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ブラック企業に転職して2週間で逃げ出した話④

◾︎勤務開始

勤務初日のスケジュールがこちら。

6:30 起床
7:30 寮を出る
9:00 現場に到着
10:00 現場で仕事開始
19:30 現場で仕事終了
20:30 オフィスに戻る
21:00 オフィスでミーティング
22:00 退社
22:40 帰宅

ちょっと待って、勤務時間思いっきり8時間超えてる。っていうか仕事終わってからミーティングって何?
ミーティングの内容も「やればできる」みたいな精神論がほとんどで、ただの奮起会みたいな感じ。それを仕事のあとに1時間以上やるのは結構堪える。
もちろんミーティングは人数が揃わないとできないので、自分の現場でどれだけ早く仕事が終わろうが、他の人を待たなくてはいけない。帰る時間は必然的に遅くなる。
ミーティングという名の飲み会に強制参加させられる日もあるので、終電間際に帰ることもある。

今にして思えば面接時「21時過ぎに連絡してほしい」と言われたということは、サービス残業がそれだけ多いという証拠だよなあ…。
家に帰れないレベルのブラック企業が散在してる昨今、帰れるだけマシだと思った人は、明らかに感覚が麻痺してるのでご注意ください。

仕事の内容も前述した通り、ウォーターサーバーの販売・レンタルなのだけれど、押し売りでウォーターサーバー買ったりレンタルしてくれる人なんてほとんどいない。私が客でも完全スルーするし。
椿さんは「私もこれ使ってるんですけど、ほんと生活変わりましたよー!わざわざペットボトルで水買うとほんと大変じゃないですかー!」と意気揚々に宣伝してました。
でも私知ってる。寮にウォーターサーバーなんて置いてないし、椿さん、朝に自販機でいろはす買ってた。
嘘をついてまで接客しないと数字が取れないのだな…と思いました。
そしてそこまでして数字を取らなくてはいけない理由も、あとで明らかになりました。その話は次回にて詳しく。

あと交通費が家からではなく、オフィスから現場までのものしか出ないという事実も知ることになります。
家から直接現場に向かう上に、現場は大体郊外。ミーティングのためにオフィスに戻る必要もあるので、交通費は満足に支給されません。

実はこの日から数日間、猛暑日炎天下での勤務だったので、その後熱中症で倒れることになり、職場と寮、病院の往復生活をする羽目になります。
あと体が弱く、元々鼻血を出しやすい体質なのですが、この日から退社まで毎日突然鼻血が出るレベルの体調になります。
メンタルも強い方ではないので、仕事中にいきなり涙が出てきたりとか、吐き気とめまいが止まらなくなったりとか、短期間で色んな症状が出ました。
明らかに身体が仕事を拒否してます。これはまずい。

休みの日にシン・ゴジラ観に行って「マジでこのオフィスぶっ壊してくれ」と心から思ったし、家から現場が遠くてポケモンGOが地味に捗るので、「この会社にはダイエットをしに来たんだ」と考えるようになりました。実際2週間で2キロ痩せてました。

◾︎運命の日

入社後2週間、流石にこんな状態で働き続けるのは辛いだろう…と考えてこっそり転職活動を始める私。
早すぎるけど、ここで1年以上働く気がないなら職歴を汚すだけになってしまうし、というかこれは無理でしょ!と自分に言い聞かせて決心。

「シフトどうするー?」という連絡がオーナーからLINEで届く。
会社の雰囲気的にここで「大丈夫です!元気ですので全然いけます!Juice!」的なことを言わなければいけないのは分かっているのだけれど、それを言ったら辞められなくなる。
ここは仕事が全然できない人を演じて、9月末くらいで辞められるように話を持って行こう。そしてそのまま転職だ!と思い、勇気を出して踏み込む。

「仕事辞めようかなって悩んでます。皆さんに迷惑を掛けてしまうし、ここまで体調崩すってことは向いてないと思うんですよね…」
9月末くらいに、と続けて書こうとした時に、オーナーからまさかの返事が届く。
「じゃあ明日から仕事来なくていいから」

その直後、会社のグループLINEから次々と除名されていく私のアカウント。
えっ待って、話し合いの余地なし?
ていうかこれって不当解雇ってやつよね?
仮に翌日以降出勤するにしても、仕事の連絡は常にLINEで送られてきてたので、グループから除名された今、明日以降の仕事の概要すら分からなくて出勤できない。
「明日から来なくていい」なんて言葉、ドラマでしか聞いたことないよ…。

そう、ここまで読んだ方はお気づきかと思うけれど、私はこの会社で契約書を交わしていない。
ついでに言うと給与は振り込みなのか、手渡しなのか、それすら知らない。

この後どうすればいいのか全く分からないのです。

私は焦りながら「こういう時どうすればいいのか」を必死でぐぐり始める。
そしてひとつの言葉に辿り着いて絶句する。

『労働マルチ』という言葉に出会った瞬間でした。

→⑤に続く

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