口頭説明不要!考える時間を増やし、人を動かす資料を作る方法とは?|松上純一郎氏登壇LODGE主催イベントレポート

こんにちは! 株式会社ルバートのマーケティングと広報をお手伝いしている渡邊(本イベントの司会)です。

今回は、2019年2月19日に開催された、ヤフー株式会社 LODGE様主催の「人を動かす資料の大原則|働き方改革でのドキュメント・コミュニケーションとは」のイベントの模様をお届けします。

今回のイベントの会場は、もちろんLODGE。東京メトロ永田町駅直結の東京ガーデンテラス紀尾井町 ヤフー株式会社17階とアクセス良好です。 

実は、私、以前勤めていた会社の仕事でヤフーさんに大変お世話になっていたのですが、イベント当日にはじめてLODGEにうかがいました。

とても広くておしゃれな空間!!!2018年のグッドデザイン賞を受賞されただけあって家具のデザインも洗練されてますね。

コワーキングスペースとして誰でも利用できることはご存知の方も多いと思いますが、「!」を生み出すコラボレーションイベントが連日開催されているそうです。ぜひイベントカレンダーを覗いてみてください。

今回、LODGE様にお声がけいただきまして、2019年1月19日に発売された『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の著者松上純一郎が登壇するイベントが実現しました。

     ▼本イベントのアイキャッチ画像はこちら▼

当初100名規模のイベントを想定していましたが、なんと、ヤフー株式会社 LODGE主催のイベントでは過去最多となる総勢約160名の方々にご参加いただきました!

そして、今回特別に松上さんの新著を3年かけて編集していただいた技術評論社の大和田さんご本人による即売コーナーも設けました。

それでは、ここから本イベントの模様をレポートします。

|松上純一郎とは?

大阪府高槻市生まれの38歳。趣味はサウナと筋肉体操!

学生時代は器械体操とグリー(合唱)に没頭し、日本の大学院とイギリスの大学院で国際開発について学んだそう。

Monitor Groupという外資系コンサルティングファームで武者修行を積んだのち、NGOに転身し、その後独立。

起業当初は「PICLETA」(ピクレタ)という名前の、遠くの祖父母にスマホで手紙を送るアプリを1年がかりで開発。無事リリースにこぎつけたけれども、売上がほとんど立たず大失敗・・・。

そんな中、外資系コンサルで資料作成の基礎を叩き込まれ、NGOで海外とのやり取りでのドキュメントの重要さを痛感し、アプリ開発で人を動かす資料の重要性を学んだことを活かして、すべてのビジネスパーソンに必要なポータブルスキルとして実務に役立つ資料作成講座を始めたとのこと。

現在は、松上氏自身が代表を務める株式会社ルバートで、コンサルティングと法人・個人向けのビジネススキルのトレーニングを提供しています。

|生産性を上げる取り組みが欠如している「働き方改革」

いよいよ本題です。

まずはじめに松上氏は、マクロ視点の「働き方改革」とミクロ(企業レベル)視点の「働き方改革」のそれぞれについて、GDPを因数分解して解説しました。

GDP = 就業者数 X (労働時間 X 労働生産性)

日本政府は、日本の人口減少に歯止めをかけることができておらず、今後も人口減少が続くことが見込まれています。今のGDPを維持するためには「就業者数をキープする」または「生産性の向上させる」のいずれかを実現させることが必要といいます。

就業者数を増やす手段として、政府は、外国人労働者の受け入れに加えて、働き方改革の中核として女性・高齢者の就労率を増加させて労働力人口を維持することに取り組んでいるとのこと。

もう一つのGDPの要素である「労働時間 X 労働生産性」の現状はどうなっているかというと、日本の労働生産性は世界18位(2015年時点)。他の先進国と比較すると低いことを松上氏は指摘します。

長時間労働の解消で労働生産性を高める狙いですが、政府も企業も生産性向上のための取り組みが手薄な状況にある結論づけたとのこと。

| ドキュメント・コミュニケーションとは?

松上氏は「ドキュメント・コミュニケーション」「“人を動かす一人歩きする資料”でのコミュニケーション」と表現しています。

ドキュメント・コミュニケーションの資料
は、資料だけ読めば内容が分かる、すなわち口頭での補足説明が不要です。

一方、プレゼンテーションは、プレゼンターが主役で、プレゼンテーション用スライドに伝えたいことすべてが書かれているわけではないので、必ず口頭で補足することが前提となっています。

ちなみに「ドキュメント・コミュニケーション」という言葉は、8年以上前に中川邦夫さんが提唱した言葉だそうです。

コンサルタントは、聞く→考える→まとめる→伝えるという4つのプロセスで構成されるドキュメント・コミュニケーションを通して問題解決をしていると松上氏はいいます。ドキュメント・コミュニケーションの習得を通して、ロジカルシンキングから文章力までビジネスで必要とされる幅広いポータブルスキルを鍛えることができるそうです。

|ドキュメントはホワイトボードやチャットツールといったコミュニケーションツールで代替可能なのか?

資料作成禁止令が出ている企業があるようですが、果たしてドキュメントをホワイトボードやチャットツールで代替することができるのか?

松上氏の回答はイエス&ノー。どちらが良いということではなく、双方を使い分けることが必要とのこと。

松上氏はこの使い分けを下記の図に整理しました。

・サービス開発フェーズ▶ホワイトボードなどを、サービス構築・展開フェーズでドキュメントを活用すれば効率性はアップする
サービス構築・展開フェーズ▶社内外の大きなチームで着実さを要求されるので、”一人歩きする”資料が重宝される

|資料作成禁止令が出ている真因とは?

資料作成禁止令が出ている真の原因は、「時間をかけて作った資料が分かりづらい」「その分かりづらい資料を会議内でみんなで読み解くことに時間をかけている」という事態が起こってしまっていることと松上氏は分析します。

質の高い資料を早く作るためのルール・原則を学ぶことができれば、このような事態は起こらないし、生産性を向上させることができます。さらに、社内コストの削減と売上増加の両方の効果が期待できるとのこと。

|質の高い資料を「早く」作る

ドキュメント・コミュニケーションと生産性向上はどのように関係しているのか?

松上氏は、質の高い資料を時間をたくさんかけて作るのではなく、資料を”早く”作ることで考える時間を捻出でき、考える量を確保でき、結果としてアイデアや仕事の質を向上することができるとのこと。

|スライド作成前の下準備とPC操作テクニックが、”人を動かす”スライドを”早く”作る鍵を握る

参加者に「早く作る」ことをイメージしていただくために、松上氏がスライドを作るデモンストレーションを行いました。

ボランティアを勝手出ていただいた参加者の方の趣味をお尋ねしてスライド1枚でその魅力を伝えるというもの。その趣味はなんと「真田家の大名行列への参加」! 松上氏は、その参加者の方から大名行列参加の魅力についてヒアリングをして、ホワイトボードにロジックツリーを使って要素を整理しました。


そして、いよいよスライド作成。

観客一同が作成プロセスを必死に頭に焼き付けようと前方のスクリーンにくぎ付けとなる中、松上氏はPCのショートカットキーを連打し、PowerPointを縦横無尽に操ること約5分。図解入りの1枚のスライドがあっという間に完成しました。

これだけ早くスライドを作ることができれば、確かに考える時間を作ることができるという松上氏の考えに納得せざるを得ません。

|6つの資料作成の「型」を知ることで、誰でも「早く」資料を作ることができる

ここからはワークショップ形式で、Uber Eatsの「老舗カレー店への提案」ケースを使ってスライドの作り方を学びました。(※このケースは松上氏が本ワーク用に考案した架空のものです)

自分の提案をスライド4枚で伝えるとしたら、どんな進め方、どんな構成の資料で伝えますか?

松上氏は、最初に資料作成の6つの型について説明しました。続いて、それぞれの型を用いた例として、「老舗カレー店への提案」を目的として作成した以下のスライドを解説しました。

《資料作成の6つの型》

①目的の型:「誰が、誰に、何のアクションを期待するか」

②構成の型:「背景」「課題」「解決策」「効果」で伝える

③情報整理の型: 必要な情報を「モレなく、ダブリなく」整理する

④図解の型: 情報を6つの図解の型でわかりやすく表現する

※6つの型の説明は1/29に開催した出版記念セミナーの実践編レポートで説明していますので、こちらをご参照ください。

⑤文章の型: 説明文は必ず箇条書きにする

⑥画像の型: ピクトグラムで右脳に訴える


|実践練習をやってみよう

資料作成の6つの型を教わったところで、いざ実践練習!

参加者は、配布されたワークシートにペンで回答を記入した後に、隣の人とペアになってお互いの回答を説明し合うというスタイル。

皆さん真剣そのもの!

ここでは問題と松上氏の模範解答をご紹介します。

1. Uber Eatsの仕組みを図解してみよう

2. Uber Eats導入の効果を図解してみよう

3. Uber Eatsのサービスの記事を読んで、”レストランパートナーにとっての”Uber Eats導入のインパクトを整理して図解してみよう

約40分という短い時間で、ロジックツリーでの情報整理から図解入りのスライドを作るところまで取り組んでいただきました。脳をフル回転させていることがうかがえる参加者の皆さんの姿が印象的でした。

最後に、松上氏が提案書サンプルを解説して、実践練習は終了となりました。

|懇親会

ヤフー株式会社 LODGEの川上さん(写真手前)の乾杯の音頭で懇親会が始まりました。

懇親会には約40名ほどの方にご参加いただき、軽食とお酒も入り、参加者様同士、資料作成の業務にまつわる情報交換から趣味のお話まで和気あいあいと盛り上がり、終了するのが名残惜しいほどの大盛況でした。

|最後に

目的に応じてドキュメント・コミュニケーションとホワイトボードやチャットツールを使い分けることで、効率化による生産性向上は実現できる。一方、今後、ドキュメント・コミュニケーションのプロセス「考える」「作る」「伝える」の「作る」部分はAIなどで自動化され、だれでも分かりやすいスライドを作ることができる時代が来ると語る松上氏。資料作成のAI化の研究に寄与しながら、これからの人間にとってより重要になる「考える力」と「伝える力」を鍛えるための指導も行っていくとおっしゃるところに、ドキュメント・コミュニケーションの未来を見据えて、人の成長について追求し続けるプロフェッショナルとしての松上氏の想いを感じました。

ライティング:渡邊絵美
画像:資料作成講座OB

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