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The sun also rises.

日本語では「日はまた昇る」と訳される。

励ましや、ここから復活するという意味で用いられる事が多いと思うが、ヘミングウェイの小説(旧約聖書の句を用いたと言われている)では、繰り返す日々・変わらない日常へのやるせない気持ちの意味で使われている。

ヘミングウェイの著書を読んでから、この変わらぬ生活の繰り返しの意味の方がとてもしっくりきた。

人生の目標なんてなく、誇れるものもない自分自身が仕事に追われて、惰性で生きているかのような感覚を繰り返して、辿り着きたい場所も辿り着くであろう場所も分からない。

勿論、いそがしい時もあるが、やってみたい分野の仕事で上司にも恵まれていて、とても良い環境である。

だけど、それ故に虚しさを感じる時がある。

自分自身でも分からない焦りと苛立ちと羨ましさで倒れそうになる。

自信を持てばとか、積み上げていって成功体験をと言われるが、積み上げたものなんて一瞬で崩れてしまうし、積み上げたものの上であぐらをかいてふんぞり返っている人を何度も見てきて、自信とは、胸を張って生きるとは、生きていく理由とは…言葉でうまくまとまらない感情に苛まれる。

そして、欲求さえもあらゆる方面から否定され、そこに佇むのは鉄球のような感情と体という箱だけ。

現代病なのであろうか、生きたくもないし死にたくもない、欲求だけ感じられるホルマリン漬け状態にして欲しいと思う。

そんな感情を抱きながら眠りにつく、そして「日はまた昇る」のだ。

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