見出し画像

オジサン、高校教師になる~第22話~

~レポート完成間近に譲れないこだわり~

通信大学のレポート課題を日々こなしていくわけだが
得意なのでそこまで苦ではない。
目標に設定した3月中に6本もあと1週を残して
めどが見えてきていた。

実はすごく面倒くさがりなので、
レポート提出に向けて、ちょっと気になる作業があった。
それは・・
①提出用封筒への切手貼り
②返信用封筒への切手貼り
③返信用封筒への住所記入
④レポート課題のお題貼り
⑤レポート課題証明バーコード貼り
⑥提出時の個人情報記入
⑦レポートの所定の位置への添付×2枚
6枚分やり終えたときには、新品のスティックのりが半分になっていた。

さらに
⑧参考文献の記載(手書き)
⑨参考ネット資料のHPタイトルとアドレスの記入(手書き)
⑩参考資料の添付
最後に
⑪封入するために封筒のり付け

なにが厳しいって⑧・⑨を手書きしているときに
「これって本当に見るのかな?」という疑問と戦うことである。

そして、その作業中に事件が起こった。
実はネットからある資料を参考に書いている箇所があり
そのまま使用するのは、いわゆる「孫引き」という行為に当たる。
つまり、誰かが参考資料として引用して本を書いて
その本を参考にレポートを書くのはご法度なのだ。

ただ、引用先は古文で著作権も切れているので
探せば大元の本を読めると思っていたら、甘かった。

江戸時代の古典なのだが、どこを探しても原本(原作)が見当たらない。
引用したHPがうそなんじゃないかというくらい見当たらない。
ひとつは、自分がタイトルを間違っていたためだったから
正しいタイトルを見つけてホッとしたが、それでも原作をどこを探しても見当たらない。

最後は「国立国会図書館」に所蔵されていることがわかり、ネットで閲覧できると思って、会員登録したが、ネットで見ることはできず
印刷を依頼できるということしかわからなかった。
印刷は依頼してから2週間程度かかるらしい。

いやいや、それでもレポート提出に間に合わないのよ・・・。

ここまでかなり追い込まれてしまい、やることはひとつしかない。
「提出レポートから引用部分を削除し、別の文献の文章」に書き換えることである。

泣く泣く通読して変にならないように、引用を書き換えた。自分で100点と思っているものを70点くらいにするのだ。正直、レポートの出来に納得はいかないわけだが仕方ない。

ここで、みなさんは謎に思うかもしれない。
「別に原本(原作)にあたらなくて、孫引きしてもばれなくない?」
そう、ばれないかもしれないし、実在する本であることはわかっているのだから、参考文献に書いたって、調べられても絶対に孫引きしたことはばれないのである。
しかし・・・しかし・・・それはやってはいけないことなのである。
まず、研究・学業という観点からもやってはいけない。
そして、ふたつめは・・・
30年前の古い記憶にあるのだが、それは次回。

次回は少し思い出話になります。
大学時代、大好きだったYさんとの思い出を書きます。
そこには「孫引き」をしない理由も絡みます(笑)

いくつになっても夢を追いかけるオジサンのサポート、よろしくお願いします 頂きましたサポートはさらなる夢見る活動費に使わせていただきます。