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彼女いない歴=年齢のエロビデオ屋がガールズバーに行くだけ

この記事の続編です。読んでない方はこちらからどうぞ。


11月10日の午前11時、東京某所のビデオボックスにて。

「お時間、DVD枚数ともに結構です。ありがとうございました。またのご来店お待ちしております!」

有難くもないし、再来も望んでない。店が繁盛しても下っ端の給料はかわらないのでね。と思いながら定型文を読み上げる男がここにあり。
こいつの名はシリウス。大犬座の名を冠しながら光るところがどこにもない、平々凡々なエロビデオ屋の店員だ。

退店する客を片目で見送った後、傍に積まれたAVを棚に戻す作業に移る。
今帰った客が借りてたAVが上から順に
・ア〇ル
・アナ〇
・男の娘
・ニューハーフ
・ニューハーフ
・イメージビデオ

6翻!跳満だぁ!!

はぁ・・・朝っぱらからこの面子は胃がもたれてしまうよ。
自分、トビ退職いいすか?

なんてことを考えてしまうくらい、この仕事にウンザリしてきた昨今でございます。
前記事の「女日照り」編で散々書き綴ったことですが、当店は客も店員も99割が男、嘘です9割9分5厘が男で極稀に女性も来ます。男は男でも爽やかイケメン好青年だったらまだマシなのですが、大体はシケた面した5・60代、しかも態度は傲慢、観てるAVのジャンルは強姦ときたもんだ。毎日こんなのを見せられてたら精神衛生上よろしくない。

そんな時、出勤時間も財布の中身もギリギリでお馴染みの同僚平さんの言葉が頭をよぎる。
「この仕事してたら男が嫌いになるよ。そうなったら風俗に行った方がいい。ギャンブルで金を溶かすよりよっぽど健全だよ。」

私は半年のビデオボックス勤務で男が嫌いになった!ならばその言葉を実行するのは今だ!!今しかない!!!
月・火・水の三日間、一切の飲酒を禁じてフラストレーションを溜めた。
職場周りの夜の店を調べつくした。平さんから夜の遊び方のレクチャーも受けた。
そして木曜日は給料日!心身擦り減らした残業の成果にじゅうきゅうまんえんが口座に振り込まれたのを確認、豪遊するのにこれ以上の日はない。

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仕事の話なんて書きたくないので日中の業務内容は割愛。
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22時、文字通りクソったれな仕事を終える。
またな、と薄汚いビルに別れを告げて今晩の合戦場に向かう。
東京某所、まぁ明言しちゃってもいいか、神田なんですけど、神田駅西口を出ると水商売やってる店特有の無駄に明度の高い看板が立ち並ぶ通りがある。ウチの店もそうだけど性産業はもっと粛々とした方がいいと思う・・・
そんなキラキラストリートを歩くこと2分、着いた、ここが俺の合戦場がんりゅうじまだ。

読者諸君、シリウスヒヨったなとか思ってません?デリヘルとかソープじゃないんかいとか思ってません?流石にデリとかソープをブログのネタにはできませんよ。このnoteの主な読者は現実世界でも親交のある顔馴染みたちなので、彼ら彼女らに私の♂体験談♀をお届けするのはちょっとね・・・

というわけでガールズバーです。ちょっと露出度高めの衣装を着た女の子と酒を飲む、夜遊びの入門にもってこいお店です。
実は今年の6月にも友達の悪ノリで池袋のガールズバーに行ったのですが、その時は私含めて4人で入店したので、ソロは初です。前回は初ガールズバーだというのもあって、緊張して酒飲みすぎて吐いたんですけどね。さてさて、今回のシリウスはどう立ち回るのでしょうか(伏線)

店前で集客してるお兄さんに話しかけて、料金システム等を教えてもらってからいざ入店。私がホールに案内されている間にスーツ着てる男性が無線で他のスタッフと連絡する様は裏世界の住人っぽくて(水商売やってる癖に)ちょっとカッコいい、悔しいが。

店内はバーという言葉から連想される薄暗いシックな雰囲気というよりは明るくポップな感じで、そんな内装の店内でおっさんと若い女の子が談笑しているというミスマッチさがちょっと面白い。

空席に案内されて、1分。嬢がやってくる。
「こんばんわ~」「こ・・・こんばんわ~」
挨拶は基本、古事記には書かれてなかった。

キャストさんから貰った名刺 

で、そのキャストさんだが、かわいい。うん可愛いと思う。
女優のような洗練された美しさはないが、街中ですれ違ったら二度見するくらいには可愛い。女日照りが続いているので、天井から漏れてきた水滴も啜るくらいには喉が渇いているが、やっぱり飲み水はキレイであるに越したことはない。

キャストさんが私の隣に座る。あれ?距離近くない?前に行った店はテーブルを挟んでキャストと対面したんだけど、この店のキャストとは一人分の間しか空いてない。そしてこの店の制服はYシャツとミニスカートなんだが・・・スカートが短い。そりゃミニスカートなんだから裾は短いんだが、それにしたって短すぎる。ってかパンツ見えてるし。日照り続きの私にはちょっと刺激が強い。
※キャストさん曰く「この店はガールズバーとキャバクラの間くらいなんですよ~」とのこと。どうりでね、ちょっと過激なわけだ。

さて、なにはともあれ酒を飲まなきゃ始まらない。酒は喉の潤滑油、これがないと会話もままならない。

「「乾杯」」
 

キャストさんと杯を交わし、三日間の禁酒で乾ききった喉と肝臓にウィスキーを流し込む…
んほ~^女の子と飲む酒は堪ンないねぇ!

最近は人と会って酒を飲む機会がメッキリ減ってしまって仕方なく一人で晩酌をしていたのだが、一人酒はマズいのなんの。ガールズバーなんて別に性的なサービスがあるわけでもないのに高い金払うのは何故だと言う人もいるだろうけど、私は誰かと一緒に酒を飲みながら談笑する機会ってのは大枚叩いてでも欲しいと思っている。しかもその誰かが可愛ィ子ちゃんなら猶更だ。

さて、油を差したところで歓談を始めよう。
まずはこの店に来た理由から切り出した。

「冴えないツラをした草パクパク系男子がなんでこのお店に来たかというと、今働いてる店の客も店員も99割が男でして...」

99割はそういうネタであって、百分率を理解していないわけではない。けど相手がそれを承知していなくて(この客、低学歴だな。)とか内心小馬鹿にしていないかちょっと心配だ。実際学歴は良くないのだが。

「母親とスーパーのパートさん以外の女性と会話したのがいつだったかも忘れるくらいで。私も草食系とはいえ、たまには異性と会話したいなぁなんて思っちゃった次第で御座います。」

文字に起こしてみるとちょっと語尾とか語彙とかが気持ち悪いな。オタクくんじゃん。

しかし相手はプロ、こんな社会の底辺相手にもちゃんと「そうですよね~そんなときもありますよね~」と返しをしてくれる。天使か?

せっかくの酒の席なのでそれに関する話題を振ってみる。

「仕事以外でお酒は飲むんですか?」
「デスクの近くに梅酒が常備してあって、それを飲みながらAPEXする自堕落な生活をしてますよ」

おぉ、梅酒ってチョイスがいいね。酒が苦手なうちの母親も梅酒はちょっと飲むよ。いや、それよりもだ。このキャストさんAPEXやってるんですって。
ペクスが世代・性別・国籍関係なく誰でもやってるゲームなのは知っていたけど、水商売やってる女子大生がプレイしてると聞くとちょっと感慨深いねえ。10年前くらいだと「男女はかくあるべし」という考えがまだ根強かったし、いい年してアニメ・ゲームにのめり込んでる人は犯罪者予備軍みたいな言説がメディアによって流布されていた。(まどマギ巨人ラブライブが流行ったあたりで手のひらひっくり返されたのは一生覚えてるからな)
それが今は世代性別職業関係なく、これらの趣味を大っぴらにできるいい時代ですよ。あれ、何の話だ。これは社会の授業じゃないぞ。

曰く「APEXやりながら片手間でFGOの周回をしている」らしい。
いいねぇ、やっぱりこれが平均的な平成生まれの日本人だよ。私はペクスもFGOもやってないけど。
女と酒が飲みたいという動機でガールズバーに来たのに、思わぬところで感激してしまった。

しばらくゲームの話題を続けた後…
「そろそろ交代の時間だけど」とキャストさんが切り出した。
30分おきに客に付くキャストが入れ替わるのがこの手の店の常識だ。このまま流れに身を任せてほかのキャストとごあいさつするのも良いとは思ったが…

「今晩は私と付き合ってください」
「え?いいの?ありがとう~」

言っちゃった~指名料金は払う気なかったのに勢いで言っちゃった~
だって楽しかったんだもん~この話聞くの上手いんだもん~

後半戦に臨むにあたって、ボーイを呼んで「この娘にもう一杯」なんて言って、キャスト用のお酒を持ってきてもらう(客は飲み放題なのでこの時点で私はウィスキーを2杯となんか別の酒を一杯飲んでいる)

「「乾杯」」

というわけで後半戦。一秒も無駄にできないので自分から話を切り出す。

「いや~こういう店に一人で入るのは初めてで、入店するの結構緊張したんですよ。店の前で何分か立往生して・・・」

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・ィサン

・・・・・ニィサン

「お兄さん!こんなところで寝てちゃダメだよ!」

へ?はっ!俺が今まで読んでいたエロ漫画は!?

気が付くと私は路上で倒れていた。

アレ、さっきまで女の子と酒飲みながら歓談してたはずじゃあ…
・・・・・あぁ、飲み過ぎたんだな。流石に濃いめウィスキーを1時間で3杯は耐えられなかったか。

周りを見渡す。蒲田駅。降りたことのない駅だ。店長から♂ハッテン場♂として有名だということだけは聞いたことがある。酔った勢いで本格的なレスリングを屈強な男としに来た、なんてことは流石にないだろうが。

着衣をパンパンと叩いて埃を落とす。私を起こしてくれたお巡りさんに会釈をして駅構内に向かう。時間は4時台だったと思う。ちょうど始発が走り出すころだ。改札口にICカードをかざす。
ピンポーン!
アレ?どゆこと?退場記録がない?
これはあれだな。神田駅でいつもの電車に乗り込んだが、自宅の最寄り駅に降り損ねてしょうがなく蒲田に降りたところで終電。駅員から駅構外に追い出されたところで意識を失ったってところかな。

というわけで駅員さんにその旨を伝えて、無事蒲田駅から自宅最寄りの駅にたどり着き、風呂に入ってからおねんねしました。


というわけにはいかず、また乗り過ごして、気が付いた時には蒲田以上に自宅から遠い駅にいた。川口ってどこだよ。

意識がハッキリしてきて、こんどこそ乗り過ごさずに家にたどり着くぞ!と思ったときに自分の体調が最悪なことに気が付いた。内容物を吐き出しそうで吐き出せない感じが延々と続くこの症状は・・・二日酔いだ。

電車内のわずかな揺れもこの時の私には毒になる。電車に乗って、吐き気がきたらいったん降りる。吐き気が引っ込んだらまた電車に乗る。
これを繰り返してなんとか最寄り駅まで着いた。10時過ぎだったろうか。

安っぽい表現だが、天国から地獄だ。昨晩は天にも昇る気分だったのが、日を跨いだ瞬間にコレだ。女の子と話している間は今年でもっとも幸せだったのに、二日酔いに苦しみながら電車を乗り継いでいる間は今年で最悪の時間だった。

交わした覚えの無いLINEでの会話 
わっしょいわっしょいって...浮かれ過ぎでしょ
貰った記憶のない領収書と優待券
買った記憶のない水


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この文章を書いているのは事が起きてから3日後。
心身ともにリセットされたので改めてこの日のことを総括してみるが、素敵な体験だったと思う、酒の失敗さえなければさらに良かったが。

またまた月並みな表現だが心が軽くなった。聞き上手な人に思いの丈をぶちまけて、心の中の膿のようなものが出された心地がする。
心に連動して体も軽くなった。ここ数日は体調がいい。
やはり金は払ってでも話を聞いてくれる人と会う機会ってのは作ったほうがいいと思う。この考えがより強固になった。

そして貴重な時間を自分と会うために使ってくれる人のためにもうちょっとだけ面白い男になろう、と思った。頑張ります。

また例の店には行こうと思ってます、一か月後くらいに。


P.S
3年くらい前に、ある友達に向かって「風俗行ったら詳細なレポート書いてお前に送りつけてやるよ!」って言ったんですけどこれでいいですか?風俗ではないですけど。










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