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MS-Japanはなぜ強いのか?

こんにちは、RtoRの井川です。
 
先週は、管理部門の求人を扱う優位性などについて書かせていただきました。そこで今回は、管理部門求人を扱うエージェントと言えばMS-Japan、MS-Japanと言えば管理部門特化型のトップエージェントという事で、MS-Japanの強さの秘密について書いてみたいと思います。
 
尚、今回の内容は私が在籍していた3年以上前の話に基づきますので、現在の状況とは異なる部分も多く、また、個人的な見解も含まれるため、事実と異なる部分が含まれる可能性があることをご了承ください。

「IRから見るMS-Japanの強さ」

さて、実際に現在のMS-Japanの売上状況から見てみると、2023年3月期は売上高42.9億円、経常利益17.8億円とあり、経常利益率は何と41.5%と驚異的な利益体質の会社です。
 
この利益体質の最大の要因は、何といっても自社集客力の強さだと思います。
 
昨年の決算資料を見ると1万6245名の求職者集客があり、このほとんどが自社マーケティングによるもので、スカウトサイトなどはほとんど使われていません。
 
また、自社集客の求職者を14.15%の高確率で決定できているのも特徴です。
 
つまり優良な自社集客求職者を高確率で決めることができる、また、その求職者獲得コストは一般的なエージェントがマーケティングに投下しているコストと比較して、おそらく半分やそれ以下のコストで獲得できていることが高利益体質の最も大きな要因だと思います。
 
また、自社マーケティングの一環として「マネジー」などの自社メディアの拡充により、日本の管理部門人材、士業人材の4人に1人以上の人が何かしらMS-Japanのサービスを利用している状態を目指しているようです。
 
管理部門、士業領域における圧倒的なデータベースであり、30年以上培ってきたブランド力の賜物だと思います。現在、管理部門や士業に特化したエージェントが複数出てきていますが、他の企業が一朝一夕に真似することができない圧倒的な強みだと思います。

「IR資料からは見えない隠れた強み」

さて、今回noteに書こうと思った最大のポイントとなりますが、個人的見解ですが、MS-Japanにはもう一つ他社が追随しようにも追随できない強みがあります。
 
それは「新規求人獲得力」です。
 
私が在籍していた当時のMS-Japanでは、基本的に新卒か業界未経験者しかいませんでしたので、入社したら新規開拓をするという事に疑問を持つ人はいませんでした。
 
今でこそ、IR資料などを見るとインサイドセールスなどの機能を搭載し、組織力で求人を開拓していると思いますが、当時入社する人は皆新規開拓から仕事を始めていました。
 
今も行っているかはわかりませんが、当時は4月に新卒が入社してくると、その時期に入ってきた中途社員も一緒になり、新規開拓キャンペーンが1ヶ月間にわたり開催されます。
 
また、人事評価の中にも新規で成約した企業数がカウントされており、実際に決定した件数よりも評価される比率が高いなど、新規開拓をする者に対しての評価を最大限している会社だったように思います。

「管理部門求人は鮮度が命」

ではなぜ新規求人獲得が重要かと言う話ですが、前回のnoteで、「管理部門求人は候補者が業界横断出来て、仕事内容も汎用性が高いため決めやすい」と書かせていただきましたが、実は、その裏の特性として、「管理部門求人は欠員補充による求人が多く獲得しにくい」という特性もあります。
 
したがって、エージェントとしては「いかに新鮮な求人情報を持っているか?」が勝負の分かれ目になってきます。
 
また、管理部門求人の採用枠は1名であるケースが大半で、営業系職種やエンジニア系職種の様に大量採用するケースがほとんどありません。基本的にコストセンターという位置づけですので多くても2~3名の採用です。
 
そのため、管理部門の求人を開拓しても、そのポジションが決まってしまうと、管理部門の求人はその後1年間発生しませんでした、といった話も頻繁にあります。
 
管理部門求人で募集から3ヶ月以上経っていて、リクルート、JAC、MS-Japanに依頼しても決まらない求人は、もはやそのままの求人内容ではほぼ決まらないと考えてもいいくらい、決まる求人は3ヶ月もあればすぐに決まってしまいます。

「管理部門の求人だけ開拓するのは難しい」

私がMS-Japanに入社して感じたことは、管理部門の求人だけを切り取って開拓することに対して求められる高い継続力と、その継続力を維持させるための様々な評価制度は風土の醸成に強みがあるという事でした。
 
一般的には社員数の約20%が管理部門の人員と言われています。そのため、求人開拓をしていても、中途採用をしている会社はあっても管理部門求人の募集をしている会社は20%しかない訳です。
 
また、管理部門求人は決まりやすいため、既存のエージェントを利用すれば決まると考えている人事にいきなり電話をしても獲得できないケースも多々あります。
 
それでも何度も電話をかけて、電話の度に関係性を構築していき、いよいよ新しい求人が出たタイミングで新規の取引に漕ぎつけていきます。
 
大手~中堅エージェントや外資系エージェントなどでは管理部門求人は管理部門専門チームが担当していたりしますが、求人の獲得は主に既存のコンサルタントが獲得しており、各自の担当クライアントで管理部門求人が発生したら、管理部門チームに取り次ぎ、取り次がれた管理部門チームのコンサルタントがアポを取り直してヒアリングをするなどの流れです。
 
他にも、自分で全ての求人を担当するケースでも、他の求人も動かしているので管理部門求人に注力しきれていなかったりします。
 
管理部門求人をトスアップされるのと、その求人だけめがけて獲得しに行くのとでは、スピード感も熱量も全く異なります。
 
あらゆる方法で世の中の管理部門求人の情報収集を図り、出現する期間の短い管理部門求人のみを開拓することに心血を注げるコンサルタント集団であること、またそれを全員意識せずに行っている組織であることがMS-Japanが管理部門特化型エージェントとして強い理由だと私は思います。
 
そのような組織風土は、企業のDNAと呼ばれる根本的なカルチャーや価値観に基づくものであり、他社が真似しようとしてもなかなかうまくいかない部分だと思います。
 
強い自社集客力と強い求人開拓力、この人材紹介の売上に必要な「求職者×求人」の両輪が優れているという、当たり前の事ですが他社がすぐには真似できない部分にMS-Japanの優れた経営力があると私は思います。

「最後に」

この4月でMS-Japanを離れて3年が経ちました。私が起業できたことや、起業後の戦略もMS-Japanで得た知識や経験が大いに生かされていて、今となっては本当に感謝していますし、感謝しかありません。
 
私が退任した半年後、現在の会社を起業し人材紹介事業を立ち上げた際は、代表の有本さん自らお電話いただき「応援してるから頑張れ」とメッセージを頂きました。上場企業の役員の場合、最低でも1年は競合避止義務があるなど、同業への転職や起業に厳しい業界ですが、そんなことは一言も言わずに応援していただいたことは本当に嬉しかったです。
 
管理部門や士業に特化したエージェントが数多く出てきていますが、MS-Japanにはまだまだ業界トップエージェントとして君臨していただき、日本の管理部門・士業で働く人たちにとってなくてはならない企業に発展していただくことを願っています。
 
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