日本の歩き方#38〜新潟→燕市(国上)編
38日目
こんばんは。日本を歩いて縦断してるタクマって言います。一昨日まで、相方の陽大と北海道の宗谷岬をスタート地に、沖縄の波照間を目指してました。
相方とのスタート
しかし、この度、相方と別の道を歩くことに決めました。今までは、相方が旅の記録として、文章を書いていたので、自分はまだ書く必要がありませんでした。
しかし、相方と別の道を歩む以上、異なった旅を作っていくことになります。
これから旅をする人たちに少しでも役に立てればなと、忘備録も兼ねて、こうして今日から、旅の様子をブログに書き起こしていきたいと思います。
38日目からのスタートですのでエピソード1-37は旅が終わった時にでも自分の言葉で書き記して行けたらなと思うので、長らくお付き合いください。
それでは、今日の旅の記録、スタート!
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相棒が昨日旅立った。↓
「タクマ。俺は別の道を行くことにした。どうしても行きたいんだ」
そう言われたのは突然だった。
「一緒に日本を縦断しよう」
そう言われてから、彼とともに歩み、共にロマンを分かち合うことに疑いもしなかった。
別れは突然やってくる。
人生の理ではあるが、まさか自分が、まさかこの旅で。正直ショックだったし彼といないことの寂しさが混乱させた。
でも、俺は陽大のブログを読んで納得したし、当たり前のことを忘れていた。
↓相方のブログ
俺たちは旅人だ。旅は自己責任で成り立ってるし、自分で作っていくものだ。そして、自分の心が叫んで止まないロマンを追い求めていくんだって大切なことを忘れていた。
↑相方のブログ
『お前はお前の旅を作れ。』
彼からのメッセージはこれだったと思う。
わかった。わかったよ陽大。もちろん今でも寂しい。でも、今歩いてるこの道の先のどこかで、お前は今日も旅してるんだろ?
自分でしか感じ得ない想いを抱きながら、今日も旅を作ってるんだろ?
そう思えば、俺も進んでいけそうな気がするよ。
どこまでいけるかわからないけど、負けねえよ。俺も。
『旅を作っていく』
別れの日
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前振りが長くなってしまったが、今日の1日を振り返ってみる。
今日のルートはこんな感じ。↓
新潟市を出て、燕市の道の駅に泊めさせていただくつもりだ。
そして、今日から数日間、学部仲間のトミタと一緒に歩く。トミタは、上京する際に、自分の荷物を持って地元の刈谷から早稲田の新居まで歩いて上京した生粋の歩き二ストだ。しかもワンダーフォーゲルの合宿の帰りなのにもかかわらず来てくれた。
トミタ
初めましての彼を前日から泊めさせてくれた(陽大はその前日、僕は二泊)陽大の友達のヨツの父ちゃん、母ちゃんには感謝してもしきれない。この家にいる間は、この二人に新潟のお酒やグルメをしこたまごっつぁんになった。
連れてってくれたポン酒館
世界中の塩を舐めながら日本酒が堪能できる
醤油の試飲コーナーまで!(50種くらい)
初めて会うのにこんなに良くしてくれるなんて。本当にありがとう。ヨツのお母さん、お父さん。
新潟にも家族ができたみたいだ。
最期の朝ごはん。
栄養たっぷりな食事は旅人にはありえない
今日のルートはこんな感じ。↓
新潟市を出て、燕市の道の駅に泊めさせていただくつもりだ。
台風が過ぎ去った後だが、最高気温は32℃と、3日前の37℃に比べたら歩きやすい気候だ。
ヨツのお父さん、お母さんと最後のお別れをして、前へ、前へ進む。僕らが見えなくなるまで見送ってくれている。僕は彼らに想いを馳せて何度も振り返ってしまう。旅のこの瞬間が、毎回辛い。でも進んでかなくちゃ。旅人だもん。
どんどん都会から離れていくのを実感すると寂しさが加速していく。しかしそれを抜けきると僕の大好きな田園風景が。
旅人は単純だ。
横のトミタを見ると、余裕が見られる。さすが歩いて上京の男。(聞いたことねえよそんな称号)
住宅街に入っていくと、古風な建物が。
この建物は昭和初期に建てられたらしく、当時この地域は代官様が住んでいて、栄えていたとのこと。立派な住居や蔵などが当時のまま現存している。
さらに進んでいくと、弥彦の街に出る。弥彦神社に行きたかったから少し逸れるが寄り道をした。きっかけはお世話になっている人からのメッセージだ。
そんなに格の高い神社ならば、ご利益も格別だろうと、たまにはそういった場所によってみたくなった。
中に入るとこんな感じ。
幽玄の空気漂う厳かな神社。
万葉の昔から「おやひこさま」と広く人々に崇められていたとのこと。
一般的には、「二礼二拍手一礼」が基本だが、格の高さゆえだろうか、ここでは「二礼四拍手一礼」が拝礼作法らしい。見渡すと、他の参拝者にも浸透していた。より丁重に拝する心を表現するためでもあるのだろう。
神社の麓で食べたヨツのお母さんが握ってくれたおにぎり。握ってくれた人の顔を思い浮かべながら食べるおにぎりは格別ですね
神社を抜けると、ひなびた温泉宿の街並みが見えてきた。ここに泊まりたい...
弥彦駅も豪華絢爛。
さらに抜け、コンビニで一休みしていると、おじちゃんが、温泉の回数券をくれた。
「よく頑張ってるな!俺からのエールだ!」
だって。
粋な文句に火をつけられた。
早く、そんなこと言える大人になりてえよ俺は...
硫黄の香りが漂う俺好みの温泉。帰り際はおばちゃんが冷水をペットボトルに詰めて渡してくれた。あと1000円札も。「これで栄養のあるもの食べな」って。
ありがとう...ありがとう...ありがとう。
たくさんのありがとうを伝えきれていない。表現しきれていない。もどかしい。
優しさを与えられる素敵な大人になりたい気持ちと、自分の中の少年が、まだ冒険をしたい気持ちが今日もぶつかる中、今日の目的地、道の駅国上に到着。
広い屋根の下でテントが張れそうだ。トイレも近い。おまけに温泉と無料の足湯がある。
野宿に最適な道の駅だ。
「歩いてきたのか?」
早速声をかけてくれるおばちゃん。
今までのお互いの旅のことを話す。この時間が大好きだ。新しい旅の魅力が毎回知れるからだ。
腹減ってるやろ!とおばちゃんが作ってくれたラーメンを食べた。
たくさんの人に会った。たくさんの旅を知れた。たくさんのロマンを見た。
そんな繰り返しの毎日が、夢心地の中、感情を激しく揺さぶる。
そこに相棒はもういないけど、違う道のどこか先で今日もあいつは旅をしている。
そう思うだけで、一歩、また一歩と自分の力ではない何かに進ませる。だからここまで歩いてこれたんだ。
日増しにその思いは強くなっていく。
この道のまたどこか先で、お会いしましょう。
新潟市→燕市国上(の道の駅)
歩行距離40km
総歩行距離 1190km
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