ST☆RISHと同世代のアラサーがうたプリSTを観に行った話

キングダムで離脱してしまった大人達、うたプリSTを観てみませんか?

※途中暗い話が挟まります。
※隙自語ですみません。
※プリ春の話鬼ほどします。我々は皆心に七海春歌を抱いている。

【私とキングダムまでのうたプリ】

 2010年6月24日、うたプリこと「うたのプリンスさまっ」は、この世に誕生した。そして私は、当時のキャラクター年齢から換算して、聖川真斗と同い年である。

 当時、ニコニコ動画がないと生きられない人間だった私は、あの伝説のアニメ第1期『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』と、GREEというSNSサービスで配信された『うたの☆プリンスさまっ♪』に出会い、現在に至るまで、数え切れないほどの鮎を茹でてきた。今より少し色黒だった一十木音也を忘れたことは無いし、「キスよりすごい音楽って本当にあるんだよ」という言葉には、今でも首がもげるほど頷くしかない。

 現在はROT組各位と七海春歌大先生に果てしない激重感情を抱くアラサーとなった。寿嶺二があの精神状態のなか「溺愛テンプテーション」を歌い切ったことについては定期的に議論していきたい。

 しかしながら、お恥ずかしいことに、私はずっとうたプリを追掛け続けることができていたわけではない。大学卒業間近で、うたプリが、TVアニメーションとしてのコンテンツに1つのピリオドを打った。第4期『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』の放送が終了したのだ。結果的に、社会人になると同時期に、ニコニコ動画から離れ、アニメコンテンツから離れ、うたプリからも離れてしまった。

 その間もうたプリは益々の発展を遂げていた。当時も舞台やライブが盛況だったと記憶している。時間が戻せない事がもどかしい。こうなったら円盤を買うしかない。

 某坂道アイドルと、日韓合同K-POPアイドルに頭の先まで浸かった頃、劇場アニメ第1作『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』が上映された。友人に誘われ鑑賞した私の感想は「もう私は、このコンテンツの対象じゃないのかもしれない」だった。

 今思えばそれは大きな間違いだ。仕事が上手くいかず、体調が芳しくなく、果ては推しグルも上手く行っていないどん底の精神状態で鑑賞した私が悪い。(先日、再鑑賞したキングダムは最高でした。HE★VENSのワイヤーに人間味を感じて思わず拍手してしまった。皆様も是非鑑賞してほしい。)

 それでも、益々成長し、キラキラとしたST☆RISHに、当時は置いて行かれてしまったという気持ちが強かった。そんな私が、今や、劇場アニメ第2作『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』を複数回鑑賞(搭乗)している

 きっかけは些細なことだった。HE★VENSのファンである友人から「イヤモニとマイクがメンカラで、前作よりパワーアップした結果、全編CGで没入感がヤバい」と耳にしたこと、久しぶりに会う美風藍のファンである友人と「会いたいけれど、特に決まった予定がない」という緩やかな休日を迎えたことという偶然が重なった結果、私は劇場に脚を運ぶことになったのだ。

搭乗後の勢いに任せたお気持ち表明LINE

【うたプリSTへの感想】

 入場早々銀テが手渡され、久しぶりに見た神宮寺レンの丁寧な字体と、銀テ争奪戦のない福利厚生に衝撃を受けた。

※以下、セトリ注意です。


・マジLOVEスターリッシュツアーズ

【今日を迎えられる喜びを
あの日願った未来は此処に
さあこの手を取って?】

 新型コロナウイルスの流行以降、それまでの当たり前が激変し、イベントやライブは軒並み中止となった。私自身も、推しグルの解散に立ち会うどころか、いつのまにかグループ自体が霧散することもザラだった。エンタメ界隈が大打撃を受け続けている中、こうやって無発声でも彼等念願の単独ライブを目撃できることは、どのうたプリファンにとっても等しく尊く喜ばしいことだと思うと同時に、ST☆RISHがこの気持ちに寄り添ってくれていることに何より感動した。なお、この時すでに世界観に没入してしまっている

【百万回生まれ変わっても君を見つけるよ】

 人生は有限だけれども、それでも永遠を誓い続けてきたST☆RISHが、取り戻せない時間に対してこうして寄り添ってくれることが余りにも現在(イマ)を生きていて、彼等も一緒に歳を取ってくれるんだと泣いてしまった。アラサーの涙腺は思ったより弱い。不意打ちをされるとスペシャル☆心不全を起こすかもしれないからお手柔らかにお願いしたい。

 冒頭のジェット機、プライベート用とはいえ、恐らく商用免許を取っているということは、100時間以上のフライトを重ねている。そりゃ、ライブできるまで3年かかるよね……。と、斜め上の方向で感心してしまった。こちとら古のオタク、もうなにを運転されても驚かんぞ……。

・Ok,Hello World!

 冒頭、マイク黒くない?と思っていたが、途中で防水用と気付いて五体投地してしまった。イヤモニもしっかり両耳嵌っているので、これは生歌なんだな。と思うと、CD1枚ごとに歌唱力を伸ばしてきた一十木音也の成長を感じて堪らなくなりました。

 宇宙もロックで繋がると信じてきた彼が、満を持して世界に御挨拶をしたこの楽曲。それだけで大人になったと言わざるを得ないのに、ひたすら追ってきた「明日」が今作で「未来」に置き換わり、何かと願う事が多かった彼が確信を持って「着いてきて!」「離れないで!」といえる環境を育んできたことに感動しっぱなしでした。

 ところで、何かと私の推しはDr.Martensを履きがちなので、今作もブーツを見た瞬間、満面の笑みを浮かべました。

・Ready to be a Lady

吐息も伝わるどころか混じってしまった今作。愛の伝道師をなさっていらっしゃる来栖翔氏の頷きを見るたびに、「ワシが育てた」を感じて、こちらまで頷いてしまう。夕日のイメージが強い彼が、夕日が沈んだ後の話を始めたので驚愕しました……。身体だけが大人に近づいていた彼ももうすっかり心まで大人じゃん……。

 ところで中の人は外国語で数を数えさせられがちな気がして、必死に思い出したのですが、チャームポイントが泣きぼくろだった頃はドイツ語でしたね。

・トリッドラヴ

 この振り付け絶対流行らすぞ……!!カタカナ英語が随分と増えて、日本語が随分上達した事が伝わってくる今作。冒頭のディティールで「猫だ!」と、ありありと掴めるのがもうすごい。
 
 一緒に活動したい、歌いたい、ずっと共にありたいと願ってきた彼が、【描けるならそれはもう夢じゃない】と今を楽しく生きている事が伝わってきてありがとうST☆RISH。100万回生まれ変わってもセシルをよろしくST☆RISH……。

・Snow Ballade

 七海春歌大先生との出会い、アイドル聖川真斗の始まり。これをエモさと言わず、なにをエモさと言うんですか?

 1000%の「Knocking on the mind」って、時系列的に恐らく作曲者:同級生、作詞:聖川真斗の課題作品のはずなんですけど、この頃の七海春歌から観た聖川真斗って、単なるクールな同級生だったのに、恐らくこれを提出してるんですよね。もしかしたら七海春歌はこの曲を知らずに生きていたかもしれないんですよね。心のダムえげつないな。と、思います。という前提の基、今作を聴くと、未だに愛の洪水が溢れ返ってて、私も涙が溢れかえりました。

 都会の喧騒に耳を塞いだ七海春歌のエピソードを知っている聖川真斗がサビで手話を入れてくるの、なんというかもう、【守り尽くすと誓う】の体現じゃないですか?

 【俺の手で一生暖める】だったり【限りある言葉じゃ足りないから人は触れようとするのか】等々、聖川真斗の真っ直ぐな感性が大好きです。ソロベスト買ってください。

・愛をボナペティ♪

 オタク、習った事以上を求められがち。Elements Gardenさんが某フレちゃんに渡す曲間違えて渡したのかと思った。という(失礼な)冗談は置いておいて、そんなに素敵な声のボナペティは初めて聴きました。一緒に観ていた友人が「ゼスプリ……」と小さく呟いたのが忘れられない。

 【人生、楽がありゃ苦もある】に対して、魔法の呪文で不安を拭い続けてきた彼が【人生みたく苦み10%隠し味たっぷりでOK ?】と歌ったことに大変驚きました。辛いことを排除できない現実に、隣で寄り添う事を選択してくれるようになったのは、とても大人びていて、それでいて、今まで以上に優しい選択なのではないかと思います。

・TRIGGER CHANCE

 個人的に一ノ瀬トキヤってElements Gardenの強いところを200%表現できる故に神曲が多いアイドルだと思っているんですが、今作は正に人間一ノ瀬トキヤではなくて、アイドル一ノ瀬トキヤを感じました。

 若干のHAYATO味を感じるというか、プロのエンタテインメントのお手本という感じで「完璧」ってまさにこんな舞台だよな。と思いました。完璧な舞台=エンタテインメントの頂点=ブロードウェイのイメージなのですが、聴いただけでコンセプトの「ブロードウェイ」が判るって相当凄いことなのではないでしょうか。恐れ入りました……。現地で体得したものを丸々舞台に持ってくる一ノ瀬トキヤを目撃できることってオタク名利に尽きる……。

・来来☆オーライ

 一見可愛くてワクワクする楽曲。なんだけど……人生を全力疾走してきた来栖翔が、4000年より長い先を見据えて、【来来All right 再見】と歌う今作、ここに全てが詰まっていて泣いてしまう。

 みんなと同じように大人になることが当たり前ではないこと、好きなことを好きなようにできるのが奇跡みたいなこと、まるっと全部感謝する来栖翔の未来が益々明るいものになることを心から願っています。

・UUUU/SAMURAIZM

 振りが……余りにも好き……。ユニット曲、暖色・寒色に分かれていた時点で好きが溢れた。一段階上に登った彼等が、現時点の全力を魅せてくれたことが本当によく分かる楽曲。ST☆RISHならなんだって出来てしまうんですよ……知ってた。アイドルST☆RISHを見せつけられると、凄すぎて言葉を失ってしまうんですよね。そして何度でも観たくなるんですよね。凄すぎて記憶失っちゃうんですよ。何回観ても凄い!!ってなっちゃうんですよ。

・ST☆RT OURS

【始まりをくれた君に 僕達はどうやって返せばいい?】
 そんなの……私が聞きたいよ!!!!【だって貰ってばかりで】……いや、こっちの方が貰ってばかりだよ!!どうしよう、円盤買いますね。

【何十年経った後も】
 マジLOVEスターリッシュツアーズでも触れましたが、彼等も確実に、共に歳をとってくれるんだという感動で泣きました。今作のST☆RISH、徹底して隣に寄り添ってくれる……。

【永遠を誓った強さで】
 何度も言うが、ST☆RISHは常々、永遠を口にしてきた。本劇場版で成長を受け入れると、代償のように、時間が概念じゃなくなってしまうことに不意にハッとさせられる。人生は有限だけれども「永遠」と同じ重さでファンの人生を抱えてくれるST☆RISH、信頼しかない……。

 ST☆RISHの始まりは七海春歌大先生その人なんですけど、同時にファンとしての人生を歩んできた人々も彼等を支えてきたことに間違い無くて、積み上げてきた時間は彼等の中にも確実に流れていることがエモの極み……。

・アンコール

 是非劇場で観てください。特に御曹司組を推したことがある方、観ましょう。どうにかして観ましょう。どうしたら良いんだろう、脳内に直接お届けしたい。
 CD出ますよね?特典じゃないよね?なんかもう何度見ても衝撃で記憶を失ってしまうんですけど、確実に覚えているのは、何回観てもはっきり捉えられない一十木音也の残像です。

・Wアンコール

 気付いたら踊ってました。こちとら数えきれないほど鮎を茹でてきた古のオタクなんですよ。走馬灯のように退学王やってた一十木音也や、愛想悪かったHAYATOの双子の弟だった一ノ瀬トキヤや、春ちゃんを犬と間違える四ノ宮那月や、食堂用プリペイドカードが地面に落ちる寸前で拾ってくれた来栖翔や、1年という約束でアイドルの道を歩み始めた聖川真斗や、放送室ジャックした神宮寺レンや、クップルやってたセシルが脳内を駆けました。2000%かと思ったら1000%でした。愛島ァ……カミュが目頭抑えてんぞ……愛島ァ……。

【ST鑑賞後の私】

 映画館から出た瞬間、某CDショップに突撃したらCDが一枚も無くなっていて「そうだよな!」と叫びながらiPhoneで過去作含め、楽曲買い直しました。持っているCDもあるんですが、もっと長く、できるだけ永く、おじいちゃん、おばあちゃんになってもコンテンツが続いてほしいという私の我儘でそうしました。愛故に。
 挙句、サブスクでうたプリ観られるのに、アニメ円盤全部揃えました。私は宇宙一の馬鹿なのかもしれない。でも良いんだ……大人になったオタクの力でST☆RISHと人生を共にできるなら悔いはないんだ……。

ありがとう…Thanx to my friends
ありがとう…うたプリ
ありがとう…ST☆RISH

帰宅後、久々にニコニコ動画で1000%の1話(公式)を視聴したところ、皆さん同窓会してました。そちらへも、是非どうぞ。


追記:

想像以上に多くの方に閲覧いただき恐縮です。
このライブの存在を教えてくれた最高の友人がこの拙い感想文を読んだうえで、教えてくれた情報により、この感想文の内容は周知の事実だったのではないかと思い至り、現在、ワイは羞恥☆スター状態です。

 来週こそ紙飛行機を貰えると信じています。皆様良いフライトを!

ファンにとっては周知の事実だった…って…コト?!