【連載 第5回】プロフェッショナルの大原則「人を動かす一人歩きする」資料Before→After 基礎編②スライド構成と図解

こんにちは。元外資コンサルによる「戦略的プレゼン資料作成講座」の講師松上です。

 前回に引き続き、過去に私が添削した実際のスライドのBefore→Afterをご紹介します。今回からは、ビジネスの現場で作成される頻度が高い内容を厳選して紹介します。

 資料作成スキルをより強化したいという方はAfterのスライドと解説を見る前に、Beforeのスライドだけをみて、自分だったらどのように改善するかを考えてみてください。まずは自分で考えてみることで資料を見る視点が養われ、回数を重ねるごとに資料作成の大原則が身についていきます。

 解説には、本講座の講師松上純一郎が執筆した新刊『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の対応する大原則の番号を記載しています。
ぜひ書籍で詳細な解説とPowerPointの操作方法を確認してみてください。

*  *  *

第5回は、フィットネスクラブ業界に新規事業として「次世代健康管理システム」を提案するスライドを添削してみます。

全18スライドの提案資料の中で、「次世代健康管理システム」が成功するであろう根拠が4つ挙げられています(1.マクロ市場(ヘルスケアと国内IoT市場)は右肩上がり、2.市場は逓増だが、課題は多い、3. 自社リソース活用による、コスト節約とCX向上、4. 投資対効果)。

今回は根拠2のスライドを添削します。


×NGポイント

情報量が多く、メッセージが伝わらない

・メッセージとそれを説明する要素の構造が分かりづらい
・1枚のスライドに、市場規模の推移と既存アプリに対する課題が記載されており、メッセージを説明する情報が絞れていない
・文字のフォント、色、大きさのバランスが崩れていて文字が読みづらい

※全体の提案資料には、モバイルヘルスケア・サービス市場規模の情報を入れることは有効ですが、今回の添削するスライドのスライドメッセージでは触れられていません。よって、今回は市場規模の情報を別スライドに切り出すことを想定して、スライド右半分の課題と解決策に焦点を当てて添削します。

◎改善ポイント

スライドメッセージをサポートする情報に絞り、流れを表すフロー型の図解、小見出しをつけた列挙型図解、文字強調で見やすく

1.  ロジックツリー切り口を決めましょう
  Beforeのスライドでは、「次世代健康管理システムが既存健康管理
 アプリが抱える課題を解決することができる」というスライドメッセージ
 に対して、「既存健康管理アプリの課題」の列挙されています。
  既存の健康管理アプリが抱える複数の課題から「解決することが可能
 」という結論を導き出した根拠がなく、論理が飛躍しています。
  次世代健康管理システムが既存アプリの課題をどのように解決できる
 のかについて、ロジックツリーを用いて整理しましょう。
  スライド作成に着手する前に、必ず思考を整理して、スライド構成
 を考えましょう。
 ▶[大原則023] 「解決策」は課題に対応させる
 ▶[大原則024] 「効果」は解決策の結果を示す
 ▶[大原則025] 背景、課題、解決策、効果で「スライド構成」を考える
 ▶[大原則032] スライド情報は「ロジックツリー」で理解する

2. 「フロー型」で情報を整理して、時間の流れを表しましょう
  人間は物事を上から下、左から右に捉えることが多いです。
  既存健康管理アプリの課題を「アプリ探し」「健康データ入力」「健康
 データ連携・分析」「指導・サポート」と4つの切り口で整理し、
 縦フロー型を用いて時間の流れを上から順に入れることで読み手も内容を
 理解しやすくなります。
  ▶[大原則081] 「ロジックツリー」を図解に落とし込む  
  ▶[大原則087] 基本図解⑤ 流れる「フロー型」

3. 「列挙型」で要点(=解決策)を小見出しに落とし込みましょう
 列挙型を用いて次世代健康管理システムによる解決策を「検索しやすさ」「健康データの自動入力」「AIによる自動分析と表示」「AIによる健康
 指導」と4つの切り口で小見出しに落とし込むことで、重要なポイントを
 明確にします。
  ▶[大原則083] 基本図解① 万能の「列挙型」

4. 文字を強調しましょう
 文字が多いので、読みやすくなるように、文章中の大事な部分の
 文字色をベースカラーに変更し、太字にして、文中の重要なポイントを
 明確にします。
  ▶[大原則100] 図解の文字は「2ステップ」で強調する

5. 出所を正しく記載しましょう
 企業名ではなく実際に使用した文献名を記載しましょう。

いかがでしたでしょうか。スライド作成の前の下準備が非常に重要だということがお分かりいただけたでしょうか?ぜひ自分が過去に作った資料を見て、今回解説したポイントをおさえられているか確認してみてください。

沢山の方に、このnoteと私の著書で、「人を動かす、1人歩きする資料を早く作る」ためのプロフェッショナルの資料作成の大原則を習得していただき、皆さんの人生やキャリアに何かしらの変化を生み出し、成長のきっかけとなることを願っています。

【公開中note一覧】
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド

*  *  *


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

11

元外資系コンサルタントによる「戦略的プレゼン資料作成講...

外資コンサルでビジネススキルを先輩社員に徹底的に叩き込まれた松上純一郎を中心とする講師陣が教える資料作成講座では、論点志向、ロジカルシンキングなど総合的な仕事の基礎力と「人を動かす一人歩きする資料」を作るドキュメント・コミュニケーションスキルを養成します。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。