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【035】監査法人の人達って本当に人の話が好きだよね、という話

今週号外出すときに気づいたのですが、最初のnoteでこんなこと書いてました↓

ここ数年、コロナの影響もあり、世の中が加速度的に変化していく中で、それに対する自分の思考も変化があり、それを文章にして(言語化して)書き留めたい、という一言に尽きます。

加えて、若手会計士との接点もほぼなくなりつつあるものの、自身が業界の諸先輩方から頂いた恩を業界に返さねばという想いもあります。いわゆる恩送りです。

特に最近は飲みにいって色々よもやま話をすることが一般的ではなくなってきたので、noteがそれの代わりになればと思います。

https://note.com/rtaro007/n/ne5c700128462

"特に最近は飲みにいって色々よもやま話をすることが一般的ではなくなってきたので、noteがそれの代わりになればと思います。"→ん???

そもそも居酒屋で仕事論を語る時代ではなくなったので、その代わりとして始めたnoteだったのですが、最近固めに書いた内容が多かったので、今日は特にライトな感じです。


先日、大手監査法人のマネージャーの方々と飲んできました。複数人いらっしゃったのですが、Aさんは海外駐在の経験があり、若手の大エースという感じで、超ビッグなクライアント担当中でハイレベルな会計相談等に四苦八苦等で揉まれている模様。Bさんは前職ありで監査法人に入所されており、同じく現在マネージャーで、最初は物腰の柔らかい良いお兄さん的な感じの方でしたが、話してみると結構仕事に熱い感じのお方でした。お二方ともナイスガイです。

◆チーム主義?

色んな話をしたのですが、私自身がコンサルとかM&Aに関与していることもあって、同じ会計士ながらへぇーと感嘆したのが、チームアップやアサインに対する意識の高さ。

私自身はいまの仕事上で育成とかの観点で、割り当てられた人をどう育てようかという短期的なことはよく考えますし、そもそもこの人達に振り分ける経験値の質と量はどのようにすべきかという中長期の課題も考えるようにしています。

ただ、監査法人の中の人達の方が、それら人材育成として或いは戦力としてのアサインを考えている時間は長そうなイメージでした。

◆プロセスとアウトプットの硬直性に引きずられるインプットとしてのアサイン

監査法人の人達って人(他人や法人など)の話をすごい頻繁にしているイメージがあって、その一部は面白い話題を考えられない内向的な人達がただただ自分達の身近なネタとして噂話をしているだけの側面もあろうと思いますが、その中でもやっぱりアサインに係る会話が多いなという印象です。私の想像ですが、たぶんBig4の監査部門ともなるとアサイン管理もかけている工数がかなり多いはずです。

アサインに関する工数が多いのはひとえに、プロセスとアウトプットが固定化されてるのが大きいのかなって思ってます。

監査報告書及びそれを下支えする監査調書は、法令により定まっているところであり、加えてBig4においてはグローバルで定められたルール、それを達成するために日本独自の自主規制など二重三重どころではない規制がかかっており、この辺り非監査業務と比べたプロセスとアウトプットの硬直性があると思います。

その背景から、特に昨今では文書化しないといけない情報量も多く、一定程度定められたプロセスとアウトプットを実現するために、同じく一定程度のインプット(アサインという名の工数)が必要なのかと思っています。相手の期待値によって成果物(及びそれに基づく報酬)を変えたり、成果物を納品するためのアプローチに柔軟性を持たせられる非監査業務であれば、インプットとなるアサインが確保できないから、プロセスとアウトプットを変更するなんてことも実務的には可能です。そもそも受託するタイミングでアサイン確保できていなければお断りすることもしばしばあります。

◆人材の流動性vs固定的な業務環境

ただし、上記の前提はあんまり人が辞めないことに基づくので、昨今の監査法人から退職する人の流動性の高さから考えると、大変そうだなと。

コンサルのアサインを「毎週なんらの球技大会に参加してもらいます」とすると、監査法人のアサインって「毎週ひたすら野球やろうぜ!ポジション固定で!」って感じなんですよね。

つまり、同一のクライアントに対して四半期レビュー(これは今週いろいろ議論ありました)や内部統制監査など複数の業務を行うことでクライアントに対する理解をあげていき、業務の習熟度を上げていく。他方で、いまはチームメンバーを固定出来ていない監査現場も少なくないようで、業務の習熟度を上げがたい。特に関与期間が微妙な方々はたらい回しになっているものと推察します。

この状況下では人を育てるのも/育つのも難しいだろうなと思いました。加えて、昔と比べて監査チームにおける、あらゆる層において考え続けないと変数は増えているんだろうなと。

スタッフの残業時間、審査までに必要な調書量の増加、グローバルからの突然の要求、会計基準の改訂… 手を抜いても良さげな項目(つまり現場の裁量で好きにして良いこと)がどんどん減ってきた印象があります。

で、ココで話を終えると、暗い話を飲み会で聞いてきましたーというnoteになるのですが、流石にこういう負の連鎖が起き続ける状況下はマズいとBig4の経営層は気づいているので、その対策の一環でいま水面下で動いている某監査法人の施策(良い話で一部の方は恩恵受ける話)などもお伺いしました。これぞリアルな飲み会の意義というもので、忘年会で引き続き色んな方と情報交換できればと思います。

今週は以上です。ありがとうございました。


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