見出し画像

ニシュタマリサシオンを知らなかったヨーロッパ人

「ニシュタマリサシオン」とは、けっして、二種の溜まり醤油の醤油さしと塩の話ではない。

トウモロコシをアルカリ水で処理する方法。

語源は、アステカの言語であるナワトル語で灰やトウモロコシの練り物を意味する「ニシュ・タマリ」から。現在のメキシコ、紀元前2000年のオルメカ文明の時代に始まったとされる。Nixtamalという綴りがナワトル語っぽい。といってもナワトル語がしゃべれるわけではないが、メキシコに住むと地名で x をシュって読むのに出くわしたっけと思い出した。Uxmal ウシュマル遺跡とか。そういえばバスクもxがシュだったかな?スペイン人がかってにアルファベットのxを聞きなれぬ音にあてはめたのかな。

ニシュタマリサシオンだが、古代のメキシコでは、タコスで知られるトルティージャなどを作る際に、トウモロコシを石灰や木灰、カタツムリの殻などと一緒に煮て一晩冷まし、果皮を洗い流していたという。

このトウモロコシをアルカリ水処理することで、必須アミノ酸やナイアシンの吸収が容易になり、栄養価が高まり、カルシウムの摂取が容易になるらしい。

そしてなによりも大事なのは、これをやらないでトウモロコシをばくばく食べると、ナイアシン欠乏症である代謝内分泌疾患の一つ「ペラグラ」を発症してしまうという。

Pellagraはイタリア語で「皮膚の痛み」を意味するが、16世紀以降、とうもろこしが新大陸から伝えられた欧州で安価な穀物としてとうもろこしが急速に普及したらしいが、スペインやイタリアで都市部の人口で18世紀に猛威をふるったのがこのペラグラという欠乏症という。

この病気の原因が、ニシュタマリサシオンの工程を知らないヨーロッパ人がそれをしなかったために、とうもろこしからのナイアシンの吸収ができないことにあったとわかったのは、20世紀になってからだったという。

とうもろこしは、コロンブスの「新大陸発見」以降、トマトやジャガイモや唐辛子やタバコなどと同様に中南米原産で、南米大陸から欧州に伝えられたもの。

歴史学者は、この新大陸と欧州の交易をグローバリゼーションの先駆けととらえて、歴史学用語で「コロンバス・エクスチェンジ」とか命名しているらしいが、多くの栄養価の高い野菜が新大陸から欧州にもたらされ、それがドイツやアイルランドのじゃがいも料理になったり、イタリアのトマト料理になったり進化していった。「交換」で欧州から新大陸にもたらされたのは、豚とか有用な家畜はあったが、大方、古代文明の破壊だったり、スペイン語だったり、コレラなど伝染病だったりした、なんとも不公平な交換だったのはご存じの通り。

ニシュタマリサシオンを教えなかった?のは、新大陸の略奪者欧州に対する密かな復讐かな?なんて思ったりもするが、単に、伝統的な食べ方が伝わらず新しい穀物として伝わったので、灰で処理するなんて知らなかったんだろう。

まあ、そもそも、中南米大陸の原住民は3万年だか前の氷河期の時代にベーリング海峡が陸続きだったときに北アジアから移り住んだ人たちであって、ある意味、アジアの遠い同胞ともいえるが、新大陸の原住民であり、インドへの最短航路を求めて西へと冒険にでたコロンブスに発見されてコロンブスは頑なにその「新大陸」がアジアの一部だと言い張っていたというのはつくづく皮肉な話ではある。そのアジアから渡った人たちが試行錯誤でとうもろこしを食するノウハウを見出したということか。

ここまでWebで読んでそうかそうか、4000年前からニシュタマリをやっていた先人の知恵はすばらしいなと思ったが、あれ?とうもろこしってこのニシュタマリサシオンしないとBBQで焼いて食べてばっかりいたら病気になるんかいなとふと思った。

BBQで醤油つけて焼いて、醤油のこげた匂いがこうばしく広がるのが大好きなんですが、二種たまり醤油さしじゃなくて、灰で処理してないとナイアシン不足になる?それは無いあしん?

たぶん、焼いて齧るのはいいのかな?ああいう粉にして練り物にして食べるときそれをしないといかんということなのかな。

謎が残った。誰か教えて。。。■

参考:

http://www.kotoba.ne.jp/word/10/%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?