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「ファシリテーションとの出会い」が人生を大きく変えた! 株式会社トライローグ代表取締役“平山猛”さん

20代で数百億円を動かす海外資源開発に携わるも、充足感を得られず経営コンサルに転身。さらにファシリテーションとの出会いから、現在は人材開発・組織開発に取り組む平山さん。彼を動かすものとは一体何か?たっぷりお話を伺ってきました。

出身地:福岡県筑紫野市
活動地域: 九州全域
経歴:1994年、熊本大学大学院工学研究科修了後、インドネシア石油株式会社(現:国際石油開発帝石株式会社)入社。石油開発エンジニアとして20代を海外で過ごす。30歳で帰郷し、監査法人系のコンサルティング会社で九州地場の中小企業の経営コンサルティングを行う。業績悪化の企業における業務改善や企業再生を行う中で企業の変革における人材開発、組織開発の重要性に着目し、ファシリテーションの手法を使った人材育成、組織力強化を実践している。2004年より日本ファシリテーション協会九州支部の立上げに関与し、監事・理事を歴任。2011年度の副会長を務める。2012年5月に株式会社トライローグを設立し現職。


「どうやってこんなに疲弊している人たちのモチベーションを上げて、組織を再生すればいいんだろうか」

記者:なぜ組織開発に携わるようになったんですか?

平山猛さん(以下、平山):20代の頃は海外で仕事がしたくて、資源開発の仕事に携わっていました。当時、アメリカの大学でトレーニングしていたことがあり、そこでコンサルティング業界の人たちと関わるようになって、とてもおもしろい人たちだな、と感じました。それで30歳の時に日本に帰国し、コンサルティング会社の求人があって、そこからコンサルティングに関わるようになりました。

記者:当時はどのような状況でしたか?

平山:それがちょうど2000年くらいでITバブルの名残があり、大規模な組織のシステム構築が多かったです。ただ、そこからどんどんと景気が悪くなっていき、企業を再生するような仕事が多くなっていきました。実はその時に壁にぶち当たりました。

記者:それはどんな壁ですか?

平山:企業再生の仕事では、どんどん人をリストラしたり、事業をリストラしたり、会社を売却したりを重ねていき、どんどん人や組織が疲弊していくんです。でも我々はそれを再生させていかないといけなくて・・・。どうやってこんな風に疲弊している人たちのモチベーションを上げて、組織を再生すればいいんだろうか・・・そんな悩みを持っていました。

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「答えは現場の人が持っており、それをいかに引き出して、そこに向かってけるように後押しするのがファシリテーション」

記者:その壁はどのように突破したんですか?

平山:実はそんな時に知人で、ものすごくプロジェクトを上手に進める人がいて、その彼に話を聞いたところ、「ファシリテーションを勉強したらいいよ」と勧めてもらいました。それでファシリテーションの本を読んでみたんですが、そのときに「ビビビッ」と来たんです。それで「もしかしたら自分がこれからやらなきゃならないことはこんなことなんじゃないか」と思い、その本の著者の方にすぐにメールを送ってみたんです。すると返事をくれて、そこからNPO法人日本ファシリテーション協会の活動に関わることになり、そこでの学びが今の仕事に活かされています。ですので、このファシリテーションとの出会いはとても大きかったです。

記者:それはすごい出会いですね。平山さんはファシリテーションのどのようなところに可能性を感じましたか?

平山:それまでコンサルティングをする時には、「クライアントに答えを与える」「自分たちが解決しないとならない」と思っていました。しかし本の中では「答えは現場の人が持っているから、それをいかに引き出して、彼らがそれに向かってけるように後押しするのがファシリテーションだ」と言っていて、その通りだと思ったんです。

資源開発の会社で働いていた当時から「自分はリーダータイプではないな」と思っていました。その現場ではリーダーが上から指示・命令をして人たちを動かしていくようなところだったんですが、自分はこういうスタイルではないと思っていたんです。でもそれをやらないといけない時期も続いて・・・そういう葛藤もあったので、よりファシリテーションと出会ったときは感動したんだと思います。こういうスタイルのリーダーもあるんだ、と。

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「知識のインプットではなく実践してなんぼ」

記者:なるほど。実際にファシリテーションを実施してみてどうでしたか?

平山:とはいえ本を読むのと実際にやるのは違う部分もありました。もちろんそこからうまくいったことも多くありましたが、思ったようにうまくいかなかったりすることもあったり、ゆらぎはたくさんありましたが、それらが結果として今につながっています。

記者:現在、株式会社トライローグではどのような取り組みをされていますか?

平山:いま弊社がやっていることは3つあって「人づくり・組織づくり・地図づくり」です。

人づくりとは人材開発のことで、ファシリテーションを教えて欲しい、リーダーシップ開発をしてほしい、などの要望にお答えする形で人の成長をサポートしています。

メインとなる組織づくりは組織開発のことで、組織風土改革や組織変革などのプロジェクトを回しながら、プロジェクトメンバーと一緒になって組織の成長をサポートしています。

そして地図づくりとは、人材開発と組織開発を踏まえて、組織自体のビジョンづくりから、それを浸透させ、それを計画に落とし込んでいくなど、経営に近いところでのお手伝いをしています。

これら全てにおいて重要視していることは、知識のインプットではなく「実践してなんぼ」ということです。どうしても「この講習して」「これを教えて」と知識ベースの依頼をして頂くこともあるんですが、それだけではやっぱりなかなか本当に変化を作ることは難しかったりします。ですので、何よりも「実践に落とし込めるようなサポート」をしていきたいと思っています。

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「ビジネスとソーシャルの境界線を取っ払ったプラットフォームが作りたい」

記者:これから目指していることはなんですか?

平山:実は今目指していることは「ビジネスとソーシャル」の境界線を取っ払ったプラットフォームが作りたいと思っています。これは私自身が平成29年に発生した九州北部豪雨の被災地の復興支援をサポートさせてもらった時に感じたことでもあるんですが、企業の中で多様な働き方が認められ、社会との複数の接点の持ち方ができれば、企業にとっても社会にとっても相乗効果を生むことが出来ると思っています。そのためも今はその中核となって一緒にやっていけるようなメンバーを探しています。

記者:では最後に平山さんが作りたい美しい時代を教えてください

平山:境界のない社会かなぁ、と思います。例えば、AIが進化して言語の壁がなくなり、仮想通貨が使われるようになれば国境を感じることがなくなるでしょう。言ってみれば、境界とは自分自身が作っているものであって、自分の周りにあるあらゆる境界を取っ払うことができれば新たな価値を創り出すことができるんじゃないかと思います。

ただし、境界がなくなって、すべてが繋がって、フラットになった社会が本当に美しくなるのか、例えば国境がなくなることで本当に紛争解決につながるのかなど分からない部分もありますが、少なくとも自分の中の境界はなくしていきたいと思いますし、そのために重要なことは相互理解だと思います。

記者:ありがとうございます!ファシリテーションに可能性を感じ、今ではビジネスとソーシャルの境界を取っ払ったプラットフォーム作りにまで取り組まれている平山さんでした!貴重なお話をありがとうございました!


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【平山さんの活動はこちら】

● HP:http://www.trilogue.co.jp/
● FB:https://www.facebook.com/takeshi.hirayama.92

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【編集後記】

インタビューを担当した冨沢と岡山です。
資源開発のときやコンサルティングをされていた時に出会った課題に対して真摯に向き合い、自らの力でそれを突破されてきた姿勢にとても感動しました。インタビュー中もものすごく柔らかい雰囲気で、一つ一つの質問に真摯に答えて頂き、とても有意義な時間となりました!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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