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ブラック企業に転職して2週間で逃げ出した話③

◾︎入寮

新生活のはじまり。

寮は新宿から5〜6駅離れた都内某所。寮なのにオフィスから結構離れているという謎仕様だけど、寮の立地はそこまで悪いわけじゃないのでまあいいかーといった感じ。

寮とは言いつつ、3DKを3人でシェアして住むスタイルなので、実際は職場の人とのルームシェアでした。
シェアハウス経験もあるし、事前に聞いていたのでそこに関しては別に問題なし。自分の部屋があれば大丈夫。
他二人が喫煙者・Wi-Fiなし・家があまり綺麗じゃなかったのはきつかったけど、普通に住む分にはまあ平気。

ちなみに寮費がいくらだったのか未だに教えてもらってません(椿さんは「2〜3万くらいだよー」としか教えてくれなかったので、恐らく把握していないと思われる)。

◾︎研修

オフィスで研修を受ける。

研修資料などを見せてもらいながら、ふと「B社」の文字がちらほら見えるので質問してみる。

「うちの会社ってA社ですけど、このB社は提携会社ですか?」
「あ、違うよー!うちはB社だよ!」

( *'ω'* )Whats?

「このオフィスはA、B、C社がシェアしてる、いわゆるシェアオフィスなの!」
つまり、私はA社の名義でB社の社長と面接し、B社に入社したことになる。
A社とC社は元々B社にいた人が最近立ち上げたらしいので、オフィスの家賃とか諸々を考えてシェアしていると。
「それって会社にお金がないのでは…というかあのパーテーションで区切ってるスペースがそれぞれの会社なのか…」ということに気づくのにそう時間は掛かりませんでした。

「あと基本的に火〜日が仕事で、毎回違う現場に行って、月曜日が休みね」
当たり前のようにさらっと週6勤務宣言される。週休2日制(土日祝)とは何だったのか。
ちなみに後から知るのだけれど、この月曜日、地方出張の移動日や会社のレク日で半分くらい潰れるので、1ヶ月の休みは実質2〜3日程度しかない計算になる。
レク日の中には「日曜日の夜行バスで大阪・淡路島まで移動、月曜日の夜行バスで東京に帰ってきて、火曜日の朝にそのまま出勤」と書かれているものもあった。
レクリエーションの種類は海、BBQ、運動会、マラソンなど多岐に渡る。
ていうか休みの日に運動会やるとか何の罰ゲーム?ばかなの?

そして仕事の連絡は全てLINEで送られてくる。6つのLINEグループに入れられたのだけど、このLINEがとにかく五月蝿い。
売り上げを伸ばした人を「Juice!」(マジ尊敬!グッジョブ!的な意味合い)とメンバー各々が誉め合うグループなんかは夜中まで通知が鳴り止まない。
寝させてくれ。というか宗教的すぎて気持ち悪いわ!と思ってました。
(そして後にこの考えが間違いではないことを知ります)

加えて、契約書云々の手続きなどが全くない。
寮に帰ってきてから椿さんに聞いてみる。
「社会保険とか入らなきゃいけないですよね、手続きどうすればいいですか?」
「あっ、うちの会社社保ないよー」

( *'ω'* )Whats??

「うちの会社って皆ゆくゆくはオーナーになるじゃん?だからそういう保険の手続きとかは自分でやって覚えるべき!って話になってて。だから保険に入りたかったら自分で全部やれってスタイルなの。だから皆国保のままでやってるんだよー」

……はい??

待って待って社保って義務じゃないの?
ていうか「自分で覚えろ」って言うなら、まずオーナーなりがちゃんと教えてあげた上でやるべきことじゃないの?丸投げ?
ていうか求人票に「社保あり」って書いてあった……よね……? どういうこと…?

この時点で一抹の不安を感じる。というか流石に気づく。
「あっ、ここブラック企業だ。真っ黒だわ」

でも入ってしまった以上、すぐにどうこうすることもできない。寮にも入っちゃったし。
唯一の救いとしては、椿さんはじめ、一緒に働くメンバーはすごくいい人ばかりだということ。宗教的なノリだけど。ネガティブなことを言えない雰囲気の職場なので、会社の人間が全員松岡修造みたいな感じだけど。
会社の人間関係に悩むことが多いコミュ障の私としては、そこで悩まなくていいのは結構助かるし、ポジティブになれるのは悪いことではないなあと考えていました。

そんなことを考えながら初勤務を迎えるのでありました。

→④に続く

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