一番のファンが聴いているから、安心していろいろ試せる場所になっているっていうのはありますね。

Radiotalkのノリが『ダウンタウンDX』でも活きた

ーーRadiotalkでの配信を通じて、芸人のお仕事に還元できたことはありますか。

アンゴラ村長:これはめちゃめちゃありました。テレビに出始めたときに「芸人らしさ」というものを求められて、よく分からなくなってしまったことがあって。でも、Radiotalkで素を出してみたら、自分はこういうことを面白いと思っているんだ、とか、こういうしゃべり方なんだ、みたいなことが分かるようになってきたんです。

声がいいとか、これをこうやって表現するところがいいとか、リスナーさんも良いところを褒めてくれて。こういうことをやったら面白いんだ、という軸の部分を、Radiotalkのリスナーさんに形作ってもらいました。

ーーリスナーさんの言葉で、自信を持てるようになってきたんですね。

アンゴラ村長:それを実感したのが、2021年の12月ぐらいに『ダウンタウンDX』(読売テレビ)に出させていただいたときです。

今までの収録では、自分のしゃべることなんて面白いのかなとか、どうやってしゃべったら芸人らしいのかな、っていうことがすごく不安で。一言しゃべってはすぐ自分で反省して、の繰り返しだったんですが、その収録では思い切って、Radiotalkのノリで臨むことにしたんです。

今までRadiotalkでしゃべってきた自信もあるし、自分はこういうものだっていうのを貫いてみようと思って。で、自分が面白いと思う話をしたら、松本(人志)さんと浜田(雅功)さんが笑ってくれたんですよ! その瞬間、こりゃもう確実にRadiotalkのおかげだな」と思いました。

ーーそれはすごく嬉しい出来事ですね!

アンゴラ村長:「自分って何をしたら面白いんだろう」と思いながらRadiotalkを始めて、週に1回、1時間しゃべることを積み重ねてきた成果が生まれました。自分が面白いと思うことをしゃべって、自分が面白いと思ってるレジェンドに笑ってもらったことが本当に、私頑張ったなというか、Radiotalkがあってよかったなって。

Radiotalkという村の”村長”として

ーーアンゴラ村長さんにとって、Radiotalkはどのような空間ですか?

アンゴラ村長:街というか、村というか……。私はアンゴラ村長だから、村なんですかね。

23時、ライブ配信が始まったら、一気に“村民”が集まってくれるんです。そこに“村長”の私が「今週もお疲れさまでした」って、入っていくという(笑)。それで、「みんな今週どうだった? 私はこうでさ」みたいな、「みんな頑張ろうよ」って言い合うみたいな、そんな空間です。

ーー本当に、リスナーさんと近い距離にいるんだなと感じます。

アンゴラ村長:これはもう不思議な感覚ですね。友達にも言えないし、家族にも言えないし、ほんとは隠すべきことなのに、Radiotalkのリスナーさんには言えたりっていうのもあったり。

そう考えると、リスナーさんは単なる”村人”ではなくて、共にこの激動の時代を生きる同志かもしれないですね。ほんわかしたどうぶつの森みたいな回もあれば、激動の回もあったり。Radiotalkで過ごす時間は、村であり、大河ドラマなのかもしれません。

ーーRadiotalkを”大河ドラマ”と表現したのは、アンゴラ村長さんが初めてです。

アンゴラ村長:大河ドラマで描かれてる時代って、いつも大変だし、いつも戦ってるじゃないですか。自分の中でも、いつも戦ってて、めちゃめちゃ失敗することもあるし、勝たなきゃいけないこともあるし、ムカつくこともある。でも同時に、大河ドラマでは、主人公と同じ時代を生きる仲間たちがいるじゃないですか。私にとって、リスナーさんはその”仲間たち”なんです。

リスナーさんたちも、仕事で悩んだり、家族で悩んだり、お金で悩んだり、日々いろいろあると思うんですよ。それに対して、私もまた、人生を全部見せながら、「頑張ろうな、この時代を」って、一緒に戦いながら進んでいるような感じがするんです。

ーー私たちがRadiotalkで聴いていたのは、アンゴラ村長さん主演の大河ドラマだったんですね……。

アンゴラ村長:そうですね。大河ドラマ『アンゴラ村長の「メロン街2丁目で待ち合わせ」』(笑)

ほんとにリスナーさん一人ひとりが役として揃ってくれて。すごい優しい人もいますし、私と一緒に悪口を言ってくれるようなヒールもいますし(笑)。一人ひとりに名前があって、このドラマを完成させているような感じがします。

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